【2019年ハイライトBGT】トラック:世界強豪相手に善戦を続けたブリヂストン、W杯メダルも2度獲得
【2019年ハイライトBGT】トラック:世界強豪相手に善戦を続けたブリヂストン、W杯メダルも2度獲得
2019年、TEAM BRIDGESTONE Cycling(UCIコード:BGT)はトラックレースでも大きく飛躍しました。ついには来年のメダルも見えてきた種目もあります。世界と対等に戦えるようになっていったトラックレースでのブリヂストン選手たち、2019のハイライトをお伝えします。
トラック競技でのチームがフォーカスしていたのは世界レース。アジア選手権、ワールドカップ、そして世界選手権。すべては来年2020年東京での大舞台に出場し、メダルを獲得するためです。
トラックレースは主に、秋から冬に行われます。2019年の開催は、3月までが2018〜2019シーズン。2019〜2020シーズンは、9月に行われた全日本選手権から始まり、アジア選手権、ワールドカップと続きました。
多くあるトラック種目のうち、ブリヂストン選手が大きく注力したのは東京2020オリンピックに採用された種目。長距離種目では男子チームパシュート、男子オムニアム。短距離種目では男子ケイリン、女子ケイリン、女子スプリントです。
photos from : Midori SHIMIZU, More Cadence, JCF
(橋本)
*1月 '18-'19シーズン アジア選手権
2019年は、1月に行われた'18~'19シーズンのアジア選手権から始まりました。男子オムニアムでは橋本が優勝し、アジア選2連覇を決めました。しかし近谷、窪木、橋本の3名が出場したチームパシュートでは、決勝で韓国に惜敗し2位に。
チームパシュートはこの2位により、アジア選で獲得するはずだった大量ポイントを稼げませんでした。目論見が外れ、焦る気持ちとともに、次週に続いたワールドカップでのポイント獲得に注力します。
【トラック2019アジア選手権】チームパシュート、日本は2位に
【トラック2019アジア選手権】オムニアムを橋本が優勝、アジア選手権2連覇3勝目
*2月 '18-'19シーズン UCIトラックW杯シリーズ
'18-'19シーズン UCIトラックワールドカップ、第5戦ニュージーランド大会に出場したのは近谷、窪木、沢田の3選手、ここでの結果は7位。本戦には進みましたが、1回戦突破はならず。一方オムニアムで橋本は5位、W杯でも安定した強さを見せています。
【18-19トラックW杯】第5戦NZL/チームパシュート 日本 3:59.073 で7位に
【18-19トラックW杯】第5戦NZL オムニアム 橋本が5位入賞
(橋本)
さらに続いた18-19シーズンW杯最終戦・香港大会では、太田が女子ケイリンで2位に入り銀メダルを獲得。橋本はオムニアムに出場、7位を獲得しています。
一方でチームパシュートに出場した近谷、今村、沢田の3名。10位の結果にて予選通過はなりませんでした。
(太田)
【2018-19 トラックW杯】香港 女子競輪にて太田2位、銀メダル獲得
(橋本)
*3月 トラック2019世界選手権
3月、ポーランドで行われた世界選手権では、オムニアムで橋本が7位を獲得。近谷、今村、沢田によるチームパシュート12位と伸び悩み、女子ケイリンでは、前戦での良いイメージをもって臨んだ太田が16位を獲得しています。
これで2018-2019シーズンのトラックレースは終了。橋本はオムニアムで世界を相手に対等の戦いを続けてきましたが、チームパシュートではタイムも伸びず順位も上がらず。焦る気持ちのままシーズンを終え巻いた。
【2019トラック世界選手権】オムニアム: 橋本は7位に【2019トラック世界選手権】女子ケイリン、太田2回戦進出ならず16位
【2019トラック世界選手権】チームパシュート「課題は残るレースだった」予選12位
(右:太田)
*4月ー9月 トラック オフシーズン
4月以降9月まで、男子ブリヂストンチーム員はロードレースに注力。ロードレース編でお伝えした、いくつものチーム勝利に大きく貢献しました。
一方でトラック短距離のみに注力する太田はロシア遠征に参戦し、表彰台を獲得。また9月初頭に中国で行われたUCIレースにも参戦し、ここでも表彰台を獲得。着実にその地脚を高め、自信をつけていきました。
【ロシア・トゥーラGP2019】女子ケイリン/太田が新たな走りとともに3位に【China Track International】UCIレース連戦2日間、太田は3度の表彰台に
【ロシア・トゥーラGP2019】太田がスプリント3位、スプリントでの初表彰台を獲得
*9月 2019 トラック全日本選手権
そして9月、チーム ブリヂストン サイクリング男子選手にとって新たなトラック2019-2020シーズンが本格的に始まったのは全日本選手権から。昨シーズンにナショナルチームを率いた中距離トラック・ヘッドコーチが交代し、練習体制も変わってこともあってか、ブリヂストン選手がここで活躍します。
チームパシュートでは昨年から力を上げた5名のブリヂストン選手が日本記録を更新し優勝。また窪木は個人追い抜きでアジア新記録を達成します。チームは多くの全日本チャンピオンを獲得しましたが、オムニアムはチーム選手同士の牽制が起き、勝利を逸してしまいました。
(窪木)
【トラック全日本選手権2019】4km個人パシュートで窪木がアジア新、1kmTTを沢田、スクラッチを橋本が優勝【トラック全日本選手権2019】チームパシュートにてブリヂストン日本新記録樹立
【オムニアム全日本選手権2019】窪木2位、近谷3位、橋本4位、チーム内牽制で勝利逃す
(表彰台中央、左から:橋本、近谷、今村、窪木、沢田)
*10月 '19-'20 トラックアジア選手権
