【2023世界選トラックまとめ】ブリヂストン選手たちが描けたパリ2024への確かな道筋

【2023世界選トラックまとめ】ブリヂストン選手たちが描けたパリ2024への確かな道筋

パリ2024オリンピックに出場するために、最も大きな意味を持つ2023世界選手権トラック。
その世界選でチームブリヂストン選手は、2つのメダルを勝ち取りました。

チームブリヂストンサイクリング、キャプテンの窪木一茂が、男子スクラッチで2位銀メダルを獲得。
チームブリヂストンサイクリング、ブリヂストン アスリートアンバサダーの今村駿介が、パリ2024種目の男子オムニアムで3位銅メダルを獲得しました。

メダルには届かなかった選手たちも、全力を尽くしてこの戦いに挑みました。
その足跡を振り返ります。


2023年8月3日〜9日まで行われた、2023UCI世界選手権トラック。
13種目のUCI(国際自転車競技連合)競技種目が、同日程でイギリス/スコットランド・グラスゴー周辺にて行われました。

チームブリヂストン選手が参戦するトラックの会場となったのは、『サー・クリス・ホイ・ベロドローム』。
ロンドン2012オリンピックで好成績を残し『サー』の称号を受けた、クリス・ホイ元選手の名を冠するオリンピックのレガシー施設です。

*男子スクラッチ 窪木一茂 2位銀メダル

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昨年に続き今年も銀メダル! 世界選手権2年連続メダルも「悔しい」と窪木

最終着順がそのまま順位となるスクラッチ。
出走したのは昨年の世界選手権でもこの種目で銀メダルを獲得している窪木一茂。今年はさらに上、表彰台の頂点を狙っての出走です。
自身も周囲からも強者として認識されている窪木、序盤から積極的に前で展開し、レースを作っていきます。
最終局面に向かって窪木は自信を持って前に位置し、フィニッシュに備えます。
ラスト3周で飛び出した選手の後をついて先行、最終局面では先頭を狙える位置に、しかし最終スプリントで先頭に届かず2位に。

「今年の結果は本当に悔しい、勝てる道筋はあった」と語る窪木。
銀メダルを大会開始早々に勝ち取ることで、日本チーム全体の士気を上げられました。

*男子オムニアム 今村駿介 3位銅メダル

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なかなか結果の出なかった今村が、ついにオリンピック種目でメダル獲得

男子オムニアムに出場したのは今村駿介。4種目を走り、その獲得ポイントを合計して争います。
第1種目のスクラッチ、積極的に前に位置取っていた今村でしたが、最終スプリントを前にイン側へと入り、前を塞がれる形で8位に。
第2種目のテンポレース、序盤から抜け出し、ラップを狙える位置で独走、先頭ポイントを多数稼いで3位に。総合も3位に。
第3種目のエリミネーション、レース序盤はその脚の強さを使った展開で最後尾を避けていくも、後半に力足りず結果11位。総合8位に。
最終種目のポイントレースで、ラップを狙う選手たちをしっかりと何度もマーク。4度のラップを取る気迫の走りで総合3位を獲得。

「何も聞こえないぐらい必死に走っていました。ずっと積み上げてきた実力、信条を結果として出せて嬉しいです」(今村)。

*男子チームスプリント 長迫吉拓 予選4位、決勝6位

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長迫は予選・1回戦ともに自己ベストタイムを達成

ネイションズカップでも表彰台に登っている日本の男子チームスプリント。
250mトラックを3選手が前走者を追い越さずに3周し、最終走者のタイムを競います。
日本チームは一走をチームブリヂストンから長迫吉拓が担います。二走は太田海也選手、三走は小原佑太選手です。
予選では早めのスタートとなり、まずは長迫が自己ベストを縮めるタイムでチームを引き、結果4位に。
決勝となる一回戦では、長迫がさらに自己ベストを縮める17秒389をマークしますが、チームのタイムは伸びず42秒948。
一回戦突破ならず、総合結果は6位となりました。

「自分の一走としてのベストタイムでしたが、後半がもっと速ければ、チームとしてもっと良いタイムが出たのかなと思いますが。
このチームで戦えて、この結果を得られた。チームみんなが本気でぶつかれたのはすごく良かったです。 悔いはありません」(長迫)

*男子チームパシュート 予選8位、決勝8位

 
一走;松田祥位、二走;窪木一茂、三走;橋本英也、四走;兒島直樹

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長く念願だった世界選手権の予選突破、パリ2024出場への希望さらに大きく

4000mを4選手で走り、3着目選手のタイムを競うチームパシュート。
パリ2024オリンピックへの出場枠を取るため、まだ成し得ていない、世界選手権での予選突破が日本チーム、今回の目標です。
上位8組まで通る予選、それぞれが戦略通りの走りをし、力を出し切ったとして3分53秒244のタイムで8位通過。
日本チームパシュート、世界選手権で初めての予選通過を達成します。
そして1回戦。ペースの良くスタートするも、対戦相手のフランスに序盤から少しずつ遅れてしまい、取り戻せないままにこのヒートを終了。
上位4タイムが出場できる順位決定戦には及ばず、結果8位のタイムでこの世界選手権を終えました。

選手それぞれが出し切った結果ではありましたが、世界トップへのステップはまだ高いものでした。
しかしこの8位から得られるポイントで、ポイント上位10カ国が枠を得られるパリ2024への出場枠へ、日本は大きく近づきました。
そしてタイムは3分51秒450、タイムの出にくいと言われているこのベロドロームで、自己ベストまで0.2秒というタイムをマークしています。

*男子ポイントレース40km 兒島直樹 7位

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狙っていたこの種目、終始脚を使って善戦するもメダルには届かず。

