2020アジア選にて平野が粘り2位に、沢田は11位【MTB2020年アジア選手権】
レース名:2020年 第26回アジアマウンテンバイク選手権大会 XCO
開催日:2020年2月4日
開催地:タイ・チェンセーン
TEAM BRIDGESTONE Cycling 参加選手:沢田時、平野星矢
photos: Hisanori Ueda
東京2020オリンピックのMTB競技出場に向け、大きくUCIポイントを獲得できるアジア選手権にて、TEAM BRIDGESTONE Cyclingの平野星矢が2位に、沢田時が11位となりました。30度を超える気温のもと、平野は優勝に向け最後まで粘り続けました。
小林MTB監督がレポートします。
==================
(沢田)
2月1日~5日、タイ・チェンセーンで行われた2020年アジア選手権に、日本代表として平野と沢田がXCOに参戦。
気温30度超、4.8㎞×6周回の2時間近いサバイバルなレース展開となった。
結果、平野選手は積極的に先頭パックを形成し最後までワンツーのトップ争いを展開しての準優勝。沢田選手は序盤から過呼吸となる厳しいレースとなり、フルラップ11位でのフィニッシュとなった。
コースは1周回4.8㎞。ゴム採取林道と、レースのために焼き畑を行って、新たに道を切り削ってつくったトラックで構成されている。急激なアップダウンを繰り返し、路面の凹凸も激しい。うねる様なタイトコーナーも多く、赤土は強乾燥で超微粉末となり、上層部はパフパフで捉えどころが曖昧な反面、下層部はガチガチに硬化している。スイッチバックコーナーの竹で作られたラダーは簡単に踏み抜けて使えない。UCIレースの主流に習ってジャンプセクションも何か所か用意されるが、やはりここはアジアらしいラフなコースとなっていた。
(沢田)
コース自体の難易度は決して高くはないが、気温上昇と走行時間の経過と共にストレスフルな厳しい状況になることは明らか。開幕数日前に現地入りすることは勝負を運のみに任せるようなもの。TEAM BRIDGESTONE Cyclingはこのレースでの勝利を2020シーズン最初の目標に定め、気温30度を超えるタイの環境とコースに順応するため、レース数週間前に全員で現地に入り、チーム合宿を行った。機材は2020バージョンを持ち込み入念にセッティグ。コースや郊外のルートを使って選手個々のコンディションに合わせたメニューをこなし、タイの質の高いマッサージも利用しながらチェンセーンでの合宿を進めていった。
(平野)
チーム目標であるアジア選手権優勝は叶わなかったが、シーズンインから質の高いトップ争いを展開し、レースを組み立てたことは評価できる。2月から本格的なチーム欧州遠征がスタート。オリンピックへの大いなる期待をもって前を向きたい。
2020年もTEAM BRIDGESTONE Cyclingに多大な支援と協力を頂いているスポンサー、サプライヤー、ファン、関係者各位に感謝を申し上げます。チームは更に強くなり、皆さんと一緒に夢を叶えます。ありがとうございます。
<監督 小林>
=====================
<平野>
このアジア選手権は勝つために来ており、今回の結果には満足できません。ただシーズン初戦から上手く体調を合わせることができ、シーズンインの流れとしてはベストな状態だと捉えています。 レースは前大会覇者の中国選手が参加しなかったため、山本選手との一騎討ちをイメージしていました。
案の定、1周目から後続を引き離して2人パックの展開になりました。山本選手は登りで何度もアタックを仕掛けましたが、上手く捕らることができ、先頭交代しながら4周目まで2人パックの展開が続きました。 4周目の登りで少し間を空けた際、それを見た山本選手がアタック。この時ちょうど暑さが厳しくなり、腰痛を感じていたタイミングであったため、あえて先行を容認することにしました。
ベストなタイミングで前に詰めるため、下りは攻めて距離を保ち、タイミングを合わせて一気にラップを上げようと考えました。しかし、レースが進むに従ってコースが予想より荒れて来てしまいました。それに伴って腰痛が限界に達しそうだったので、下りを攻めきれず、先頭との距離が開いてしまいました。レース後半は、掛水と補給を確りとる事に気を配り、腰痛が酷くならないよう下りのアクションを抑制して、今できる最大限の走りに切り替えました。
今回のリザルトには満足できませんが、コンディションは良好です。チーム、スポンサー、サプライヤー、ファンの方々から沢山のご声援ご支援を頂き、ありがとうございました。この悔しさを今後のUCIレースで晴らし、東京オリンピック出場に向かって進みます。
=================
<沢田>
長丁場の酷暑のレースとなるため、前半は最低限の位置取りをした上でペースは抑えて入り、中盤以降のラップタイムを落とさないことがベストな結果に繋がると考えてレースに挑みました。しかしながら1周目の最初の登りを終えた時点から喉が焼けるようで上手く呼吸ができずに咳き込んでしまいました。ただ脚を動かしているだけの苦しい時間が続き、路面の激しい凸凹に対してもバイクを上手く進められず、腰と足の裏が痛くなって思うようにペースを上げられません。ラスト2周で競り合いになったパックからは抜け出すことができましたが、順位は11位で終わってしまいました。
レースペースでの試走は行なっていましたが、気温の高い2時間におよぶレースとなるとコースへの対応力が大きく変わりました。チームからは十分な時間を与えられていたにも関わらず、レースまでに疲労が溜まることと、暑さによるダメージを過剰に恐れたことが結果になってしまいました。次に繋げられるかどうかは今日からの自分の行動次第だと思います。悔しいですが前を向いて取り組んでいきます。沢山の応援を頂き、ありがとうございました。
最新記事
Article