男子スプリント/脇本6位、戦い切った準々決勝【UCIトラック'19-20W杯第5戦 オーストラリア】
2019年12月15日、UCIトラックワールドカップ第5戦・オーストラリア大会での男子スプリントに出場した、TEAM BRIDGESTONE Cyclingの脇本雄太は、準々決勝に進み6位となりました。
地元オーストラリアのスター選手を相手に敗れたものの、初の準々決勝進出。「自分の力を試したかった、印象は決して悪くない」と次に繋がる好走を見せました。
男子スプリントは200mFTT(助走付きタイムトライアル)の予選を勝ち上がり、トーナメント方式で対戦します。脇本は予選を9秒718、11位の順当な順位で勝ち上がり、本戦へと進みます。
*1/16決勝*
本戦1回戦=1/16決勝、先行していた脇本は、一度対戦相手に抜かれ、再び追い上げる形になります。相手のペースに乗ってしまったかと思われたものの、最終周回の後半から脇本持ち味のスピードで捲り上げ、ゴール前でしっかりと刺し、1/16決勝へと進みます。
「1回戦に関しては、自分の中では失敗したなという感じです。力づくで最後なんとかはなりましたが。全てを自分が決断したわけではなく、相手に動かされた部分はあったかな、その点は反省ですね」(脇本)
*1/8決勝*
先行スタートとなった脇本は、スタート早々から速度を上げていきました。スプリントでは通常、対戦相手とにらみ合い止まることもあるのですが、後ろを確認しつつも早めに速度を上げています。
速度が乗った相手を追い抜くのは難しいトラックレース、その速度に焦りを感じたか対戦相手は、早めに仕掛けてロングスプリント勝負に出ます。それを感じた脇本は最終加速、あっさりと差を広げて先行ゴール。準々決勝に駒を進めます。
「1回戦の失敗を踏まえての1/16決勝、自分の中での歯車が噛み合った感じがありました。かなり良くなったなと思います」
*準々決勝*
1/4決勝=準々決勝から3本勝負の2勝勝ち上がりとなります。対戦相手はオーストラリアのスター選手、マシュー・グレッツァー選手。
1本目
スタート前の独特な呼吸ルーティーンを行い脇本は万全の構え。走り出しはグレッツァー選手の後方につき、すこし間を開けて相手の挙動を見つめます。2人の動きはゆっくりです。
全3周のスプリント、残り1周半で脇本が先に仕掛けました。早くもトップスピードに乗る脇本、それを追うグレッツァー選手、2人の差はかなり空いており、速度差もあまりありません。
先行する脇本、それを追うグレッツァー選手。2人の差は縮まっていきゴール勝負、直前で脇本を外から刺したグレッツァー選手、1本目を先取します。
2本目
先行スタートとなった脇本を、今度はグレッツァー選手が早めに仕掛けて抜き去ります。一瞬タイミングを外された形となった脇本は全力で追いますが、その一瞬の時差は大きく追いつくことはできず、ここで敗退となりました。
敗れたものの、脇本の走りはグレッツァー選手に見劣りすることはほぼなく、真っ向勝負を挑んで潔く敗れた、そんな印象を受ける戦いでした。
「初めての1/4決勝だったので、経験してみたいことを自ら行おうと思っていました。
1本目は自分のなかで、どれぐらいの力があるのか試したいというのがあり、そういったレースをして相手がどういう風に動くかを見て見ました。2本目は力負けでしたね。
格上の相手ではありましたが、実際に勝てない相手だったかというと、そうでもないという印象、紙一重で勝てるんじゃないかなという」
「今日のスプリントは、世界選手権に向けたトレーニングの一環として見ていました。自分の中にある恐怖心とか、そういったネガティブなものを取り除いて楽しめるか、その目的を持ったレースでした。
おかげで次の世界選手権ではいい勝負ができると思いますし、がんばる目標ができました。目標がないまま世界選手権に向かうのが一番悪いことなので。
この大会は負けたけれども、経験としてはよかったかなと。結果は悪くても、自分の中での印象は悪くないと思っています」
脇本はレース後にこう語りました。実際に観戦していても、脇本が言った通りの印象を感じたレースでした。世界選手権での脇本の走りに、ぜひご期待ください。
【リザルト】2019/12/15 UCIトラックW杯オーストラリア大会 男子スプリント
1 RUDYK Mateusz (POL)
2 WEBSTER Sam (NZL)
3 GLAETZER Matthew (AUS)
6 WAKIMOTO Yuta 脇本雄太 (JPN) TEAM BRIDGESTONE Cycling (準々決勝敗退)
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