全日本選手権、アジア選手権とポイントレースを勝利してきた兒島。全てはこの世界選手権でのメダル獲得に向けての意気込みでした。
ポイントレースは、10周に1回のポイント周回で獲得した上位4位までの順位ポイント、ラップでとる20ポイントでの合計を競います。
序盤は、その速度の高さにたじろいだものの、後半からキレのいい走りを見せ、まずはラップを取って一気に上位順位にからみます。
その後も巧みにラップ集団を見流さずに合流し得点を重ねるも、上位勢はそのラップ集団の中、ポイントでは追いつけません。
最後まで懸命に攻め、自身からチャンスを作ろうとするもポイントは届かず、7位の順位となりました。

「一瞬の判断が、大きな差となりました。とてもいい経験になりました」(兒島)

*女子ケイリン 太田りゆ 11位

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準決勝で遅れをとった太田、世界線での7〜12位決定戦に初進出

6名の選手が同時出走、6周のうち先導車の抜けた残り3周で勝負を争う女子ケイリンに太田りゆが出場。
1回戦で遅れを取り敗退しますが、敗者復活戦で2位通過、準々決勝へと駒を進めます。
準々決勝では、後方からチャンスを狙った太田が、最終回にて加速、3位でのフィニッシュで準決勝に。
しかし準決勝では加速が足りずに決勝進出の3位に届きませんでした。
7〜12位決定戦に出場した太田は、最終段階でイン側へと追いやられ、前を塞がれたままフィニッシュ。
このヒートを5位となり、結果11位となりました。
これは太田の、世界選手権ケイリンでの自己最上位となります。

*男子マディソン 窪木一茂・今村駿介 12位

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想像以上に速いレース展開、それに翻弄され沈んだ窪木・今村ペア

選手2人がペアを組んで交代しながら、ポイントレースと同じルールで走るマディソン。
このパリ2024オリンピック種目に昨今、世界レースでの結果を残せている窪木一茂・今村駿介が参加しました。
レースは序盤から全体的に速い速度、今大会でメダルを取っている2人ですが、その速度にじわじわ後退していきます。
挽回を狙いチャンスを狙うも、交代済みの遅い選手たちを避けながら走るので、なかなか前に上がれません。
周回を重ねるごとに、その遅れと速度の差は広がっていき、2人はラップされないように走るので精一杯に。
前半に周回ポイントは取れた日本ですが、レースは終盤にむけさらに速度が上り、
日本の2人は上がっていくチャンスを掴めず、12位という結果でレースを終了しました。

「また練習の積み直しです」と語る2人。再び身を引き締めて、パリ2024に向けて再出発の気持ちを固めました。

*男子エリミネーション 橋本英也 13位

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一瞬のミスでエリミネート、不完全燃焼で悔しい橋本

2周回に1回、最後尾の選手がエリミネート(除外)されるエリミネーション。
今年のネイションズカップで勝利を収めている橋本英也が出場します。
気力もみなぎっている橋本。積極的な位置どりを心がけ、時に先頭に立ちながら展開していきます。
でしたがレース中盤、いい位置を狙う中でイン側の休める位置にいた橋本が、エリミネート周回で出遅れてしまいます。
内側から必死に上げていきましたが、前を塞がれエリミネート。
「その周回以外は、とてもいい感じで進められていました」と振り返る橋本。残念な結果となりました。

*女子スプリント 太田りゆ 予選200mFTT17位、1回戦敗退 総合17位

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全力で挑むも日本選手にフィニッシュで遅れを取り、上位通過ならず

予選は200mのフライングタイムトライアル、決勝が1対1の対戦で勝ち上がっていくスプリント。
この種目での上位を目指した太田りゆ。予選ではあまりタイムが伸ばせず順位は17位。決勝の32名に進みます。
1回戦で対戦したのは、同じ日本チームの佐藤水菜選手。これは一回勝負で勝ち上がりが決まります。
全3周のレース、太田の先行で始まった2人の対戦は、太田が最後まで前を譲らない形で進みます。
残り半周で仕掛けてきた佐藤選手に先を譲らず太田は先行して最終コーナーへ。
しかしここで外から佐藤選手が加速して先行フィニッシュ。ここで太田のスプリント挑戦は終わり、総合17位となりました。

*男子個人パシュート 窪木一茂 予選15位、松田祥位 予選22位

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(松田)

窪木と松田がそれぞれ挑むも、上位4名の決勝には届かず

4kmを1人で走る個人パシュート。アジアチャンピオンの窪木一茂と日本記録を持つ松田祥位が走ります。
ともに自身の力を出し切る形で進めましたが、上位タイム4名が進む上位決定戦には届きませんでした。

「最初から突っ込んでしまい、ペースが乱れました。ベストに近いタイムは出ましたが、自分のペースではありませんでした」(窪木)
「思ったより呼吸が整いませんでした。今の自分の実力通りの走りかと思います」(松田)


1週間以上にわたり開催された、2023年の世界選手権トラック。
チームブリヂストンはこの大会で、パリ2024オリンピック出場に向けて、大きく前進しました。

世界トップレベルの大会で、オリンピック種目でのメダル獲得に加え、世界に引けを取らない戦いを見せられました。
これは、選手たちの走りを信じていただいている皆さまの応援が成し遂げたものだと、チームは胸を張ります。
この世界選手権での結果を糧に、来年のパリ2024オリンピックへの出場に向かい、チームはさらに加速します。

これからもチームブリヂストンは、チームで挑戦し、チームで応援し、そしてチームが架け橋となります。
チームブリヂストンサイクリングへの応援を、これからもよろしくお願いいたします。

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