メカニックとしての役割と必須アイテム【MTB小林監督インタビュー vol.2】

みなさん、こんにちは。

今週もMTBの小林監督から伺ったお話をまた一つご紹介したいと思います。

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先日更新したブログで小林監督から、フィードゾーンについて色々とお話を伺いましたが、そこでは書ききれなかった事について。

そもそもMTBのバイクは、衝撃を吸収しやすくするため、ロードバイクよりもサスペンション(バネのようなもの)が多く、部品構造的にもより複雑で、消耗・故障がしやすいとのこと。

しかし、ロードレースとはルールが異なり、MTBレースでは故障やトラブルが発生してもバイク本体の交換ができないので、修理が必須となります。

もちろん、レース前には万全の整備をして、最高のコンディションで走り出すわけですが、未舗装の路面を全力で駆け抜けるため、どんなに整備をしていてもトラブルはつきもの。

そうした機材の不調を感じると、選手はフィードゾーンに入り、メカニックに修理をしてもらうのですが、ここでもちろん必要になるのが、修理道具ですよね。

ファンの方もなかなかお目にかかる機会の少ないそんな修理道具ですが、なんと小林監督が普段使っている工具ボックスをお見せしてくれました!!

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これが、国内レースはもちろん、海外遠征時でも必ず持ち歩いているという工具ボックスと、工具一式だそうです。かなり大きいですね。

自転車を組み立てたり、修理をするのに必要な工具一式が、この中に収まっているとの事でした。

前回のブログでもお伝えしたように、小林監督は監督とメカニックを兼任しています。

そのため、選手の走行中の様子を確認して、タイムの変化やブレーキのタイミングのズレ、タイヤの空気圧の変化などから機材の不調を察知すると、この工具ボックスから必要となる工具を取り出し、フィードゾーン内で事前に準備して待機しているそうです。

選手がフィードゾーンに入ってくる前からトラブルを察知し、先回りして工具の準備までされているなんて...

世界レベルの強さを誇る選手の実力はもちろんのこと、小林監督による入念な準備と熟練したメカニック技術が、Team Bridgestone Cyclingの強さを支えているんだなあと改めて実感しました。

ちなみにTeam Bridgestone Cycling MTBチームでは、現在8種類のタイヤの中から前輪・後輪にはそれぞれどれを使用するか、タイヤの空気圧はどの程度にするか、本体のエアーサスペンションの空気圧はどれくらいに設定するか等を、コースの特徴や、当日の天候、路面の状態、各選手の好みなどに応じて、小林監督と選手で相談し、決定しているとのことです。

レース前段階での機材の調整内容の多さに、私はひたすら驚いてしまいました。

しかし、きっとお話ししてくださったのは基本的な部分のみであり、本当はもっとたくさんの調整等があるのでしょう... 世界レベルで戦うとは、こういう事なのですね。

Team Bridgestone Cyclingの力強さと圧倒的スピードが、何によって支えられているのか。その一端がみなさんにも伝わりましたでしょうか。

次回のMTBレースも、どうかお楽しみに!

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text:Kumi.Fujita

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