【2023世界選トラックDay04】男子オムニアムで今村が3位・銅メダルを獲得!/太田が女子ケイリン世界選自己最高位に
【2023世界選トラックDay04】男子オムニアムで今村が3位・銅メダルを獲得!/太田が女子ケイリン世界選自己最高位に
8月6日に開催された世界選手権・男子オムニアムにて、今村駿介が3位・銅メダルを獲得しました。
同日に行われた女子ケイリンでは太田りゆが世界選での自己最高位を獲得。個人パシュートには窪木一茂と松田祥位が参戦しましたが、予選は通りませんでした。
それぞれの詳細をお伝えしていきます。
男子オムニアム/積極的な走りで、会場をも熱くした今村
今村が銅メダルを獲得した、4種の競技を行い、その獲得ポイントの合計を競う男子オムニアム。
第1種目で出遅れるも、第2種目で挽回。第3種目ではまた下位に落ちるも、最終種目では、他国選手にも労われるほどの積極的な走りで見事3位銅メダルを獲得しました。
一つずつの種目を振り返ります。
第1種目スクラッチ:
先着順で順位がつくスクラッチ。
スタートから積極的に前にでる走りで、集団前方にて展開を続けた今村。
ただ最終段階でイン側に入り込み、そこからアウト側にフタをされる形で動きを止められる形になります。
先頭集団の後方でフィニッシュ、結果8位に。
第2種目テンポレース
先着1選手のみが1ポイントを得られるテンポレース。
序盤から激しい展開。1名の選手がラップ(周回追越し)を狙って集団から抜けます。
その選手への対応を迷い、速度の緩んだ集団から今村は一気に抜け出し、独走でラップを狙います。
先行していた選手がラップを決め、そのため次に位置していた今村が先頭に。
そのまま独走で周回ポイントを稼ぎ続ける今村に後方からもう1名の選手が今村に合流。
先着ポイントを分け合う形になりますが、ラップするまでには至らず。
ただポイント数は着実に稼ぎ、この種目を3位に。総合順位も3位に。
第3種目エリミネーション
最後尾の選手からエリミネート(除外)されていく種目。
序盤は集団の中ほどに位置し、前に出るタイミングを狙っていた今村。
後方を巧みにさけ、前方で動きましたが、ふとしたタイミングでイン側の危険な位置に。
加速しながら最後尾を避けていましたが、レース後半に後ろの選手にから差し込まれてエリミネート。結果11位に。
最終種目ポイントレース
10周に1回のポイント周回で、着順ごとにポイントを獲得できる種目。
ここでの獲得ポイントをこれまでの合計ポイントに加算しその順位を競います。
ラップを取ると、20ポイントを獲得します。
そのラップポイントを狙って、ランキング下位の選手が積極的に加速します。
加速した選手たちをマークし、ラップを取る動きに積極的に加担していった今村。
多くの選手がラップを繰り返す展開となり、今村も合計4回のラップを実現。
ポイント合計は激しく動きますが、最終ポイント周回を前に、今村は2位に。
しかし最終周回の倍ポイントで逆転され、3位という結果になりました。
今日の今村の動きは、『ふと目を離すと、前にいる』と言えるぐらい積極的で速いものでした。
場内アナウンスも、最初は今村を(おそらく名前の読みにくさで)「日本選手が」と呼んでいましたが、だんだんと敬意を持って「イマムラ!」と連呼するように。
そのアナウンスに応えるかのように、またも目を離すと前方にいる今村。
その動きを見せ続けられたライバル選手たちも会場も、知らなかった強豪選手として今村を扱うように変わって行った、ように感じられました。
一方の今村本人は、その積極的な動きを、どのような気持ちで行なっていたでしょう?
