自転車 x 憧れ = 石橋 学 【2020BGT選手紹介】
TEAM BRIDGESTONE Cyclingの選手たちに、なぜ自転車に関わり、入れ込み、そして愛しているのか、その理由を聞きました。
TEAM BRIDGESTONE Cycling 【2020BGT選手紹介】
自転車 X 憧れ = 石橋 学 (いしばし まなぶ)
Manabu ISHIBASHI
トラック/ロード
1992/11/30 生 青森県出身
*2019年 主な戦歴
ツール・ド・北海道 第2ステージ 2位
ツアー・オブ・ジャパン 総合 7位
JBCF群馬交流戦 3位
Jプロツアー 山口カルストロード 4位
ツール・ド・おきなわ 4位
ーーなぜ自転車に?
自転車を競技としてやっていこうと思ったきっかけは、プロへの憧れ、というか、ヨーロッパの大きなレースを雑誌で見たときに、素直にかっこいいなと。
まず最初に、兄が自転車競技を始めたんですよね。理由は知らないんですけど。
自分は中学の時、バスケ部に入っていたんですが、そこそこ体力があって、駅伝にも駆り出されるタイプでした。結局バスケでは結果が出なかったのですが、駅伝では県大会で区間賞を獲るぐらい活躍できました。それでスポーツで有名な高校に特待生で入れることになって。
「自転車競技を始めてみないか」と誘われて、兄が持っていた自転車雑誌を見て、かっこいいなと思っていたのもあり、未知の世界だったけど、入部を決めました。
高校での部活動が楽しくて、大学でも競技を続けることを決めました。自転車の強豪大学で、まわりに日本代表として活躍する選手しかいなかったので、自然と海外で活躍するチームで走りたいという気持ちが出てきました。とはいっても最初、自分は弱すぎて最後まで練習についていけないレベルだったんですけど。
具体的にどうすればプロになれるのか、ということは大学に入ったときはわかってなかったですね。ただ、まわりが実力者揃いだったので、ここで力を示せれば、という思いはありました。
目標に向かって活動しているうちに、大学やU23のレースでアピールできるようになってきて。当時、イタリア拠点のプロチームの研修生として走る機会をいただけたので、そのチャンスにすぐに飛びつきました。結局、大学在学中に研修生として2年間、卒業してそのプロチーム員としてイタリアを拠点に2年間走りました。
研修生のときに本場で走るチャンスができて、ますますプロ選手になりたいと思いましたね。レースはびっくりするぐらい刺激的だし、レースイベント自体の華やかさにも驚きました。想いは深まったし、実際に具体化した瞬間でした。
ーーーープロとして走り続ける理由は?
一番の軸になっているのは、競技者としての自分を高める、というところです。欧州で見た、あの憧れの舞台に近づきたい。
本場ヨーロッパのチームには、いろんな選手がいます。活躍して勝つ選手がいて、その彼をアシストする選手がいる。自分は、勝つ選手に憧れたというより、アシストに徹する選手を見て「なんだこれ」と思いました。そういう世界なんだと。役割分担をして最良の結果を求める。そこに競技としての魅力を感じたんです。
エースに限らず、チームのスペシャリストというか、こういう場面ならお前だ、と頼られる、仕事に信頼のおける選手。エース、アシストの役割に関わらず、自分の役割を力強く遂行できる選手になりたいと思っています。
ーー自転車の魅力は?
魅力はたくさんあると思います。競技としての魅力で言えば、アシストとか役割がいろいろあって、みんなで協力して勝利を目指す、社会性が競技の中にあって。そこが1番の魅力ですね。
次のレースではアシストするから、今回はお願いするよ、みたいな、社会と同じような関係性が競技内にもある。だからこそ、単純に個人として強い選手が勝つとは限らないし、チーム力が重要なんですよね。チームごとに個性が出てくるというか、ロードレースはそういうのが、面白いです。
ーー自転車を使って成し遂げたいのは?
もちろん選手としての目標に向かってやっていきます。自分は、はたから見たら自転車しか知らない人ですが、プロとしての活動を突き詰めていくと、そのまわりの、競技以外の社会の仕組みが見えてきます。
どういうところがお金を出してくれているから、今この活動ができているんだとか。それを広げるためには、これをしなくちゃとか。チームは選手に何を期待してしているのか。スポンサーはこういうことを求めているだろう。そういった活動に感謝して選手としてできることをするという。
業界が盛り上がっていけば、結果自分たちのまわりも盛り上がる。選手としてキャリアを重ねていって、そういうことを考えるようになってきました。これからも、スポーツ自転車を広めるための活動ができればと思っています。
ーーあなたにとって自転車とは?
自分にとっては、社会や世界を見るツールです。始めた頃はそういうつもりはなくて、乗って、競技を楽しむということを続けてきたら、自分の人生において大切な要素になりました。
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