沢田が4年ぶり2度目のシクロクロスチャンプに【シクロクロス全日本選手権】


(沢田)

レース名:第26回全日本選手権シクロクロス 飯山大会
開催日:2020年11月29日(日)
開催地:長野県飯山市 長峰スポーツ公園
TEAM BRIDGESTONE Cycling参加選手:沢田時

11月29日、2020年シクロクロス全日本選手権にてTEAM BRIDGESTONE Cycling沢田時が優勝しました。泥のコースに先行した沢田は、ライバルとの真っ向勝負に諦めない心で競り勝ちました。沢田にとって2度目、4年ぶりの全日本タイトルとなります。

前日まで降った雨のため、泥のコースコンディションとなった2020年のシクロクロス全日本選手権。この大会には、チームブリヂストンMTBチームには、大きな思い入れがありました。

この大会ディレクターは、ここ飯山で生まれ育ったチームブリヂストンサイクリングの小林MTB監督。もともとノルディック複合の選手だった小林監督は、コースとなった長峰スポーツ公園の丘陵を、XCスキーで滑っていたそう。


(小林MTB監督)

この公園でシクロクロスの大会が開かれるようになったのは10年前、全日本選手権の開催は5年ぶりで2回目です。コースディレクターでもあるので、コースを敷く杭打ちから行なっています。もちろんそこに一切の私情は入りません。コース幅を広くとり、走る選択肢を広げて選手の能力に任せるスタイルです。

前週のUCIクラス2のレースにて2位を獲得している沢田には、想いと自信がありました。3週間前のマウンテンバイク全日本選手権に一つの頂点を持っていった沢田は、このレースに自信を持って臨んでいたと言います。

実は沢田は3週間前のマウンテンバイク全日本選手権の後に痛みを感じ、2週間ほど練習できないコンディションでした。治療などして走れるようになったのが10日ほど前。しかし前週のレースでは思いのほか走れたため、ある程度の強さは感じていたと言います。マウンテンバイクでの悔しさを、ここで巻き返す意気込みでした。

スタート後は沢田を含む数名のパックとなります。天気も回復し青空も見えますが、コースの泥は深く、自転車を担いで走らなくてはいけないセクションが多くあります。乾き始めた泥は自転車にまとわりつき、泥で重くなった車体を選手たちは早々から周回ごとに交換、洗車の能力も含めたチーム力が問われる一面もありました。

泥での走りの技術も練習するという沢田は、そのコンディションを優位に使い、先頭に立ちます。それを追うのが、前週レースの1位だった織田聖選手(弱虫ペダルサイクリングチーム)。2周目には2人は他を先行、一騎打ちの様相となりました。


(左:沢田、右:織田選手)

レースの大半で前を譲らなかった沢田。泥のセクションでは安定した足どりで速度を保ち、後ろにつく織田選手を消耗させていきました。

「僕の勝ち方というのは独走に持ち込むのが勝率が高いので、できれば2、3周目から突き放したかったのが正直なところでした」

後ろに下がるメリットはない、と考えた沢田は、泥の走りで速度を上げますが、織田選手は粘り強くついていきます。途中なんども先頭を仕掛けますが、抜き返す沢田に前を譲る形で終盤へと向かいます。

ミスがない限りゴールスプリントとなると目されたこのレース。最終周回半周ほどを残した階段の上りで、織田選手がアタックをかけ前に出ます。

「まさか階段で来るとは思わなかった」という沢田は予想外のアタックに先行を許すも、ゴール1kmほど前にバイク交換でピットに入った織田選手を先行。残りを全力で走り切り、スプリントでの勝利を収めました。




「まずはこの大会の開催に感謝します。そして僕を4年間信じ続けてくれた方々にも、感謝します」(沢田)

沢田、レース後のコメントです。

最後まで自分を信じて走り続けたことで絶好のチャンスをモノにし、2度目のシクロクロスタイトルを獲得した沢田。TEAM BRIDGESTONE Cycling MTBチームの2020シーズン公式レースは、これが最後となります。まずはこの例を見ないレースシーズンに勝利と悔しさを重ねた、MTBチームへ多大なる声援をいただき、ありがとうございました。

来季のチームブリヂストン選手たちのオフロードでの活躍に、ぜひご期待ください。

【リザルト】 2020/11/29 第26回全日本選手権シクロクロス 飯山大会
1 沢田時 (TEAM BRIDGESTONE Cycling) 1:00:13
2 織田聖 (弱虫ペダルサイクリングチーム) +0:00
3 竹内遼 (FUKAYA RACING) +1:29

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