窪木が魅せた!歓喜の一勝目&松田祥位、総合2位の大健闘【TOUR de 熊野詳報】
みなさん、こんにちは。
コロナにより3年ぶりの開催となったツールド熊野。ファーストステージでは窪木一茂選手が、待ち焦がれた今季初勝利を飾ってくれました!第三ステージでは逃げ切りを許してしまい、次へ向けての反省点も残りますが、松田祥位選手は個人総合1位のネイサン・アール選手(チーム右京)にタイム差4秒まで迫る白熱したレースを展開し、個人総合2位と3日間大健闘しました。今回も監督、選手へのインタビューを交えてTEAM BRIDGESTONE Cyclingの思惑やレースの展開を振り返っていきます。
【第22回 TOUR de 熊野 2022】
日程: 5月27日(金)〜5月29日(日)
出場選手: 窪木一茂、徳田優、今村駿介、河野翔輝、兒島直樹、松田祥位
詳細:https://www.tourdekumano.jp/
■第1ステージ『赤木川清流コース』
コース:さつき前→長井トンネル→渡月橋→長井トンネル→さつき前
距離:15.5km+16.4km×5周回+16.5km=114.0km
LIVE配信: 【LIVE】TOUR de 熊野 2022 第1ステージ『赤木川清流コース』
前日インタビューで窪木選手が仰っていた「晴れて欲しい」という願いが通じたのか、ツールド熊野には珍しく三日間の晴天が続きました。美しい自然も魅力的なコースレイアウトです。
1日目の『赤木川清流コース』はアップダウンが少なめで、BSがしっかりと勝ちを狙えるコース。4周目でやっと決まった3人の逃げに追いついた兒島選手を含む6名の逃げとメイン集団とのタイム差は30秒ほどまで広がります。
BSとしては逃げ切りの場合は兒島選手でスプリント、集団スプリントとなった場合は窪木選手でという2つのプランを用意しレースに臨みました。
メイン集団はペースアップを図り逃げ集団を捉え、最終周回の渡月橋付近で吸収。
BSも集団スプリントのプランへ切り替え、残り4km程の地点からチームパーシュートばりのスピードでトレインを組み、ラストのコーナーまで流石のスピードで牽き切った今村選手から窪木選手が発射。
窪木選手は圧巻のスピードで先頭をキープしたままゴールスプリントを制し、優勝を決めました。兒島選手の逃げ切りパターン、集団スプリントのパターンとどちらでも勝ちを狙えるチームブリヂストンサイクリングにしか出来ない勝負の仕方でしっかりと勝つことが出来ました。
シーズン開幕からあと一歩のところで優勝を逃していたので、このツールド熊野第1ステージで嬉しい今季一勝目を上げることが出来ました!
1日目の総合リーダーを獲得し、窪木選手はポイントリーダーのグリーンジャージも獲得。
宮崎監督「優勝できましたね。この調子で明日も明後日も勝っていきたいと思います。今日はすごく綺麗に作戦が決まって動けていたと思います。兒島が逃げてくれたので集団はある程度落ち着けた。うちしかできない走り方で走れたと思います。」
窪木選手「ラスト4km位からチームみんなで列車を組んで、完璧すぎるスプリントが出来ました。今季一勝目が上げられて嬉しいです。」
■第2ステージ『熊野山岳コース』
コース:熊野倶楽部→金山交差点→小川口トンネル→千枚田→金山交差点→札立峠→紀和町→千枚田→熊野倶楽部
距離:104.5km
LIVE配信: 【LIVE】TOUR de 熊野 2022 第2ステージ『熊野山岳コース』
ツールド熊野のクイーンステージ、『熊野山岳コース』。
レース序盤の上り区間で一番最初に仕掛けたのは松田祥位選手。
反応した他チームの選手たちも反応し、約20名ほどの逃げ集団が形成されます。
ひたすらにキツイこの山岳コース、登れるメンバーがだけが残るサバイバルな展開に。
登れるメンバーが揃った逃げ集団はメイン集団との距離をぐんぐん広げ、タイム差は3分以上に。
しかし、残り20km程の2回目の丸山千枚田で松田選手は先頭集団からドロップしてしまいます。TOJの富士山ステージも優勝したダイボール選手(チーム右京)を先頭に5人に減った先頭集団は激しい勾配を走り抜けていきます。
追走2人が追いつき先頭7名はそれぞれの思惑が交差し、アタックのタイミングを伺いながらの膠着状態でペースが落ちます。
そんな中残り2km地点でホセ選手(マトリックス)と共に先頭7名に追いついた松田選手!中継で見ていた筆者には後光が差して見えました。
