全国高体連のトラック競技合宿で、チームブリヂストン選手が指導
全国高体連のトラック競技合宿で、チームブリヂストン選手が指導
2023年12月21日から22日にかけて、全国高体連主催のトラック競技合宿が開催され、チームブリヂストンサイクリングの選手たちが高校生選手たちへの指導を行いました。
この合宿には、インターハイや国体で上位に入賞した高校1~2年生の男子30人、女子15人が参加しました。合宿は21日から24日までの4日間の日程で、前半2日間はチームブリヂストン選手が指導を担当しました。
会場となったのは、静岡県伊豆市にある日本競輪選手養成所内の『JKA250バンク』です。
周長250mのバンクは、UCIトラック競技での基準バンクであるにもかかわらず、日本では数少なく、高校生選手たちには走行経験もあまりありません。
ですからこの250mバンクの角度や走行感に慣れること、そして全国の選手同士で情報の交換や共有を行ってもらうことが、この合宿の大きな目的となりました。
初日は250mバンクに慣れてもらうための周回走行
トレーニング初日の21日の指導は、河野翔輝、山本哲央、兒島直樹、松田祥位が担当。まずは250mバンクそのものに慣れてもらうべく、選手たちを4組に分けて、バンクの周回走行をしてもらいました。
バンクの下側、中盤、そして上方と3つのラインに分け、それぞれ7分間を走り続けてもらいます。
250mのバンクは、他にある周長333m、400mのバンクと比べてコーナー部の角度がキツく、タイヤグリップの感覚や走るラインなどが異なります。
初日であるこの日は、250mバンクの走りの感覚を、体に染み込ませてもらうことが主な目的です。
バンクの下、中、そして上と7分間ごと、合計21分という走行セッションを、3回繰り返します。その走行後ごとにチームブリヂストン選手たちは、高校生選手たちに、走行のアドバイスを行っていきました。
初回のセッションでは、恐る恐る走っていた高校生選手たちも多く見受けられましたが、3回目のセッションともなると速度も見違えるように上がり、最後の2周回ほどでは、その走りはまるで実際にスプリント勝負しているかのような速さになっていきました。
「400mバンクは走ったことありますが、250mは初めてです」という高校生選手たち。
「250mバンクは、コーナーでのGのかかり方が強く、こんな体験は初めてでした」という感想が多く、これまで走ってきたバンクとは、全く違う、という新たな体験に、初日から興奮していたようです。
チームブリヂストン選手たちから教わったことを聞くと、
「走るべきラインを教えてもらいました。特にコーナーではブルーバンドの下を、ストレートではブルーバンドの上を走っていくと、真っ直ぐに走っていけるのを教えてもらいました」
「250mバンクの高さを使って、一番効率的に加速できるポイントを教えてもらいました」
というもの。具体的なラインどりや走行のコツまでも積極的に吸収していました。
2日目は新山がスタート指導、チームパシュートの走行も披露
2日目の指導、22日は新山響平による短距離種目1kmタイムトライアルでのスタートの練習の指導から始まりました。もちろんこれは、1kmTTだけでなく、中距離種目である個人パシュートやチームパシュートのスタートにも大きく役立つ技術です。
「たとえば1kmという距離でタイムを刻むのは難しいですが、スタートでタイムロスを最小限に抑えれば、大幅なタイムの節約になります」(新山)
ここで新山が皆に共通して伝えていたことは
・踏み込む前脚を棒のようにして、ペダルに体重を落としていく
・前足の踵を落とさないことを意識する
・重心を上下にではなく前後にスライドさせる感覚
といったもの。高校生選手にその印象を聞くと「1回目に踏み込む力強さよりも、2回目の踏み込みをロスなくしっかりすることが大事、と聞いて、目からウロコでした」とのこと。
また、前日に指導した河野、山本、兒島、松田の4選手はこの日、チームパシュートの実際の走行を披露しました。ウォームアップ、実際のレーススピードに近づける走行など、3回にわたって参加者たちにその走りを見てもらいました。
チームブリヂストン選手たちのチームパシュートの走りを見た高校生選手たちは、そこから鋭く走りのコツを捉えていったようです。
「選手たちのチームパシュートのラインどりの滑らかさに驚きました」
「選手交代の、サッと上に上がって後ろにつく、その一連の動作がかっこよかったです」
「チームパシュートの走りを見て、バンクとコーナーでの加速するべきポイント、ラインがはっきりとわかりました」
途中、練習中だった窪木一茂も会場に顔を出し、高校生選手たちに激励の言葉をかけていきました。
2日目の指導の最後には、チームブリヂストン選手からチームグッズのお土産を渡しました。
「今回、高校生たちに講習しましたが、高校は3年間しかありませんし、合宿の数日間で強くなることは多分ありません。
ここで吸収したことを持ち帰って、自分で分解して、また組み立て直して、実践してもらうこと。これが合宿の本当の意味だと思いますし、今後につながることだと思います」(新山)
この2日間にわたるチームブリヂストン選手の指導が刺激となって、これから新たな強豪選手が育っていくのをチーム一同楽しみにしています。みなさん、これからもがんばってください!
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