スタミナと戦術とレース勘が勝負:トラック中距離種目の紹介【レース基礎知識】

2021年、TEAM BRIDGESTONE Cycling選手が出場する自転車競技種目と選手たちを解説していきます。

まずはトラック中距離種目からです。

スタミナ、戦術、レース勘で勝負する中距離種目

すり鉢状の自転車専用トラックで行われるトラックレース。その中距離種目とは一般に、2km以上の距離、2分から20分程度の競技時間がかかる種目です。

英語ではEndurance=エンデュランス、耐久種目と言い、その通りに耐久力すなわち身体の持久力や回復力が問われます。

そして種目によりますが、ゲーム性の高い競技で優位に立てる戦術も必要です。加えて、いまこの瞬間だという流れを捉えられる、いわゆるレース勘が大事です。

走りと戦略、そして仕掛けるタイミングに選手それぞれの特徴が出るのがレース観戦の醍醐味。中距離種目のうちの3つ、オムニアム、チームパシュート、マディソンがオリンピック種目です。

主なトラック・中距離 種目 

・オムニアム(オリンピック種目)



 
4種目の競技を行って、それぞれの種目で獲得したポイントの合計を競います。ゲーム性の高い4種目での判断力、いわゆるレース嗅覚に加え、全体を通した戦術が求められます。東京2020オリンピックでは、チームの橋本英也が男子代表内定選手です。


レース見どころ →W杯直前! 飯島誠のトラックレース総ざらい 【Vol.3 オムニアム】

・チームパシュート(オリンピック種目)


4名の選手で4kmを走って3番目選手のタイムを競う、対戦型のトーナメントです。チームブリヂストンはここ近年、この種目での日本記録更新を常に担っており、これからも目標とします。


レース見どころ →W杯開催中! 飯島誠のトラックレース総ざらい 【最終回 チームパシュート】

・マディソン(オリンピック種目)


2名の選手が組み、トラック上で交代しながら参加して10周に1度のポイント獲得合計を競います。交代時に互いを加速させるため、常に高い速度域での展開が見ものです。


レース見どころ →『飯島誠のトラックレース総ざらい 【Vol.5 マディソン】バンク上のサーカス』

・個人パシュート



4kmの距離を1人で走ります。競技としては対戦型のトーナメントですが、選手個人としては、この種目の日本記録更新が目標になります。

・ポイントレース



10周=2.5kmごとにあるポイント周回で、順位ごとの獲得合計を競います。オムニアムの1種目でもある、体力と戦略が試されるレースです。

・エリミネーション



周回ごとに最後尾の選手がエリミネイト=除外されていくレースです。1人ずつ減っていく展開はわかりやすく、観客も単純に楽しめます。オムニアムの1種目です。

・スクラッチ



一斉にスタートしゴール順に順位がつく、トラックで行うロードレースです。トラックという状況ならではの、終盤に向けた集団の展開が見ものです。オムニアムの1種目です。

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