【UCIチャンピオンズリーグ Rd1】橋本がスクラッチ優勝、エリミ5位で総合首位に
【UCIトラックチャンピオンズリーグ・ラウンド1】橋本がスクラッチ優勝、エリミ5位で総合首位に
2023年10月21日にスペイン・マヨルカで行われたUCIトラックチャンピオンズリーグ2023のラウンド1にて、橋本英也がスクラッチに勝利、エリミネーションで5位を獲得。エンデュランスでのポイント首位となりました。詳細をお伝えします。
名称:2023 UCIトラックチャンピオンズリーグ・ラウンド1 マヨルカ
開催日:2023年10月21日(土)
開催地:スペイン・マヨルカ
参加選手:橋本英也
レース詳細:https://www.ucitrackchampionsleague.com/
UCI トラック チャンピオンズリーグについて
UCIトラックチャンピオンズリーグは、2021年から始まった世界的なトラックレースです。ヨーロッパ全土で11月から12月にかけて開催され、4つの場所、5つのラウンドで構成されています。
ラウンド1:2023年10月21日(土)=スペイン/マヨルカ
ラウンド2:2023年10月28日(土)=ドイツ/ベルリン
ラウンド3:2023年11月4日(土)=フランス/サン・カンタン・アン・イブリーヌ
ラウンド4:2023年11月10日(金)=イギリス/ロンドン
ラウンド5:2023年11月11日(土)=イギリス/ロンドン
行われるレースは中距離種目と短距離種目との2カテゴリーに分かれ、それぞれ2種目が開催されます。中距離がエリミネーションとスクラッチ、短距離がケイリンとスプリントです。それぞれの順位ごとにポイントが与えられ、その合計ポイント数で総合順位を競います。これらは全て1日で行われます。
出場するのは招待選手のみ。中距離と短距離のカテゴリーそれぞれに18名の選手、男女36選手がレースを走ります。この合計72名の招待選手に橋本が選ばれました。
そしてこのチャンピオンズリーグは、かなりショーアップされたもの。きらめく光とアップテンポな音楽がベロドロームの中をうめ、観戦を大きく意識したものとなっています。そのルールも通常の競技とは少し違います。
スクラッチ:優勝
序盤から逃げを決め、ラップをとってのスプリント勝利
最初に行われたのはスクラッチ。全員が同時にスタートしてフィニッシュ順に順位がつくルールであるのは通常と同じです。たた異なるのはその距離。通常のUCIルールでは距離15km以上と指定されていますが、このチャンピオンズリーグでは距離5kmと短かなもの。全20周で争います。
橋本はスタートから先頭付近で展開。数周後に2名の選手と逃げを決め、後方集団に大きく差をつけます。その後に2名の選手が先頭に合流し、中盤の10周目時点で橋本を含む5名の選手が逃げを決定づけました。
その5名は速度を上げ、終盤に差し掛かる前に5名は集団をラップ(周回追抜き)します。一つの集団となりましたが、フィニッシュでの勝者はこの中の5名からのみです。
そして集団はそのままフィニッシュへ。その集団の中で橋本は最後にしっかりと前に踏切りフィニッシュ。その瞬間は誰が勝利したのか選手たちもわからない様子でしたが、ラップした5名の中で先行したのは橋本でした。優勝をその手にした橋本、勝利のトレードマーク投げキッスで観客の祝福に応じました。
「初めは全体の流れを見て走っていましたが、その中で雰囲気を感じて仕掛けました。積極的に動けていたのが良かったです。最後は強い選手たちが見合っていた中で、いい具合に抜けられました」(橋本)。
エリミネーション:5位
疲れを恐れず脚を使い、巧みに最後5名まで残る
その後に行われたエリミネーション。2周に1回最後尾の選手がエリミネート(除外)されるルールは通常のルールと同じ。ネイションズカップでも勝利している橋本得意の種目で、観客にもわかりやすく盛り上がる競技です。
「一桁の順位を取りたいと思っていたので、脚を使ってでも、前のいい位置にいるようにしていました」(橋本)
その言葉通りに橋本は、積極的に脚を使って巧みに位置取りをします。その中で多く見られたのは、一旦後方に下がり、そこから加速しながら大きく外側から前に上がる動きです。
脚の疲労を恐れず何度も加速する橋本のこのスタミナ、先日のツール・ド・九州でのクリテリウムで先頭を引き続けられたのも納得がいきます。
残り5名にまで橋本は残り、その5名が加速していくときに内側へと追いやられてしまった橋本。身動きが取れずに最後尾へと送り出されてここでエリミネートされました。結果は5位。
総合ポイント首位に「第1ラウンドでリーダーになるなんて」
スクラッチでの優勝とエリミネーションでの5位により、橋本は獲得ポイント合計でエンデュランス・ポイントリーダーとなりました。選ばれし世界強豪選手の中で、ラウンド1での堂々たる首位の獲得です。
「最初のラウンドでリーダージャージを着られることに驚いています。スクラッチは積極的に攻め、エリミネーションは安定した走りを心がけました」と橋本は、リーダーとしてのTVインタビューに、英語で滑らかに答えます。
ショーレースを愛する橋本、そのさらなる世界への飛躍を、彼が得意で愛する大舞台で魅せることができました。次のラウンド2は10月28日、ドイツ・ベルリンです。現在のポイント首位、橋本の活躍にぜひご期待ください。
*リザルト 2023 UCIトラックチャンピオンズリーグ ラウンド1 マヨルカ
1 橋本英也(日本/TEAM BRIDGESTONE Cycling)31pts
2 Dylan BIBIC(カナダ)25pts
3 Tuur DENS(ベルギー)24pts
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