東京2020パラリンピック開幕！日本代表選手スペシャルインタビュー【トライアスロン：谷真海編】

2021年8月25日 16:00

陸上競技の走り幅跳びで、3度のパラリンピック（アテネ2004、北京2008、ロンドン2012）出場経験を持つ、谷真海選手。2016年にトライアスロンに転向し、今回も東京2020パラリンピック代表内定を勝ち取りました。

東京2020オリンピック・パラリンピックの招致にも尽力し、開会式では旗手を務めた谷選手に、現在の心境とパラリンピックにかける想いを聞きました。

ーーあらためて東京2020パラリンピックの代表を勝ち取るまでの道のりを教えてください。

昨年の3月以降は、まったく試合のない状況で、パラリンピックの延期も決まってしまって。
パラリンピック自体もそうですが、出場権を獲得するための選考会すらもはたして行われるのかという不安がありました。昨秋からパラリンピックが開催されることを信じ、もう一度気持ちを切り替えてトレーニングを再開しました。幸い今年の4月に広島でアジア大会があり、5月に横浜でも国際レースが開催され、ポイント獲得のための選考レースが国内で立て続けに開催されるいう状況に恵まれました。

代表に選ばれるためには、世界ランキングで9位以内に入らなければならなかったので、広島と横浜のレースは、意地でも代表を勝ち取るという強い気持ちで戦いました。

結果的に無事にポイントを獲得できました。6月以降に海外での選考レースがいくつかあったのですが、ライバルとのポイント差を加味して、海外転戦はせず、最終結果を待っていた状況でした。

ーー7月8日に無事4度目のパラリンピック代表決定が発表されました。決まった瞬間はどんな気持ちだったのでしょうか？

最初は実感がなかったですね。改めてパラリンピックも4大会目の出場かと思うと、ずいぶん永くこの場で戦ってきたなと。
2018年にトライアスロンで自分のクラスが開催されなくなるという大事件が起きて、一時は出場の機会さえも閉ざされていた状況だったので、ギリギリですが代表に選ばれて本当に良かったし、最後はスポーツの神様に守られたなと思いました。

ーー 4度目の出場ですが、谷選手が感じているパラリンピックの印象を教えてください。

やはり他の大会にはない雰囲気がありますね。私はそれに虜になって、4回目の出場を目指してきました。コロナ禍のなかで高揚感をどこまで感じられるかは分かりませんが、この日のために努力を積み重ねてきたんだということを実感できる舞台だと思います。

これまのパラリンピック出場は、ひとつひとつが思い出に残っています。とくに印象的なのが選手村です。各国から世界一を目指している選手が集結しているので、ひとりひとりが堂々としていて輝いている雰囲気があります。あと聖火にはやはり感動しますね。あのゆらめく姿を見ると「またここに帰ってきたな」と実感します。

ーートライアスロンでのご自身の強みと応援して欲しいポイントを教えてください。

スイム、バイク、ランの3種目をバランスよくこなせるのが自分の強みだと思っています。
今回は障がいが一つ軽いクラスに交じってレースをすることになり、義足の付け替えなどでトランジションエリアだけでも離されてしまうことが予想されますが、前方の選手に食らいついていきたいと思います。

ーーハードなトライアスロンで、谷選手を前に進ませる原動力は何なのでしょうか？

おっしゃるとおり、トライアスロンはとてもハードな競技で、諦めたくなる瞬間もありますが、自分は辛いときこそ、勝負だなと思っています。
苦しい時こそ自分に限界を作らずに、少しでも速く、少しでも遠くへという気持ちで一歩一歩前に進むようにしています。
何が楽しみかというとゴール前のブルーカーペットの直線が本当にワクワクする瞬間で、そこにたどり着くため、笑顔で迎えるために、悔いのない走りをしようという気持ちで取り組んでいます。

ーー第4の種目と言われるトランジション。そこでの時間短縮も重要なポイントですが、時間短縮の秘訣はありますか？

実戦練習あるのみですね。迷いなくスムーズにできるように本番と同じ状況で準備しておくことが大事です。

ーー最後にレースに向けての意気込みをお願いします。

自分自身のクラスがなくなってしまうというところからのスタートで、出場できるだけでご褒美のように感じていますが、自分の力を出し切って、笑顔で悔いのないレースができたらいいなと思っています。ぜひ応援をよろしくお願いします！

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