そして10月下旬に19-20シーズンのアジア選手権が韓国で行われました。特にチームパシュートは今シーズン、2019年中のレースで稼げたポイントが2020年出場枠の獲得に大きく影響するため、まずは勝利を求められていました。そのプレッシャーの中、昨年敗北した韓国に決勝にて大きく差をつけて優勝。昨シーズンから大きく成長したことを示しました。
女子ケイリンで日本からの2名出場枠を獲得するため、女子スプリントでもポイントを獲得したい太田は、ケイリン5位、スプリント4位と安定した上位を収めます。男子オムニアムでは、橋本が危なげない走りで優勝。世界シーンでのメダルへと近づきます。
(橋本)
【トラックアジア選手権2020】チームパシュート/日本優勝、2020東京出場へ望みをつなぐ【トラックアジア選手権2020】女子ケイリン/太田5位、小林選手が銀メダルに
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【トラックアジア選手権2020】男子オムニアム/橋本が金、アジア選3度目の勝利
(太田)
*11月 UCIトラック ワールドカップ シーズン開幕
11月に入り、いよいよ19-20シーズン・ワールドカップが始まります。全6戦で行われ、うち5戦が2019年内に行われるというスケジュールです。
スプリントでのポイントを1点でも多く稼ぎたい太田は、初戦から5戦まで通して参戦。スプリント予選での目標としていたタイムを達成、順位もレース毎に上がっていきますが、世界をめぐる連戦の中で疲労が出たか、メイン種目としていたケイリンでの結果が出ず苦悩します。
【2019-2020トラックW杯】第1戦ミンスク大会 女子ケイリン/太田10位に【2019-2020トラックW杯】第2戦グラスゴー大会/太田と今村が善戦
女子スプリント/太田、初のW杯ベスト16に【'19~'20UCIトラックW杯 03香港】
女子スプリントで太田13位、予選初の10秒台マーク【'19-'20 UCIトラックW杯第4戦ニュージーランド】
男子スプリントで脇本27位、女子ケイリン太田が17位【'19-'20 UCIトラックW杯第4戦ニュージーランド】
女子ケイリン/太田14位、悔しい結果と高評価のはざまで【UCIトラックW杯第5戦 オーストラリア】
(脇本)
また11月より新たにチームへ加入した脇本が、第4戦ニュージーランド大会より参戦。第5戦オーストラリア大会では、男子スプリント、男子ケイリンともに着実な走りで上位に入っています。
男子ケイリン/脇本7位に「自分の中に迷いが出たか」【UCIトラック'19-20W杯第5戦 オーストラリア】
男子スプリント/脇本6位、見事に戦い切った準々決勝【UCIトラック'19-20W杯第5戦 オーストラリア】
(近谷、今村、窪木、沢田)
*'19-20 W杯 チームパシュート
参戦する全戦にて上位の成績を残すことが2020年枠獲得への道となるチームパシュート。第3戦の香港大会から参戦となりました。沢田、窪木、今村、近谷の4名が、新たな走りの戦略で臨み、ここで日本記録をさらに更新しますが、それでも世界の走りには届かず。7位が最高順位となりました。
チームパシュート/ブリヂストン第一回戦通過ならず【'19~'20UCIトラックW杯 03香港】チームパシュート9位、予選通過ならず【UCIトラックW杯第5戦 ブリスベン/ オーストラリア】
チームパシュート日本記録を更新、結果7位【'19-'20 UCIトラックW杯第4戦ニュージーランド】
(左から近谷、今村、窪木、沢田)
(橋本)
*'19-20 W杯 男子オムニアム
男子オムニアムには、第2戦イギリス大会では今村、第3戦 香港大会では窪木、第4戦 ニュージーランド大会では橋本の3名が参戦。これらW杯3戦での走り・成績から、第5戦オーストラリア大会、2020年2月末の世界選手権、ひいては8月にある大舞台への出場選考が行われるとのことでした。
3選手はそれぞれ全力を尽くしましたが、第5戦に出場したのは、第4戦で4位を獲得した橋本。さらに第5戦で橋本は3位表彰台を獲得。一時は優勝も垣間見えていた橋本の走りは目覚ましく、トップ選手として世界選手にマークされるほどになりました。
(橋本)
【2019-2020トラックW杯】第2戦グラスゴー大会/太田と今村が善戦男子オムニアム/窪木が最終種目で巻き返すも11位に【'19~'20UCIトラックW杯 03香港】
男子オムニアムで橋本が4位、世界水準の強さ示す【'19-'20 UCIトラックW杯第4戦ニュージーランド】
男子オムニアム/橋本が3位に、転倒を喫するも表彰台守りきる【UCIトラック'19-20W杯第5戦 オーストラリア】
(窪木、今村)
男子オムニアムの日本代表選考では一歩出遅れた感のあった今村と窪木でしたが、第5戦で出場したマディソンでは、世界と対等に戦える走りを見せました。これまでマディソンにはほぼ注力してこなかった日本。来年には間に合わないかもしれませんが、彼ら2人の走りが、以後のマディソンでのメダル獲得に向けた第一歩となる、そんな印象を残したレースでした。
男子マディソン/窪木・今村ペアの確かな成長、世界と対等の走りに【UCIトラック'19-'20W杯第5戦 オーストラリア】
2020年本大会の前年であった今年、出場枠の獲得と代表選考のため全ての選手は力を上げ、速度も上がっています。ブリヂストン選手たちも数々のレースの中から技術と総力を身につけました。フォーカスした種目で着実に世界と対等に戦える力をつけ、来年の大舞台でのメダルも見えてきました。
この栄光に向かって走り続ける日本のブリヂストン選手たちに、引き続き皆様の盛大なるご声援、熱い応援メッセージをよろしくお願いいたします。
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