徳田が2021年ツアーオブジャパンを振り返る【総合11位】
(徳田)
5月28〜30日、ロードチームの年間目標の一つであるレース《ツアー・オブ・ジャパン(TOJ) 》に出場したTEAM BRIDGESTONE Cycling。チームの最上位となったのは総合11位の徳田優。要所で前方には位置していましたが、表彰台には届きませんでした。
2019年開催の前回は7ステージが開催されたこの日本最大のステージレース、今年は富士山、相模原、東京の3日間3ステージでの開催となりました。
今年のTOJは4名で出走しました。ロード専任の徳田に、マウンテンバイクチャンプの沢田時、先のJPROツアーを優勝した山本哲央、そして河野翔輝。徳田以外の3名は、今年がTOJの初参加でした。
この2週間前に行われた香港でのトラック・ネイションズカップに出場した選手たちが、帰国に際する自主隔離を行なったのがその大きな理由です。
(山本、徳田、河野)
【2021年 ツアーオブジャパン 総合結果】
団体総合時間順位 3位
個人総合時間順位 徳田優 11位
個人総合山岳賞 徳田優 14位、沢田時 15位
新人総合時間順位 山本哲央 6位
河野翔輝 20位
チームは徳田の総合成績を狙っての参戦でした。チーム全体の雰囲気は良く、選手たちもしっかりとなすべきことを行いましたが、結果が振るわなかったという印象でした。
前回のTOJはアシストとして尽くした徳田でしたが、今年はエースとしての責を担いました。その立場の違いも含めて、今年のTOJでの走りを振り返ってもらいます。勝てなかったレースの直後に感じたことこそ、後で必ず役に立つからです。
また、徳田が乗る新型ロードフレーム《ブリヂストン・アンカー RP9》の乗り心地も聞いています。
(徳田)
Q)2021年ツアーオブジャパン、自分の走りをどう振り返る?
チームやサポートしていただいた皆さんの期待に応えられなかったのが、非常に残念だったというのが率直な心境です。フィジカル(身体)もメンタル(精神)も弱かったなという、期待に応えられなかった悔しさを感じています。
第1ステージは富士山のヒルクライム、純粋に力勝負というところで10位という結果。これが今の僕の力だったということです。
第2ステージの相模原は、僕が普段から住んでいる場所です。ほぼ毎日と言ってもいいぐらい通る道でのレースでした。そう言った意味でも、総合優勝を狙う意味でも、勝負を仕掛けて逃げに乗るんだと腹を括ってスタートしたつもりでした。
でしたが実際には、逃げのレースを作るというより、人数やメンバーを見て逃げを見送ったりもしてしまいました。脚を使って力尽くなら乗れたかもしれませんが、自分の力で逃げを決めるまでにいたらなかったのが、保守的だったという感じです。
初日ではフィジカルの弱さが出ましたが、2日目はメンタルの弱さが出ました。
最終の東京ステージでは、諦めずに逃げに乗ろうとアタックはしたんですが、タイミングや展開に合わずなかなか難しい状況でした。消極的になっていた2日間を覆したいという意味でも挑戦したんですが、実らなかったです。
結果、3日間不甲斐ない走りになってしまいました。僕の総合のために走ってくれたチームメイトにも申し訳ない走りだったと感じています。
Q)今年のTOJ、チームの動きをどう感じたか?
初日の力勝負でしたが、チーム総合では3位だったり、2日目は僕は逃げには乗れなかったですが、(沢田)時さんが乗っていたりしました。最終ステージも山本がスプリントで上位に食い込んでくれて。力のあるチームメイトだなと感じています。
それぞれがステージを勝てるだけの若い二人と、マウンテンバイクからロードレースに来られた時さん、みんな力のある頼もしいチームメイトでした。
その力にアシストしてもらって、チームとしての僕のためにオーダーを組んでくれて、僕のために走ってくれたんですが、それでも勝ちきれなかった自分の弱さが。。。結局そこになってしまうんですが。
(沢田)
(河野、沢田)
Q) 新たなフレーム、RP9の乗り心地は?
初めて乗った時からすんなりと乗れるぐらいクセがなく、とても乗りやすいなというのが1番の印象です。
トラックバイクの開発技術を滴下していると伝えられていたので、今まで乗っていたRS9sよりも、クセのある自転車が来るかと思っていましたが、そんなことは全くなかったです。スマートかつ走りやすい素直さは、RS9sの進化版といった感じですね。
剛性がしっかりしているので、コーナーでも前から引っ張ってもらえるような進み具合です。
一部の特長を見栄え良く言うキャッチコピーみたいなものは付けないのかもしれませんが、「クセがなく乗りやすい」のが僕的には最大の特徴だと思います。実際軽いですし、しっかりしているんで、速いロードバイクです。
Q)ここのところのロードレースでチームでは自分が一番経験あるという立場だが、チームメイトにはどんなことを伝え、どう機能している?
チーム員はみんな強くて、別のカテゴリーではトップを走ってきている選手ばかりなので、お互いに自分がどういうタイプで、どうして欲しいのかというコミュニケーションをしっかり取れて走れたのが良かったです。
どうして欲しい、どうしたい、どうして欲しかったというのをレースの前や後、最中にも関係なく伝え合いました。大学生の二人も、僕らに積極的に言ってきました。
そんな中で伝えたのは、チームでまとまって位置取りなどするのに、こうした方がもう少し楽なんじゃないか、といったことを伝えています。力もあって技術もある選手たちなので、もうみんな大体できているんですけど。TOJも写真見ると、結構まとまって走れているはずですよ。
レースのこととか自転車のこととか限らずに、コミュニケーションを取れる機会を、監督にしっかり設けてもらったので、選手間だけじゃなくて、監督やスタッフなどみんなで関われる時間が多くなったのがよかったですね。
Q)当面の具体的な目標は?
シーズンが始まる前から掲げていた、「全日本で表彰台に立つ」というのは変わっていません。今回は心身ともに弱さを見せてしまったので、一回鍛え直してがんばりたいと思います。
去年までの自分は結果を求められる立場ではなかったですが、今は自分がそれを求められる立場だというのを自覚しています。落ち込んでもいますが、前向きではあります。
photos: Satoru KATO
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