【2019全日本選手権ロード】個人TT:今村がU23優勝、徳田がエリート男子10位に

2019全日本選ロード・個人TT/今村U23優勝/徳田エリート男子10位

(今村)


レース名:第23回全日本選手権個人・タイム・トライアル・ロード・レース大会
開催日:2019年6月27日
開催地:静岡県駿東郡小山町 富士スピードウェイ
TEAM BRIDGESTONE Cycling参加選手:石橋学、今村駿介(U23)、窪木一茂、沢田桂太郎(U23)、近谷涼、徳田優、橋本英也、孫崎大樹
コース長:39km(男子エリート)、26km(アンダー23)

photo: Kei TSUJI



(中央:今村)


2019年個人タイムトライアル(TT)全日本選手権に参戦したTEAM BRIDGESTONE Cycling。チームはエリート男子クラスとアンダー23クラス(U23)に出場し、U23では今村駿介が優勝、エリートクラスでの最上位は徳田優の10位となりました。
エリートクラスは変わり続けた天候と滑る路面に翻弄されました。



(徳田)


来年に控える東京2020オリンピック、自転車個人タイムトライアル競技のコースとなる静岡県・小山町《富士スピードウェイ》。コースレイアウトは全く異なりますが、この会場で、2019年度のTT全日本チャンピオンが決まります。

昨年度2018年のTT全日本選ではブリヂストン選手2名、窪木一茂と近谷涼によるエリートクラスのワンツー勝利をなし得たチームでした。今年はU23では新たにタイトルを獲得しましたが、タイトルを守り切るのは難しいことも実感した一日となりました。



(沢田)


自動車のレースサーキットである富士スピードウェイを基本的に逆走するコースは、自転車ではコーナーが連続し細かなアップダウンを繰り返すコースレイアウトとなり、確かな操作技術と上りを踏み返す脚力が必要となります。

さらに天気予報の通り、雨が降り出したのはエリート男子に先駆け行われたU23の前。路面コンディションは一変、コースは滑りやすく難易度も高まりました。



(沢田)


U23に出走したのは、現役の学生でもある今村駿介と沢田桂太郎の2選手。結果、26kmのコースで今村が優勝、2位に1分以上の差を付ける走りでした。



(今村)


「雨が降っていたので、安全に出し切るのを心がけました。全力で走り切るというよりも勝つことが目的だったので、勝てて良かったです。ラップ(最速タイム)も出したかったんですが、2周目は気を付けながら出し切るという感じでした。

『前方に水切りがある』、『コーナーが先にある』といった指示、他の選手のタイムをチームカーからもらえたことも本当に役立ちました。昨日も試走のビデオをチームのみんなで見てコースを研究していたので、それも役立っています」(今村)



(今村)


沢田は、「コーナーを攻めてタイムを縮めようと思っていたんですが、走り始めたらかなり滑るのがわかり、安全に走った感じです。一定のペースで踏み切ろうと思ったんですが、体力がなくなるのを恐れて踏める場所でちゃんと踏めず、走り切れていない感じが残ります」と、悔しさを残しましたが、5位以内という目標は果たしています。



(沢田)


エリート男子の出走となり、雨脚は弱まりましたが転倒者が続出します。自動車サーキットの路面特性、コースの逆走であったことなど、単に路面が濡れていた以上の要因があったことでしょう。選手からは異口同音に「想像していたよりも滑る」との声が聞かれました。

試走とも通常の舗装路とも全く異なるコンディションに、特に優勝を狙う選手たちは1周目での転倒が多く、孫崎大樹、石橋学、窪木と(そして他チーム選手たちも)ほぼ同じ場所での転倒。橋本も1周目、異なる場所での転倒でしたが、



(橋本)


「転倒後にコーナーが怖くなり全然攻められなくなってしまいました。その後、滑って転んだので全く自転車が倒せないので、コーナーの速度がかなり遅くペースも上がらなくなりました。もう少し雨の日のコーナーの練習をするべきでした」(橋本)

との言葉に、転倒を喫した選手たちの走行感は集約されていきました。



(石橋)