先頭9名。松田選手は更にラスト1kmを切ったところでダイボール選手(チーム右京)のアタックにしっかりと反応し、先頭に上がります。ラストの熊野倶楽部への上りから9名が広がり、1位を取ったのはキンテロ選手(マトリックス)。最後まで大健闘した松田祥位選手は4位でフィニッシュ。素晴らしい展開を見せてくれました。
■第3ステージ『太地半島周回コース』
コース:くじら浜公園→太地町役場→ユースホステル→平見台公園→太地小学校→紀陽銀行→あたみ交差点→常渡交差点→くじら浜公園
距離:9.8km+10.5km×9周回=104.3km
LIVE配信: 【LIVE】TOUR de 熊野 2022 第3ステージ『太地半島周回コース』
松田祥位選手は第2ステージ終了時点で総合1位のネイサン・アール選手(チーム右京)とタイム差6秒、個人総合7位。3周回目と6周回目の中間スプリントの上位3名にはそれぞれ3-2-1秒のボーナスタイムが、フィニッシュ時には10-6-4秒がそれぞれ与えられるため、個人総合優勝は十分射程圏内。
松田選手の総合優勝を目指し、チーム一丸となって最終ステージの『太地半島周回コース』へ臨みました。
定刻通り10時にレースがスタート。
序盤からハイペースでレースが展開。アクチュアルスタートからすぐに3人の逃げが決まり20秒ほどのタイム差が開きますが、メインは落ち着いてすぐに捕まえます。
3周目の中間スプリントに向けて2周回目からチームブリヂストンサイクリングは先頭に固まり先頭牽きはじめ、綺麗なBSトレインで松田選手を発射し1位で通過。狙い通りボーナスタイム3秒を獲得してバーチャル総合2位に浮上!他チームにポイントを渡さないようにするため窪木選手も2位通過で3pt、ボーナスタイム2秒を獲得。
BSトレイン、何度見ても美しいです。
1度目の中間スプリントを終えた4周目で総合争いに絡む横山選手(シマノレーシング)も含む7名の逃げが発生。スプリントで脚を使い、じわじわとキツイこのコース、そのまま容認してしまいます。
さらに追走にマンセボ選手(マトリックス)を含む3名が合流し5周回目に入る前には逃げ集団は10名に。メイン集団は距離を離され、厳しい上り区間で人数も絞られていきます。
6周回目の2度目の中間スプリントを狙い逃げ吸収、再びのボーナスタイム獲得を目指し牽引を始めるチームブリヂストンですが、1度目の中間スプリントで脚を使ってしまったこともあり逃げ集団に追いつくことが出来ずボーナスタイムを逃してしまいます。
BSが牽引を辞め、チーム総合トップのチーム右京がタイム差を計算しながら集団をコントロール。
ステージ優勝を狙う愛三工業レーシングチームなども牽引も始めますがギリギリのところで追いつくことはできず、そのまま逃げ切り、ライアン・カバナ選手(ヴィクトワール広島)が優勝。
松田祥位選手はラスト2km程のところから追い上げメイン集団先頭の8位でゴール。タイム差があと一歩及ばず、個人総合順位2位でフィニッシュしました。
<リザルト>
8位 松田祥位
24位 今村駿介
25位 窪木選手
27位 兒島直樹
51位 徳田優
<総合リザルト>
◆個人総合時間順位
2位 松田祥位
◆ポイント賞
2位 窪木一茂
宮崎監督「今日の第3ステージの結果に関して、2回目のスプリントポイントの時にキツさから甘えが出てしまいました。一時の気の緩みから追いつけずに逃げ切り勝ちをされてしまったことは反省点です。ただ、第一ステージでのステージ優勝、松田の総合2位と結果としては上出来だったと思います。松田の調子の良さも感じられ、他の選手も皆頑張ってくれました。今シーズン初勝利で弾みをつけることも出来たので今回の反省を次に活かして行きます。」
第一ステージではトラック選手が多いBSの圧倒的なスピードを最大限発揮し、窪木選手の優勝。松田祥位選手は3日間調子良く総合2位と力強い走りを見せてくれました。ステージレースならではの駆け引きの面白さも感じられる、3年ぶりのツールド熊野でした。
皆さま、今回も沢山の応援をありがとうございました。今回の優勝、調子の良さに弾みをつけてこれからのレースも頑張って行きますので引き続き、ご声援をよろしくお願いいたします。
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【公式】ANCHOR (@anchor_bridgestone) • Instagram photos and videos
Text: Lynn Watanabe Photo: Satoru Kato
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