【MTB Portugal Cup XCO#3】ポルトガルカップにて沢田11位、平野17位


(沢田)

レース名:XCO INTERNATIONAL FUNDAO XCO#3
開催日:2019年5月12日
開催地:ポルトガル・FUNDAO
TEAM BRIDGESTONE Cycling 参加選手:沢田時、平野星矢

欧州でのレースを重ねるTEAM BRIDGESTONE Cycling。UCIポイントを獲得すべく望んだポルトガル・フンダンでのUCI-C1レース。結果、沢田時が11位(エリート7位)、平野星矢が17位(エリート12位)となりました。小林監督がレポートします。

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セルビアでのステージレースを終え、間もなくスペインを経由してポルトガルへ。チームはFUNDAOで開催されたポルトガルカップXCO第3戦UCI-C1にエントリー。

結果、沢田選手が11位(エリート7位)、平野選手が17位(エリート12位)となった。

強い欧州勢のいる中で、UCIポイントを確実に積み上げ、現在のシーズンベストを魅せること、というチーム目標。今回は沢田選手はそれを苦しみながらも達成し、平野選手は体調が上向きなだけにアンラッキーなレースとなった。日本の国別ランキングにも貢献できた格好で、今できる全てを尽くした結果だ。

ここFUNDAOはリスボンとポルトの中間に位置するサクランボの名産地。スペインとの国境に近い穏やかな街。ポルトガルのそれに多い石畳の中心街と緩やかな丘、遠くの山には残雪が見える。会場は街を見下ろす高台の広大な公園にある。

コースはこの公園に常設されるBTT(ポルトガルではMTBをBTTという)専用コースとトレッキングルートを組み合わせた登坂とコーナーの多いトラック。ロック、ドロップ、バンプ、砂利。シクロクロスを思わせるタイトコーナーと古道のシングルトラック。決して最新の、流れを考えたレイアウトとは言えないが、MTBをこよなく愛するスタッフが一生懸命に引いたラインだということがよく分かる。

一方、脚を休める区間がないため、スタートからパワー合戦になることは明白。一列棒状になり、中切れを起こしたら大きく先行を許してしまう危険なコースだ。

チームはレース3日前に会場入り。コーステープのない場所はオーガナイザーの情報を基に入念なコースチェックを行った。

チームとしては、かつてポルトガルを経験していることから、この地での相性は悪くない。食生活も人柄もよく分かっている。今遠征の借家オーナーも、毎日我々を心配してくれ、とうとう新品の洗濯機まで購入してくれた。お互いに不慣れな英語を介して、心が通じることで言葉を大きく乗り越えていく。


(左から小林監督、平野、最右が沢田)

選手にとっては生活が安定することで厳しい遠征が続いてもレースに集中することができる。こうした遠征先での出会いや関係づくりも大切なパフォーマンスと言える。

5月12日(日)快晴の真夏日。14:30スタート。4.2㎞×7Lapの熱いレースが始まった。


(沢田)

公道を閉鎖してのアスファルトスタートから緑豊かな公園の森へ。ポルトガルチャンピオン、スペイン勢、ギリシャ勢を先頭パックに62名のエリート集団が全開でコース奥へと向かう。平野選手は最前列、沢田選手も2列目とスタート位置は申し分ない。

スタート間もなく一列棒状となり、序盤からの激しいダンシングに沿道の観客もMCも興奮している。路面は硬くパフパフ状態。平野選手、沢田選手ともトラブルなくスタートしたが、地元勢の強いプッシュに圧迫され、2人そろって14番手前後のポジションでフィードに入ってきた。しかし、ここで平野選手が降車。リアタイヤを岩に何度もヒットさせていたため、エア圧を確認してからリスタート。20番手程まで順位を下げてしまう。

2周目、シングルゼッケンの地元勢が速い。ポルトガルチャンピオンを主軸に先頭パックは3名となり、かなりのハイペース。沢田選手は全開の前のパックを追う走りで14番手前後をキープ。平野選手はフィードゾーンに入り、ここでホイール交換。更に順位を落としてしまうが、冷静にリスタート。

3周目、先頭パックはまだ崩壊しない。先頭交代しながら後続を寄せ付けない。沢田選手は前後の選手とパックを形成できないが、見える前の選手を追う展開。パンクやDNFが発生しはじめ、12番手まで順位を上げて行く。平野選手はようやく落ち着き、彼本来の走りが見え始め、順位をひとつずつ上げての18番前後。


(平野)

4周目、トップ争いのラップだけが抜けて速い。セカンドパックも崩壊しバラバラになっていく。沢田選手は単独になりながらも攻める姿勢は崩れず、12番手を維持。平野選手は3度目のピットストップ。あまりに暑いため、脚を停め、掛水と給水を行ってからリスタート。そこから全開でファストラップを出して順位を戻し、18番手。

5周目、30度近い暑さ、パフパフの路面から突き出る岩、ゴロゴロと動く石群などが影響し、疲労と共に落車が増えてきた。選手のウェアに土汚れが目立ってきていることで分かる。沢田選手は積極的にプッシュしているが、中々前の選手との差が縮まらない。平野選手はプッシュを繰り返して順位をひとつ上げ17番手。


(沢田)

6周目、トータル90分を確実に超えるラップ。ポディウム(表彰台)はほぼ決定的。しかし沢田選手は諦めていない。11番手でフィードに戻ってきた。平野選手も単独になりながらもペースを維持し、17番手でファイナルラップへ。

7周目、沢田選手は前の選手を捉えることのできるギリギリの差。タイム差を明白に示しプッシュを促した。沢田選手は最後まで追いかけ、抜くことはできなかったが11位でフィニッシュ。平野選手は大きくあいた前後の選手とのマージンをとるのではなく、最後まで出し切っての17位でフィニッシュ。


(沢田)

こうして2週間にわたった第3次欧州遠征を無事に終えることができた。これはスポンサー、サプライヤー、ファン、家族、そして現地の支援者による力が大きい。

あらためて各位に感謝すると共に、チームはもっと強く、もっと高い頂きを目指す勇気をもつ準備ができている。

TEAM BRIDGESTONE Cyclingへの応援をありがとうございました。

チームは、一時帰国し、八幡浜インターナショナル(UCI-C1XCO)に参戦し、再び欧州へと戻ります。引き続き、チームへの応援を宜しくお願いします。

Obrigado!

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