【チーム選手の機材セッティング】選手のハンドルまわり事情を聞いてみました。Vol.2
チームブリヂストンの選手たちに自分達のセッティングについて聞いてみましたシリーズ。選手たちのハンドルのセッティングについての後編です。今回は窪木一茂、沢田時、兒島直樹、松田祥位、宮崎景涼監督のハンドルまわりをご紹介します。
Vol.1はこちらから(https://www.bscycle.co.jp/anchor/blog/2022/07/article.html)
昨今のUCIのルール改定で空力軽減を目的としたハンドルの上部に腕を乗せて走る行為が禁止となり、ハンドルまわりのセッティングにも変化が出てきました。
最初はハンドルの幅は肩幅と同じ、角度はハンドルの末端部分を地面と水平、ブラケットの高さはハンドルの末端の高さとブレーキレバーの一番下の部分が同じになるようにして左右の角度は正面に真っ直ぐ前にセッティングし、そこから好みに合わせて変えていくのが王道なのですが、いざやってみると、登りの時はいいけど、平坦だといまいち、スプリントするのは良いけどブレーキングしにくい、など以前の記事にあった「クリート位置はどのあたり?」同様にこちらもしっかり沼にはまってしまいます。
前回のVol.1公開後に多くの反響いただきありがとうございます。ハンドルのセッティングもですが、意外にバーテープのチョイスにも注目いただけた様子。
さて、今回のメンバーはどのようなセッティングなのでしょうか?それでは見ていきましょう!
窪木一茂
言わずと知れた日本屈指のスピードマン
ハンドル:VIBE アルミラウンド(旧型)400mm
バーテープ: OGK KABUTO BT-02 (コットンタイプ)
ブラケット: 上向きで、内向き
ハンドルはスプリントするときに力が1番入る形状がこれだったので、この深い曲がりのハンドルを使用しています。
トラックレース、競輪においても似てるような形状のハンドルを使用しているため、統一化の狙いもあります。
幅の広いハンドルや狭いハンドルも試してきましたが、400mmに落ち着きました。
バーテープは、薄さと厚さのバランスが良くて素手で握ってもストレス少なくて扱いやすいと感じています。
そしてブラケットは体重がハンドルのどこに乗るかも重要視してかなり繊細に決めています。
兒島直樹
先日のアジア選手権ではチームパシュートで優勝したメンバーで現トラックオムニアムチャンピオン
ハンドル:VIBE Aero Carbon 380mm
バーテープ:OGK KABUTO BT-04(柔しっとり)
ブラケット:向きを少し内側にしすることで自分が巡航する時のフォームがとりやすいようにしています。
ハンドルの角度や高さは下ハンドルを握った時にトラックバイクに乗ったときと同じようなフォームになるようにセッティングしています。
沢田時
ロード、シクロクロス、MTBとさまざまなバイクを操る沢田選手のこだわりは..?
ハンドル:VIBE Carbon 400mm
バーテープ:OGK KABUTO BT-04(柔しっとり)
ブラケット:真っ直ぐ
ハンドル幅はシクロクロスでは操作性を求めて420mmを使っていますが、ロードでは空気抵抗との兼ね合いから400mmにしました。
バーテープはチーム内で1番人気と聞いてBT-04を試したところ非の打ち所がなく、雨で濡れても滑りにくいところも気に入っています。
ブラケットは流行りの内向きセッティングも試しましたが、ダンシング時に腕の力が使い難く自分には合いませんでした。
真っ直ぐ取り付けています。速度に応じてブラケットへの指の掛け方が変わるため、どの握り方でもしっくりくるような角度に調整しました。
松田祥位
先日のアジア選手権では個人&チームパシュート両方で優勝し、ツールド熊野の山岳ステージでも上位に入るオールラウンダー選手
ハンドル:VIBE Aero Carbon 380mm
バーテープ:OGK KABUTO BT-02(濡れ強)
ブラケット:内向き
手のひらが収まりリラックスできるようにセッティングしたら少し内向きになりました。
バーテープは手触り、乗り心地が1番好みなのを選んでいます。
番外編(?)宮崎景涼監督
当たり前ですが、速く走ろうとは思っておりませんので、楽に、長く、リラックスして走りたいと思ってます。
ハンドル:PLTエルゴカーボン400/420mm
バーテープ:OGK KABUTO BT-02(濡れ強)
ブラケット位置:若干高め
ハンドル幅がブラケット部分は400mmで下の部分が420mmと若干フレア形状になっているハンドルを使用してます。
下とブラケット部分の落差が少ないところも気に入っています。最近は体幹が弱ってきて上半身が前へ行きがちなので
ブラケットを高めに設定して上半身を支えやすく、手首へのストレスも掛からないようにセッティングしています。
選手たちのハンドル周りのセッティング如何でしたでしょうか?バイクの中でもブレーキやシフトチェンジ、バイクコントロールなど一番多くの操作を行い、ライディング中の空気抵抗や上半身のポジションをなどにも大きく影響する部分なので、チームブリヂストンの選手たちもそれぞれ色々と考え抜いたセッティングのようです。
とはいえ、ルール改正や新しい機材が次々に出てくる昨今、選手たちのセッティングも常に進化していくことでしょう。選手たちのポジションへの探求は尽きません。これからも選手たちのセッティングシリーズは定期的にご紹介しますのでお楽しみに!
Vol.1はこちらから
(https://www.bscycle.co.jp/anchor/blog/2022/07/article.html)
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