「自分がイケると全く思ってはおらず、常にできることをやり続けました。体力的にもきつくて、とにかくやれることをやって、粘って、地味にポイントを稼ぎ続けて。
掲示板も見る余裕もなく、ゴール後に見たら、3位だったんです。順位がわかっていたら、最後のフィニッシュスプリントで、もっと対応して、2位を狙えたかもしれませんね」
そしてこの、オリンピック種目であるオムニアムで銅メダルを獲得したことについて、改めて、その心持ちを今村に聞きました。
「期待されていた中で、メダルという結果が残ったのは、ほっとしていますし、自信にもつながります。
去年は多くのトレーニングを積んできましたが、自分には強くなったという実感はありませんでした。今日でそれが覆され、自信と課題も見えました、これでオリンピックのメダルに向け、また着実に進んでいけます。応援ありがとうございました」
オリンピック開催前年の世界選手権は、オリンピックの前哨戦であると行っても間違いではありません。。全ての選手が『仕上がった』状態で参戦するため、この世界選手権での好成績は、来年に控えたパリ2024オリンピックでの成績にも繋がっていくに違いありません。
今村が次に狙うメダルは、オリンピックでのメダルです。本人はその自信を、そして周りはその期待を、再び確かなものとして感じられた結果でした。
女子ケイリン/結果11位、世界選手権の自己最高位を獲得
前日の1回戦から準々決勝に臨んだ太田。
スタート後、先導が外れてからは一旦後方に下がりました。
前を見極めながら、ふと前に開いた空間を逃さずに捉えて前にでます。
そのまま加速しこのヒートを3位に。準決勝に進みます。
準決勝に臨む太田。先導車についているときは太田は3番手。残り3周から始まった勝負で、太田は後ろから上がってきた選手たち被せられ、最終周回までに最後尾にまで下がります。
そこからタイミングを見極め最終周回で追い上げた太田、そのまま加速して捲り上げましたが、勝ち上がりの順位となる3位には届かず、決勝進出はなりませんでした。
そして太田は7〜12位決定戦に出場します。先導車の後ろでは2番手につけていた太田、先導が外れてからは一旦後ろに下がり、そこから前に上がろうとします。
しかしこれがうまくいかず、結果外側から2名の選手に被せられてイン側に閉じ込められてしまいます。自由な動きがほとんど取れないままフィニッシュを迎え、結果5位、全体の最終結果は11位となりました。
ただこれは太田の世界選手権ケイリンでの最高順位。
彼女はまた一つ、自分を超えて行きました。
男子個人パシュート/窪木と松田、共に予選通過ならず
(窪木)
男子個人パシュートに、窪木一茂と松田祥位が参戦しました。
チームパシュートと同じ4kmの距離を、ひとりで走るこの種目。窪木も松田も、予選での記録を狙って走りましたが、ともに思ったようなタイムは出ず、上位4名のみとなる予選も叶いませんでした。
選手それぞれが、走りで感じたことを聞きました。
(窪木)
「出走直前に他の選手のタイムを見て「速いな」と思い心が乱されてしまって、最初から突っ込んでしまい、ペースが乱れてしまいました。
6周で脚に来てしまって、よくないなと感じ、3kmで少し休めて、4kmまで踏み直したという印象です。ベストに近いタイムは出ましたが、自分のペースでは走れませんでした」(予選15位 窪木)
(松田)
「最初はペースに乗せるぞという気持ちでしたが、今日は軽めのギアだったので、回した方が楽かなと思っていたんですが、思ったより呼吸が整いませんでした。
チームパシュートでの一走の練習を多くしていたので、有酸素能力が足りなかったんだと思います。今の自分の実力通りかと思います」(予選22位 松田)
【トラック世界選手権 8/6 リザルト】
*男子オムニアム
・スクラッチ(1/4)
1 LEITAO Iur(ポルトガル)
8 今村駿介(日本)
・テンポレース(2/4)
1 LEITAO Iur(ポルトガル)
3 今村駿介(日本)
・エリミネーション(3/4)
1 STEWART Campbell(ニュージーランド)
11 今村駿介(日本)
・ポイントレース・最終結果(4/4)
1 LEITAO Iuri(ポルトガル) 187 ポイント
2 THOMAS Benjamin(フランス) 185 ポイント
3 今村駿介(日本) 173 ポイント
*女子ケイリン
1 ANDREWS Ellesse(ニュージーランド)
2 BAYONA PINEDA Martha(コロンビア)
3 FRIEDRICH Lea Sophie(ドイツ)
11 太田りゆ(日本)
*男子個人パシュート
1 GANNA Filippo(イタリア)4:01.976
2 BIGHAM Daniel(イギリス)4:02.030
3 MILAN Jonathan(イタリア)4:05.868
予選15 窪木一茂(日本)4:13.708
予選22 松田祥位(日本)4:21.963
最新記事
Article