【MTB ギリシャ 】UCI-S2ステージレースにて沢田、平野ともにUCIポイント獲得
MTB ギリシャ ステージレースにて沢田、平野ともにUCIポイント獲得
レース名:ATTICA S2 Salamina GREECE
開催日;2019年10月10日〜13日
開催地:ギリシャ/サラミス島
TEAM BRIDGESTONE Cycling 参加選手
沢田時、平野星矢
本戦に向けたテストイベント《Ready steady Tokyo》のレース後に、海外遠征へと向かったMTBチーム。ステージレース2連戦からUCIポイントを獲得しました。代表出場枠に向けたさらなる一歩となりました。小林MTB監督のレポートです。
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10月6日のプレオリンピックを終え、すぐにチームはギリシャへと渡った。
今シーズン最後のステージレース2連戦がここギリシャで用意されている。
招待を受けた第1週目はサラミス島でのS2、そして2週目はコス島でのS1。いずれも欧州主要各国から世界戦トップ30、アルカンシェルライダーなど強豪が集まり、東京2020オリンピックに向けてランキングを引き上げようと、ナショナルチームを編成し複数のスタッフを要する国、ワークスチームも参戦してきた。
1戦目はサラミス島でのUCI S2ステージレース。10月10日〜13日までの4日間。ラフで険しいサラミスの山々とエメラルドグリーンの美しい海を舞台に激しいレースが展開された。
結果、この遠征に調子を合わせて臨んだ沢田選手が総合成績で13位、プレオリンピックで負傷した平野選手がケガをカバーしながらの19位となり、共にUCIポイントを獲得した。
10月10日(木)XCT10㎞、沢田選手24位、平野選手26位
10月11日(金)XCM66㎞、沢田選手12位、平野選手19位
10月12日(土)XCO4.4㎞×6LAP、沢田選手17位、平野選手20位
10月13日(日)XCC2.1㎞×40分、沢田選手20位、平野選手21位
総合成績 :沢田選手13位、平野選手19位
4日間の連戦で、しかもレース内容が毎日変わるステージレース。フィジカルとメンタルの両方にタフさが求められ、毎日順位が入れ替わる激しい鍔迫り合いが繰り広げられたSalamina UCI S2。ワンデイXCOを大きく超える総合力とアイディア豊富なアプローチが必要なレースだ。
チームは本年2月にもこの地でステージレースを戦っているが、今回は東京2020オリンピック出場を目指すトップライダーが集結し、大きくレベルが上がっている。初日のXCTから強烈なプッシュ。最終日のXCCではアタック合戦。トータルパワーが強いだけでなく、順位に影響するライバルの走りを見極める能力、無理をすべきタイミングとタイムを計算できる走りを持ち合わせたスイスの選手がこのレースを制した。
チームの戦略は、初日のXCTではトップに対し最小限のタイム差に留め、2日目のXCMでそのタイム差を取り戻し、3日目のXCOは総合トップ10選手のいるパックで展開し、最終日のXCCは安全に同一ラップでフィニッシュすること。
このレースでは沢田選手の調子が良く、トップ10も見える位置で展開できていた。XCTでのトップとのタイム差は予想範囲の3分弱。それをマラソンでしっかりと短縮して一気に順位を上げた。XCOとXCCではスタートダッシュを決めて本人より強いワールドライダーのパックに入り込む積極展開。特に登坂でのパワーライドでは、ライバルたちを引き離す走りが見られた。それにより、今季彼が上位になることができていないライバルたちを従えて走る場面も多くなり、力は出し切れている。
反面、テクニカルなダウンヒルやコーナーではどうしても前に出ることができない。フランスやスイスの選手たちの軽快でスピードのある走りから徐々に離されてしまう。それにより単独走行になってしまうが、今の沢田選手は決して諦めることはない。どんな状態でもフィニッシュまでプッシュし続けるため、ライバルたちからも一目置かれる存在へと成長してきている。
一方、プレオリンピックで負傷した平野選手はガマンの展開が続いた。腰を岩に強打し、痛みが引かないため、ギリシャの地に来てもダンシングや捻りの動作ができない。真っ直ぐにシッティングし、トルクをしっかり掛ける走りでレースを展開することにした。
連日のレースではパックに乗らず、自身の好む走り方、緩急でレースを進め、今できるベストな状態でステージ4日間を走り切った。徐々にケガから回復してきており、次のコス島では本来の平野選手らしいパンチのある走りが見れるだろう。
10月6日、伊豆のプレオリンピックレースで多くの人がワールドクラスの走りに興奮し、コースレイアウトとその激しさに最新のMTBレースの実情を見ただろう。フランスチームは選手数よりも多いスタッフを日本に送り込み、コースのあらゆるデータを分析していた。トップ選手たちはテールtoノウズで一列棒状となり、パックで走るレース状態を再現して練習している。アイディアの入ったポケットから瞬時に適切なものを取り出すかのようなドロップオフでの走り。ファイナルラップでファストを出すパワー。
オフシーズンであってもアジア選手の遙か上にある走りの裏には、選手の所属チームのメカニックやパーソナルコーチが派遣され、常に選手に帯同する身近で最適な体制を整えていたことに気付いただろうか。
我々チームがUCIレースを重ねる理由がそこにあり、東京2020オリンピック出場を目指す選手がしのぎを削る今回のレースを戦う理由がここにある。
ライバルの顔ぶれを見ると、それは容易い挑戦でないことは直ぐに理解できる。
しかしチームにはこの挑戦に成功しなければいけない。
多くのスポンサー、サプライヤーの支援、国内外の沢山のファンや家族の応援に感謝し、次のコス島へ渡ります。
2019年シーズン、TEAM BRIDGESTONE Cyclingの挑戦は続きます。
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