【トラックW杯香港】女子トラック/2020年に日本から2選手が出場するには
2019年11月29日(木)〜12月1日(日)まで行われる、2019〜2020 UCIトラックワールドカップ香港大会。TEAM BRIDGESTONE Cycling 太田りゆが、女子ケイリン(11/30)と女子個人スプリント(12/1)に出場予定です。
太田が東京2020オリンピックでの出場を目指すこれら2種目について、現在のオリンピックランキングと出場枠選考基準を基に、現状を確認します。
*出場枠の獲得規定を読み解く
女子ケイリン、女子スプリントの出場枠は最高30名。 そのうち16名は、女子チームスプリント(出場2名)への参加資格を持つ8カ国がそれぞれ2名の枠を自動的に獲得するとされています。
日本は女子チームスプリントには参加しない予定のため、この自動的な枠の獲得はありません。日本チームは残りの最大14名の出場枠を獲得すべく戦っています。
残りの14枠の獲得を規定するUCIのルール、その日本語訳には、
「2018 - 2020年 UCIオリンピック・トラック・ランキングにおいて上位7NOCで、チームスプリントで参加資格を得ていないNOCは各種目にそれぞれ1競技者の参加資格を得る」
とあります。なおNOCとはNational Olympic Committee=各国オリンピック委員会のこと。『国』と読み替えていいでしょう。
規定の主文となる英語版(下記)を慎重に訳すと、
The seven (7) highest ranked NOCs in the UCI Olympic Track Ranking 2018-2020 of each event, which have not qualified any quota places in Team Sprint, will qualify one (1) quota place in the respective event.
『チームスプリントで参加資格を得ていないランキング上位7カ国は、それぞれ1枠を得る』
と読めます。日本語と英語との語句の順序と文脈の違いです。チームスプリントに出場する8カ国を除いた、それぞれのランキング上位7カ国が1名ずつ出場できる、となります。
さらに「個人スプリントにおいて参加資格を得た7つのNOCは、個人スプリント競技者をケイリンにエントリする権利を与えられる。同様に、ケイリンにおいて参加資格を得た7つのNOCは、ケイリン競技者を個人スプリントにエントリする権利を与えられる」
とあります。これは明快です。ケイリンで枠を獲得できればスプリントにも出場でき、その逆も同じ。さらに国ごとの最大参加人数の規定はないため、1国最大2名が出場できます。
(左から小林選手、太田)
*2名出場までの道のり
現在日本のランキングポイントを稼ぐのは、太田とチームブリヂストン機材サポートの小林優香選手(Dream Seeker Racing Team)の2選手。ケイリンとスプリントそれぞれの種目で1枠ずつ獲得すれば、太田と小林選手が共に2020年本大会で両方の種目に出場できます。
女子ケイリンと女子スプリント、ランキング11月20日の現状を基に、枠獲得へのランキング表を作りました。表内のグレーになっている国は、同日のランキングでチームスプリントでの上位8カ国。この国を除いた上位7カ国を見ます。
オリンピックランキング対象のレースは、
ワールドカップ(上位3戦分のポイント)
大陸選手権
世界選手権
です。計算は2020年の3月にある世界選手権でのポイントを加算して終了します。これまでに2戦を終えたワールドカップは残り4戦。ランキングは変化しますが、上の表が基本的な枠獲得の考え方となります。
●UCI 女子チームスプリント オリンピックランキングはこちら
ケイリンでの枠獲得は、W杯での表彰台に登れる太田と小林選手ですので心配はなさそうですが、スプリントではさらなる応援が必要そうです。
2019年11月28日(木)〜12月1日(日)のワールドカップ香港大会を走るTEAM BRIDGESTONE Cycling選手。世界を相手にしたブリヂストン選手の戦いにぜひ、みなさまの熱いご声援、メッセージをお願いいたします。
ワールドカップ香港大会 ライブリザルト
https://www.tissottiming.com/2019/ctrwcIII
(左から太田、小林選手、小泉夢菜選手=早稲田大学)
photo: Midori SHIMIZU
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