【2019ジャパンカップ】ロードレース 孫崎26位、最終局面で世界の速度に並べず
2019ジャパンカップ/ロードレース 孫崎26位、石橋が37位、最終局面で世界の速度に並べず
(孫崎)
レース名:2019ジャパンカップサイクルロードレース
開催日:2019年10月20日(日)
開催地:栃木県宇都宮市・宇都宮市森林公園周回コース
コース長:144.2km(10.3km x 14laps)
photo: Midori SHIMIZU, Satoru KATO, Team CAMERA
10月20日、宇都宮市森林公園にて行われたUCI 2.1ロードレース《2019ジャパンカップ》にてTEAM BRIDGESTONE Cyclingの孫崎大樹が26位、石橋学が37位となっています。終盤にワールドツアーチームが上げた速度に力負けした形となりました。
28回目の開催となったジャパンカップ、ロードレース。1990年に宇都宮市で行われた自転車世界選手権のレガシーレースとして、今ではUCIでの最高峰カテゴリー、ワールドツアーの一つになるかもという話も流れるほどの国際大会になりました。発表では前日のクリテリウムには5万人、今日のロードレースには8万2千人の観客が訪れたとのこと。
馴染みの森林公園コースは、前週に来襲した台風19号によりコースの一部が崩れましたが、大会スタッフほか地元の方々の尽力により復旧。観客は一部遠回りをすることになりましたが、スムーズな動線も確保できての開催となりました。
チームと選手の紹介から始まるジャパンカップ。選手たちがスタート・ゴール近くに詰めかけた観客の前に立ち声援を受けるのも、本場ヨーロッパでのロードレースのよう。会場は、とくに勝負どころの一つである古賀志林道には観客が鈴なり、選手たちが通ると大きな歓声と鳴り物の音が響きます。
今年のジャパンカップには、UCI最高ランクのワールドチーム員が多く参加。ツール・ド・フランスに代表される世界トップレベルの走りを目の当たりにでき、そして選手たちには目指すべきレベルを体感できる機会です。
(孫崎)
スタート直後からの登り、その頂上を待たずにアタックがかかりはじめ、2周目に入ったときには石橋を含んだ10名ほどが先行します。今日のチームブリヂストンは、石橋と徳田優の2名を軸に展開するという作戦。まずは石橋がアタックします。
(石橋)
「最初に動いてきた選手たち、プロツアー選手たちのレベルが高くて、一緒に動いているとそれだけでもキツかったです。ただそのときはそれだからこそ『走れてる』という感覚があったんですが、そのあとのスパートで脚を削ってしまって」(石橋)
激しいスピードアップが序盤に続きます。その結果、8名の逃げを2名が追い、その後ろにメイン集団がいるという状況。ここまでに石橋は、「もうキツすぎて、リタイアも考えるほどに何もできないぐらい消耗して」と集団後方に下がります。珍しく石橋が弱音をはいていました。
(近谷)
先行の逃げにチーム員を乗せられなかった、ブリヂストンはじめ国内チームがまとまり、各チームから2名を出し合って集団を引くことになります。ブリヂストンからは近谷涼と平塚吉光の2名が牽引力となっていきます。
「僕は平塚さんと集団を引いて、上りのとこで終わってしまいましたが、このジャパンカップに参戦して、ロードもクリテリウムも走らせてもらって、観客の多さにびっくりして気分が高揚しました。こういうレースで前で走れたら気持ちいいだろうなと思い、次の機会があればさらにがんばりたいです」(近谷)
近谷が仕事を終えたあとは、黒枝が平塚と共に前を引きます。
(平塚)
「心拍上がらなくて最初の上りで千切れてしまって。マズイかなと思ったんですが、沿道の皆さんにものすごい応援してもらったんで、時間をかけて2周ぐらいかけて追いつけました。そこから平塚さんと前で引いて」(黒枝)
「ワールドツアー選手たちが上げて行っちゃったので、もう日本チームで協力していくしかない。単純作業として引くという感じでした。ペースも速かったので、もっともっと引きたかったんですが、ラスト4周までが限界でした」(平塚)
(黒枝、平塚)
その平塚ら日本チームでの引きが、11周目からの集団のスピードアップを誘発しました。チーム ユンボ・ヴィスマ選手らが中心となって集団の速度を引き上げて後方の選手を引きちぎり、前方は一列棒状のように先頭選手を飲み込みます。そこから攻防があり、終盤に20名ほどの先頭集団に。そこにブリヂストン選手は乗っていません。
常に集団の前方にいた孫崎も、この一気に起こった集団の崩壊に振り落とされてしまいました。
(孫崎)
「石橋さんと優さんのどちらかが逃げると言う話で、僕は最後の勝負どころまで集団の中にいるようにしたので、ユンボが上りで仕掛けた時には、前の方の集団には入れました。
でもその後にもう1段階踏みはじめたのについていけませんでした。あそこでに耐えて20人の集団にいたら、さらに高いレベルで走れていたかと思うと残念です」(孫崎)
(徳田)
「残り2周で、千切れました。平塚さんがずっと前を引いていてくれていたので比較的いい位置で走れましたが、力不足で千切れた感じです」(徳田)
(徳田)
先頭の20名の集団、その追走2名とそのあとに続くグルペット。孫崎と「粘るだけの作業を続けてきた」という石橋の2人がそこに入り、UCIポイントを少しでも多く獲得すべく孫崎はスプリントで26位ゴールの5ポイントを獲得、石橋も3ポイントを獲得し、今年のジャパンカップを終えました。
(孫崎)
世界でのトップレースの走りの強度、これを身を以て感じた選手たち。常に勝利を目指すチームブリヂストンですが、日本の勝利の先には世界での勝利が続いていることを、こういった機会に改めて感じました。自身の実力を世界レベルのレースの中で確認できる素晴らしい機会、ジャパンカップに、TEAM BRIDGESTONE Cyclingは、改めて大きく感謝いたします。
次の週末は、さいたま市さいたま新都心にて行われる《ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム》。アジア選手権から帰国する選手たちを含めた選手たちが招待されています。ご期待ください。
(石橋、孫崎)
【リザルト】2019/10/20 2019 Japan Cup Cycle Road Race Utsunomiya
1 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード)3:41:13
2 マイケル・ウッズ(EFエデュケーション・ファースト)+0:01
3 ディオン・スミス(ミッチェルトン・スコット)+0:44
26 孫崎大樹(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+10:01
37 石橋学(TEAM BRIDGESTONE Cyclilng)+10:13
-- 徳田優(TEAM BRIDGESTONE Cycling)DNF
-- 平塚吉光(TEAM BRIDGESTONE Cycling)DNF
-- 黒枝士揮(TEAMBRIDGESTONE Cycling)DNF
-- 近谷涼(TEAM BRIDGESTONE Cycling)DNF
(孫崎)
(ジャパンカップ アフターパーティにて)
(黒枝、澤田、徳田、平塚、近谷、Tシャツを当選いただいた方、孫崎、孫崎のお父さん、今中大介さん)
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