「全く攻めずゆっくり行ったんですが、1周目、2kmほどの地点で転びました。結果2回転んでしまい、ディレーラー(変速機)も壊れてしまったのでレースを降りることにしました。他に特に話すことはありません」(孫崎)

「序盤で落車、上位争いに絡めないのがわかったので、日曜日のロードレースに向けてのイメージ作りとして走ろうと思いました。ロードも濡れていたら滑るだろうなというのもあるし、結構危ないところもあるんで、今日というよりは、日曜日に繋げられたらというイメージで後半を走りました」(石橋)



(窪木)


「なんとなく流れでスタート台まで行ってしまっていて。みんなといることでチーム力を感じて高揚感が出て、本来のペースよりも速いペースのイメージでスタート台に立ったのかもしれません。集中して臨めましたが、コースのリスクを見つけられなかった。走る前にもう少し時間を持って、もう少し慎重に挑むんだという気持ちで、機材も状況も見直しておけば、防げたかもしれません」(窪木)



(近谷)


転倒なく走った近谷でしたが、

「去年は2位になっている以上、少なくとも上位にとは思っていましたが、思った以上に自分の技術不足が露骨に現れて、それがこのタイムに現れたかなと思います。他の直線や上りでは他選手と比べて劣っていないと踏んだ感覚で感じていたのですが。。。

今後も戦っていく以上、そこを修正しないと来年再来年も同じ結果になります。練習し、克服していきたいと思っています。応援ありがとうございました」(近谷)。



(近谷)


男子エリートでは唯一、思うように走りきれたという徳田優が、今レースでのチーム最上位、10位に入っています。

「1時間近く走るTTは初めてだったんですが、窪木さんに練習メニューのアドバイスを頂いて練習できたんで、結構いい具合に走れたんじゃないかと感じています。

僕はこのTTで勝ちを狙える選手ではないと思っていますが、少しでもポイント獲得に絡めたらと、雨で落車も多いなか安全に気をつけながらも、自分としては手応えを感じながら走れました」(徳田)



(徳田)


2019年全日本選手権・個人TT、TEAM BRIDGESTONE Cyclingには、反省すべき点の多い大会となりました。

たしかに今年これまで、ブリヂストン選手は多くの勝利を重ねてきました。しかしこの全日本選手権ほど、出場選手すべての『勝ちたい』気持ちが大きな大会はありません。



その『必ず勝ちたい』気持ちを実現するのは、選手の走りだけではないでしょう。チームをこの場で走らせてくれるすべての状況への感謝と敬意こそが見えない力となって選手を後押しし、チームを一つにし、勝利へと導いているのは、これまでの経験則から明らかです。

今日を反省し、見直し、慢心なくすべての存在に敬意を払い、U23選手は土曜日の、エリート男子は日曜日のレースを走り、今日の悔しさを晴らせるでしょうか。

応援いただける皆さまの「行けブリヂストン!」 この大きな声援こそが、ブリヂストン選手の背中を押す、決して反則にはなり得ない力となります。
ぜひ皆さまのお力添えを、ブリヂストン選手にお願いいたします。選手たちは必ずや、皆さまに感謝し、敬意を払い、そして笑顔で勝利の報告をすることでしょう。



第23回全日本選手権個人・タイム・トライアル・ロード・レース大会
【リザルト】2019/6/27

*男子エリート
1 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)56:05.53
2 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)+00:11.64
3 別府史之(Trek-Segafredo)+00:13.81
10 徳田優(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+02:22.12
11 石橋学(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+02:23.62
12 近谷涼(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+02:42.11
21 橋本英也(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+04:50.12
23 窪木一茂(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+04:56.01
-- 孫崎大樹(TEAM BRIDGESTONE Cycling)DNF

*男子U23
1 今村駿介(TEAM BRIDGESTONE Cycling)0:37:09.80
2 石原悠希(InterPro Cycling Academy)+01:09.47
3 大町健斗(Team Eurasia - IRC TIRE)+01:22.39
5 沢田桂太郎(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+02:01.54

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