【TOJ2019】 第7・伊豆ステージ/石橋前方で粘り続け12位、総合は7位にUP
レース名:2019 ツアー・オブ・ジャパン /第7・伊豆ステージ
開催日:2019年5月25日(土)
開催地:静岡県伊豆市・日本サイクルスポーツセンター周回コース
UCIカテゴリー:2.1
コース長:122km =12.2kmx10周
TEAM BRIDGESTONE CYCLING 参加選手:石橋学、窪木一茂、黒枝士揮、徳田優、平塚吉光、孫崎大樹
photo: Midori SHIMIZU / Team Camera
静岡県伊豆市にある日本サイクルスポーツセンターにて、ツアー・オブ・ジャパン2019第7ステージが行われ、TEAM BRIDGESTONE Cyclingの石橋学が9位に入り、総合順位を7位にまで上げ日本人最上位となりました。
(石橋)
2019年のツアー・オブ・ジャパン。今年は幸運なことに雨の降る日はここまで一日もなく、今日も晴れ上がった青空、夏を思わせる気温。
東京2020オリンピックではマウンテンバイク競技の会場となる日本サイクルスポーツセンター内のコース、12kmを10周します。「上りと下りしかない」とも言われる激しいコースプロフィールで、獲得標高は3750m。選手たちの体力を削るどころかむしり取る、例年サバイバルレースとなるステージです。
(平塚、黒枝、徳田、窪木)
さらにはこの伊豆ステージが個人総合順位に関わる大きなタイム差を稼げる最後のステージとあって、ここでの高順位を狙う選手たちは、それぞれの戦略で激しく動いてくることでしょう。
スタート直後から激しくアタックがかかり続け、全体のペースは上がり集団も大きく伸び、2周目に入りようやく8名の逃げグループが確定したときには集団は二分、勝負をかける集団と、明日の東京ステージに向け脚を休めたい集団とに大きく別れていました。
落ち着く様子のないこの前方のメイン集団は先行グループを捉え、アタックが繰り返しつつペースを上げ、4周目となって先行する10名の選手、それを追う30名ほどの集団、という構図に落ち着きます。
(黒枝)
この集団に入るブリヂストン選手は石橋学、窪木一茂、徳田優、平塚吉光の4名。孫崎大樹はその後方を走り、東京ステージに備えたいスプリンター黒枝士揮は、後方集団で今日を完走することを目的としています。
「最初の速いペースのときは我慢できて、悪くない位置で走れたんですが、その後に力勝負になり、ついていけなかったです」(孫崎)
(孫崎)
先行グループと集団との差は2分ほど。このままのペースなら捕まえるのも難しくなかった集団ですが、6周目後半の下りで落車が発生、これに窪木が巻き込まれます。
「前方の選手が転んで、フルブレーキで避けようとしましたが下りで70kmぐらい出ていて避けきれず、両輪がロックして僕も突っ込んでしまいました。チェーンが絡まってしまって、何をしても全く取れなかったので、そこで代車が来るまで待って、来た代車で追い上げようとしましたが、この変速の調子も悪く止まってしまい、完走を目指すことにしました。ここからだというところだったんですが、残念です」(窪木)
(窪木)
幸い軽傷で住んだ窪木でしたが、シューズのクリートが壊れ、レーススピードでは走れません。その窪木を一人にはできないと徳田が下がり、窪木を守るように共に走ります。
「僕自信は、ここ2日間のステージで脚を休められていたので、何かしらの貢献ができると思っていました。途中でトラブルがあったら大きなダメージになるコースなので。窪木さんが落車して、経験不足でどうしたらいいのかなってテンパっていましたが、待つなら僕しかいないと判断して後ろに下がりました。結果的にあれで良かったと思いました」(徳田)
(徳田、窪木)
レースは8周目、先行グループから1名の選手が抜け出し、追うために全体的にペースが上がります。先行グループから選手数名がこぼれて7名に、後方も集団とは名ばかりの、10名ほどの選手のみが残っているという状況に。
(平塚、石橋)
この10名の中に石橋と平塚、このTOJでは着実に石橋の総合成績を上げ続けてきたコンビが入っています。
「石橋がトラブってもフォローできるように、なにかあったときに対応できるように走っていました」という平塚は、9周目に先頭を引きペースを上げます。レース運びを熟知する平塚の判断でした。
「周りは総合順位を狙う選手ばかり、終盤に向けてアタック合戦になってしまうと、加速の少ない石橋には不利になる。それに速度が低いとアタックがかかりやすくなるので、速いペースにして安定させようと、とりあえず引いて、引けるだけ引きました」(平塚)
(平塚)
この引きで脚を使い切った平塚は最終周回で後方に。しかしこの渾身の引きで上がった速度により結果、先行7名は吸収されます。まだ1名の先行選手は残しますが、石橋は余計に体力を使うことなく2位集団に。
そして最終周回、先行する選手と集団との差は縮まりません。レースは残り半周、ここで石橋がアタックを掛け一人飛び出します。
(石橋)
「あのアタックはダメもとでした。最中に実は、自分がちぎれるかなとも思ったんですが、結局後ろがちぎれてくれたので、本当に良かったです。平塚さんが最後までついていてくれたので、本当に助かりました」(石橋)
チーム随一のスタミナを持つ石橋、最後の最後までその体力を使い、結果このステージでの日本人最上位となる9位でゴールへ。この結果が石橋の総合成績を7位にまで押し上げました。
(石橋、メカ田村、平塚)
今年のツアー・オブ・ジャパン、TEAM BRIDGESTONE Cyclingが目標としていたゴールは3つありました。
1)石橋学の個人総合での好成績
2)チームでのUCIポイントの獲得
3)ステージ優勝
石橋はこのステージで、まずは個人総合7位獲得。次の東京ステージは平坦で、大きく秒差がつくことの少ないステージなので、まずは7位という成績はキープできるでしょう。そしてUCIポイントは、石橋がここまでで35ポイント、そして窪木が2位に2回入ったことで10ポイント、合計45ポイントを獲得できています。
ここまでで、2つの目標を達成できているTEAM BRIDGESTONE Cycling。残すはステージ優勝のみ。東京ステージに向けチャンスを伺ってきた黒枝、そして窪木が優勝を狙います。
「明日はただ、フルガスで走るのみです」(黒枝)
【リザルト】ツアー・オブ・ジャパン2019 第7・伊豆ステージ 2019/5/25
1 パブロ・トーレス・ムイノ(インタープロサイクリングアカデミー)3:35:58
2 ベンジャミン・ヒル(リュブリャナ・グスト・サンティック)+0:11
3 ホセ・ヴィンセンテ・トリビオ・アルコレラ(マトリックスパワータグ)+0:11
9 石橋学(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:22
35 平塚吉光(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+ 14:25
70 孫崎大樹(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+27:16
72 黒枝士揮(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+27:16
74 徳田優(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+28:42
75 窪木一茂(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+28:42
*個人総合成績 第7・伊豆ステージ後
1 クリス・ハーパー 17:26:56
2 ベンジャミン・プラデス・レヴェルテル +0:40
3 ホセ・ヴィセンテ・トリビオ・アルコレア +0:51
7 石橋学 (TEAM BRIDGESTONE Cycling)+2:03
47 平塚吉光(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+48:27
55 孫崎大樹(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+56:35
64 窪木一茂(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+1:11:59
73 徳田優(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+1:47:48
74 黒枝士揮(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+1:49:03
チーム総合(上位3選手合計)
1 チーム右京 10:49:23
14 TEAM BRIDGESTONE Cycling +40:34
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