【TOJ2019】最終・東京ステージ/窪木を優勝へチームは一つとなって導びいた

レース名:2019 ツアー・オブ・ジャパン /第8最終・東京ステージ 
開催日:2019年5月26日(日)
開催地:東京都品川区・大井ふ頭周回コース
UCIカテゴリー:2.1
コース長:パレード3.8km 112km =7kmx16周
TEAM BRIDGESTONE CYCLING 参加選手:石橋学、窪木一茂、黒枝士揮、徳田優、平塚吉光、孫崎大樹

photo: Midori SHIMIZU / Nobuhiko TANABE / Team Camera

2019年5月26日、トランプ米国大統領の来日期間中、小池百合子都知事も応援に駆けつけたツアー・オブ・ジャパン(TOJ)最終・東京ステージにて、TEAM BRIDGESTONE Cyclingの窪木一茂が優勝しました。TOJ期間を通し培われたチーム力の結果を、最高の形で披露することができました。

前日、伊豆ステージでの下り区間での落車を、その身体能力と運とで最小限に抑えた窪木。痛そうな顔や仕草は見せませんが、前夜から氷のうを持ち歩き、右膝と左のおしりに当てています。

(孫崎、窪木)

令和発の真夏日と言われた日、スタート前に選手への激励を小池百合子都知事よりいただき、11時にレースはスタート。コースは東京都大田区の大井ふ頭。高低差がほとんどないため、選手の体力差が出にくい、純粋なチーム戦としてのロードレースとなりました。

1周目から激しくアタックの応酬が始まり、それぞれのチームのエース級のライダーたちが、自身の走りと脚の具合を確かめるかのようにアタックします。窪木ももちろんその一人で、2周目の逃げを一人で追い上げ捕まえますが、集団が動き吸収します。

平坦な7kmという短めの周回では、集団内での位置取りとチーム員それぞれの仕事の割り振りが重要となります。特にTOJのようなレベルの高いチーム同士の戦いとなれば、ゴールスプリントになることはほぼ間違いありません。

ブリヂストン選手たちはゴールスプリントに備え、前夜のミーティングではいくつもの想像をぶつけ合いました。ただ基本的な方向性は、この8回の連続するレースの中で組み上がってきた役割をたどることになりました。

自身も嗅覚鋭いスプリンターの孫崎大樹が窪木をゴールスプリントへと導き、昨年このステージ4位の黒枝士揮が別ラインでバックアップ、石橋学と平塚吉光の名コンビは石橋の総合順位を守りつつも牽引力となり、徳田優は集団の先頭に出て牽引し風を受け体力を削る役割を担当します。

中盤になり形成された4名の逃げは、クライマー系2名選手の逃げに変わり、そのまま1分近くの差をつけて逃げ続けました。メイン集団では各チームが前方にまとまり速度をコントロール、終盤に近づくに連れ、ゴールスプリントにしたいチームが一人ずつ集団の先頭で引き始め、そこを徳田が担います。

(徳田)

最終周回で逃げを完全に吸収した集団、ゴールスプリントへ向けて、各チームの位置取りが激しくなります。

最終コーナーで先行するのは宇都宮ブリッツェン、後ろから孫崎が飛び出しブリッツェン2選手を抜き、自身でスプリントを勝つかのように前へ。

孫崎の後ろについていた窪木は、その速度にさらに窪木ならではの爆発的な加速を加えてスプリンター群からひとり抜け出し、ゴールラインをくぐりました。

「無線で指示を出しただけで、みんなひとりひとりが力を発揮して、ひとりひとりを避けてくれて。最後、孫崎が残って僕をひきつけて、ホント発射されただけで。そこまでは、優が先頭を引いてコントロールをしてくれて。そこから石橋と平塚さんが先頭付近、10番以内だね、交互に先頭交代して、エネルギーを消費しながら場所どりしてくれて。ラスト1kmからは3人で料理したって感じです」(窪木)

(黒枝、窪木、六峰監督)

「1km前のコーナーで、窪木さんとはぐれてしまって。ただ、まだ直線あったんで、一回後ろに戻って窪木さんと合流して。みんなインに切っていたので、外から一本突き刺して。最終コーナーで僕が前に出きってスプリントを開始したら、そのタイミングで窪木さんが行ってくれたんで。自分の得意な部分を発揮できました」(孫崎)

荷物をだいたい積み終わり、窪木がドーピング検査から返ってくるのを待っている時、マッサー谷内が言いました。「今日の窪木さんの顔つきは、朝から全然違っていたものね。あれは獲物を狙う獣の目だった」


TOJ2019で目指していた3つの目標、

1)石橋学の個人総合での好成績 

= 個人総合7位、日本人選手最上位

2)チームでのUCIポイントの獲得  合計 59pts    
・石橋 総合7位=35pts、    
・窪木 第1ステージ2位=5pts、第4ステージ2位=5pts、第8ステージ1位=14pts

3)ステージ優勝     
= 窪木の東京ステージ優勝

これらすべてを実現した、TEAM BRIDGESTONE Cycling。ステージレースでロードレースチームの団結力が磨かれ、最後に勝利する物語を見せられたかのようでした。

【リザルト】ツアー・オブ・ジャパン2019 最終・東京ステージ 2019/5/26

1 窪木一茂(TEAM BRIDGESTONE Cycling)2:23:01
2 フェデリコ・ズルロ(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)+0:00
3 オールイス・アウラール(マトリックスパワータグ)+0:00
4 黒枝士揮(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:00
11 孫崎大樹(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:00 38
石橋学(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:00 76
平塚吉光(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+2:22 77
徳田優(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+7:18

*個人総合成績・最終
1 クリス・ハーパー 2:23:01
2 ベンジャミン・プラデス・レヴェルテル +0:40
3 ホセ・ヴィセンテ・トリビオ・アルコレア +0:51
7 石橋学(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+2:16
51 平塚吉光(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+50:49
55 孫崎大樹(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+56:35
64 窪木一茂(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+1:49:15
73 黒枝 士揮(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+1:49:03
75 徳田 優(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+1:55:06

*チーム総合 (上位3選手)
1 チーム右京 59:37:53
13 TEAM BRIDGESTONE Cycling +1:15:47

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