W杯開幕! 飯島誠のトラックレース総ざらい 【Vol.2 スプリント】
本日11月1日より、いよいよワールドカップ第1戦がはじまりました。
来年2月26日から開催されるトラック世界選手権と合わせて、東京2020オリンピックの出場枠を獲得するための重要なレースを控え、オリンピックに採用されている6つのトラック種目の見どころやルールを三度のオリンピック、トラックレースへの出場経験がある飯島誠が紹介します。
第2回は短距離種目の代表格である「スプリント」です。
「静」から「動」へ
1対1のガチンコ対決
スプリントでは予選として200mのタイムトライアルが行われ(250mバンクの場合は3.5周走行するうち最後の200mを計測。ハロンとも呼ばれる)、勝ち上がった選手は2名1組となり本戦を戦います。本戦は勝ち上がりトーナメント方式で進んでいきます。
敗者復活戦や順位決定戦は、3~4名で行うこともありますが、基本的には1対1のガチンコ勝負、を観れるのがスプリントの特徴といえるでしょう。本戦は750m(250mバンク3周)で競いますが、トップスピードでの争いは残り1周から。序盤の2周は、いかに自分に有利な展開に持ち込めるかという駆け引きが行われ、「静」から「動」へのレース展開の変化が魅力です。
スプリントではスタート直後から相手の動きを確認。駆け引きが始まる
レースストップ?!
「スタンディング」で間合いを計る
スプリントではスタート後の半周はインコースからスタートした選手が先行しなければならないという決まりがあります。またスプリントがはじまると、各自の走行ラインを保持しなければならないというルールもあります。後ろから追い込むのを得意とする選手がいる一方で、先行するのを好む選手もいます。というのも、250mバンクでは「走行ライン保持する」という前述のルールも影響し、追い抜きがしづらく、ロードレースのスプリントほどには後ろにつくアドバンテージがないからです。
序盤の駆け引きでは、「スタンディング」と呼ばれる、自転車の上でストップして、相手の出方を伺うテクニックもあります。おもに後ろから追い込む形で勝負をしたいときに、相手を前に出すために使うのですが、止まることに集中しすぎて、相手のダッシュへの対応が遅れ、そのまま敗れてしまうなんてケースもたまに見かけます(笑)。
同じ短距離種目であるケイリンと比べると、番狂わせが起きづらく、予選のタイム上位者が順当に勝ち進むことが多いです。展開や運といった要素があまりなく、フィジカル勝負になりやすのがその理由ですが、そのぶん最後一周での、超高速決戦は大迫力で見ごたえありです。
残り1周を切るとトップスピードでの争いに
< 今後のトラックレース開催予定 >
2019年
11/1~11/3 トラックワールドカップ第1戦 ベラルーシ・ミンスク
※女子スプリント(11/2)、女子ケイリン(11/3)にTEAM BRIDGESTONE Cyclingの太田りゆが出場します!
11/8~11/10 トラックワールドカップ第2戦 イギリス・グラスゴー
11/29~12/1 トラックワールドカップ第3戦 香港
12/6~12/8 トラックワールドカップ第4戦 ニュージーランド・ケンブリッジ
12/13~12/15 トラックワールドカップ第5戦 オーストラリア・ブリスベン
2020年
2/26~3/1 世界選手権大会自転車競技トラック種目 ドイツ・ベルリン
◆先日開催されたトラックアジア選手権2020でのTEAM BRIDGESTONE Cyclingの活躍は下記記事をご確認ください!
「チームパシュート/日本優勝、2020東京出場へ望みをつなぐ」 ⇒ https://www.bscycle.co.jp/anchor/blog/2019/10/191017TRACK-ACS-TPP.html
「男子オムニアム/橋本が金、アジア選3度目の勝利」 ⇒ https://www.bscycle.co.jp/anchor/blog/2019/10/191019Acs-Omni.html
「女子スプリントで太田4位、出場枠に向けポイント獲得」 ⇒ https://www.bscycle.co.jp/anchor/blog/2019/10/191019Acs-Sprint.html
「男子マディソン/窪木・橋本が銀、最終周回での攻防」 ⇒ https://www.bscycle.co.jp/anchor/blog/2019/10/191021Acs-Madison.html
「女子ケイリン/太田5位、小林選手が銀メダルに」 ⇒ https://www.bscycle.co.jp/anchor/blog/2019/10/191021Acs-WKeirin.html
(写真/小暮 誠)
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