#チームブリヂストンのチームカーってどうなってるの?

9月9日〜11日にツール・ド・北海道が3年ぶりに開催されます。日本で唯一の全ステージがラインレースの大会で、毎日移動を繰り返しながらレースを走ります。

選手たちは全国各地のレースに出場しますが、そのほとんどが車移動!遠征時は自転車に乗っている時間よりも車に乗っている時間の方が間違いなく長いです。

だからこそ快適、便利に移動するためのアイデアが満載です。

チームブリヂストンサイクリングには選手をサポートするための3台のチームカーがあり、レース中に選手たちの後ろを伴走しながらスペアバイクや補給などのサポートするレヴォーグ(通称「レヴォ」)、選手たちが移動する時に使用するハイエースのグランドキャビン(通称「客車」)、沢山のバイクとスペアーパーツ、テントや椅子などを運ぶ機材車のハイエースのバン仕様(通称「メカ車」)の計3台です。

今回はその中でも「客車」をご紹介します。

この客車は選手たちの荷物とバイク以外の荷物を主に積んでいます。レース中に使用するボトルや、補給関係の食べ物やクーラーボックス、レース前後で使用するアイテムなどが積載されています。

レースで使用するボトル

黒キャップはVAAM、白キャップは水で、レース中でもすぐにどちらか判別できるようになっています。ちなみにこのバッグいっぱいで約30本入ります。

それ以外にも今の時代忘れてはいけないコロナウイルス感染対策キットやVAAMのゼリーやジェルなどの捕食関連などが前後2列2段できれいに入っています。

左のボックスは捕食キット、レース中のジャムパンや急に気温が下がった時などにお湯を沸かせるように色々なアイテムが入っています。右のボックスに入っているのは靴乾燥機!これが意外に大事で、雨のレースなどが続く場合、濡れた靴を乾かす為に使用します。

チームブリヂストンは靴乾燥機をなんと5つ常備しているので、出走人数が多い連戦レースでもしっかりと靴を乾かすことができます。更にはスペアボトルに加えて、コロナ対策の抗原検査キットとPCR検査キットも常に常備し、遠征中に感染の疑いがあった場合はすぐに検査をすることができるようにしています。

座席にはクーラーボックスとゴミ箱も設置。長距離遠征の場合は車内で食事などを摂る場合もあるので、こういった準備はすごく大事です。

その他、消毒液や日焼け止め、ゼッケンに使用する安全ピンや両面テープなどもすぐにわかるようにセットされています。

全てはレースでより良いパフォーマンスを発揮するために

おそらく、チームカーにゴミ箱が設置されてるチームってブリヂストンくらいだと思います。以前はブリヂストンのチームカーにもゴミ箱がなかったのですが、そうすると移動後の車の中はコンビニ袋に入ったゴミが至る所から出てきてました。もちろん分別もされていません。こうなると結局スタッフがレース後に分別して捨てるわけなのですが、そこに時間を割くのはとても無駄で、ゴミ箱を設置するだけでその時間を選手たちのサポートに当てることができます。

それ以外にも整理整頓を徹底しているのは別に綺麗好きだからというわけではなく、いつも同じ場所に物があればレース前に「あれがない!これがない!どこいった!?」なんていう事もなくなります。

5月のTOJ相模原ステージでもスタート地点では雨は降っていなかったけど、周回コースは雨が降っていて、気温も思っていたより低く、選手たちの体温が下がってしまう可能性がありました。

すぐに飲み物を温かいものに変更する必要があると考えましたが、監督と早川メカニックはレヴォーグで集団の後ろを伴走していますから、補給所で手を動かすことはできない。そんな時でも電話でスタッフと連絡を取り合って、「ハイエースの後ろのあそこにヤカンが入っているから、、」といった感じで、物を探したりパニックになったりせず素早い対応が出来ました。

監督曰く、「選手からは几帳面で細かく、窮屈に感じるかもしれませんが、それが結果的にレースでより良いパフォーマンスに繋がっていくわけで、逆に言うとこれくらいしかスタッフができる事なんてないと思っています。」

今回はチームブリヂストンのチームカーについてご紹介しました。ただ移動するだけではない、レースで勝つための工夫が満載でした。

今後その他のチームカーもご紹介していきますのでお楽しみに!


Text&Photo: TEAM BRIDGESTONE Cycling

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