【2024ネイションズカップ第1戦/選手コメント・リザルトまとめ】男子チームスプリント長迫が銀メダル! 男子チームパシュート日本新記録達成!

【2024ネイションズカップ第1戦/選手コメント・リザルトまとめ】男子チームスプリント長迫が銀メダル! 男子チームパシュート日本新記録達成!

名称:UCI トラックネーションズカップ第1戦 アデレード
開催日:2024年2月2日(金)〜4日(日)
開催地:オーストラリア・アデレード
参加選手:窪木一茂、橋本英也、太田りゆ、今村駿介、兒島直樹、松田祥位、長迫吉拓
(写真提供:日本自転車競技連盟  ※写真転用禁止)


(左から:今村、長迫、窪木、太田、橋本、松田、兒島、早川メカ)

2024年初の国際レースとなるUCIトラックネイションズカップ第1戦がオーストラリア・アデレードで行われました。これはパリ2024オリンピックの出場枠獲得に大きく関わる重要な大会。ここにチームブリヂストンサイクリングから7名の選手が出場しました。


(男子チームスプリント表彰式、左から:小原悠太選手、長迫、太田海也選手)

この大会での主要な結果は、次のとおりです。

・男子チームスプリント:長迫吉拓が1走を努め、2位銀メダルを獲得
・男子チームパシュート:松田祥位、窪木一茂、橋本英也、兒島直樹(走行順)の4選手が3分50秒381の日本新記録のタイムで5位を獲得


(男子チームパシュート、左から:窪木、橋本、兒島、松田)

出場選手それぞれのコメントと、出場種目のリザルトをまとめました。


*長迫吉拓

・男子チームスプリント 2位


(男子チームスプリント、左:長迫)

決勝での走りはタイム的にも良く、2位にもなれました。ですが、自分の中ではその前の1回戦での走りが大きく印象に残っています。

予選を2着となる43秒1のタイムで上がって、僕たちは1回戦を3組目でスタートしました。ですが、1組目に走った中国が、42秒8というタイムでした。このタイムは中国のベストだったので、すごく気合を入れたんだなというのはわかっていました。

このタイムを超えないと、決定戦には行けない。これを超えるには、自己ベストに近いベストに近いタイムを出さなくてはいけない。この大きな緊張感の中で、一気に気合が入ったと感じています。結果自分の中でも最高のスタートが切れて、うまく回っていって、という感じでした。

決勝では僕はギアを1つ落として、どこまでタイムが出るのかを試してみました。その結果、去年の世界戦で出した自分の自己ベストタイムに近いタイムになりました。

タイム的には、予選、1回戦、決勝と徐々にタイムが上がっていったので、良かったなと感じています。ただチームスプリントは、3人が1本の走りの中で個々のベストタイムを出すのは難しいとも感じました。

その走りも、この後のアジア選手権と香港のネーションズカップ、最高本数で合計6本しか残されていません。この大切な6本に向け、しっかり準備していきます。

窪木一茂

・男子チームパシュート 5位(日本新記録)
・男子オムニアム 5位
・男子マディソン 5位


(窪木)

チームパシュートでは、他のメンバーに迷惑をかけないように走る。いつも心がけていることです。自分の仕事はきっちりこなしてるとは思いますが、それでもミスをしてしまうこともあるので、これに気をつけて走っています。

今回は、今までより長めに先頭を引きましたが、自分でもしっかりこなせたと思いますし、パワーデータを見ても今までで一番良かったので満足しています。今回走ったチームでメダルも狙える結果を出せたことにも満足しています。

オムニアムでは、パリ2024大会への種目別選考がかかっていましたが、エリミネーションで転んでしまい、復帰できたはずが不本意な結果になってしまいました。でしたが、最後のポイントレースでは暴れられたと思いますので、他の国へは脅威に感じたかなと思います。

ただ全体のパフォーマンスには満足していますし、第1種目のスクラッチも3位で走れたので、スピード負けはしていませんでした。自分なりの最大限のコンディションで臨めたつもりです。その結果メダルまであと少しでしたが、大きな自信になりました。

マディソンは、兒島選手と組むのは初めてでした。交代のミスなどはありましたし、上位3チームに比べると足りない部分はあったものの、スピードにもちゃんと対応できていますし、自分の得意なスプリントでは他の選手には負けないという自信も持てました。

兒島直樹

・男子チームパシュート 5位(日本新記録)
・男子マディソン 5位


(兒島)

公式練習の時からちょっと不調を感じていました。本番の時も周回数を少し短めにしてもらい、その中で自分ができることを最大限にできたのが、この結果に結びついていると思います。

チーム種目なので、誰かが調子悪い時は、互いに助け合えます。今回のチームパシュートでは、このチーム種目ならではのすばらしさとチームとしての良さを感じられました。

マディソンは、窪木選手とのペアは国際大会では初めてだったので、ワクワクした気持ちで臨みました。結果的に5位、狙っていたメダルには届かなかったので満足はしていません。でも走る前から窪木選手と、こういう走りをしたいねという作戦を練って、それを実現できたのが良かったです。

ただそれを実現するまでの位置どりにまだ課題がある印象です。体力を温存する中でも、後ろの方に追いやられてしまった部分もあって、もっと前で脚を休めさせる技術を身に付けないと、と感じました。

チームパシュートでもマディソンでも、改善できる課題を見つけられたので、それを1つずつ改善していきます。全体的な印象としては、2024年の良いスタートが切れたと思っています。

橋本英也

・男子チームパシュート 5位(日本新記録)
・男子マディソン 6位


(橋本)

チームパシュートは、タイムをすごくきれいにまとめられました。チームのみんながそれぞれの仕事をこなし、チームメイトに助けられて日本記録を更新できたのが嬉しいです。

いつもより後ろをついているときに休める感じがして、千切れることもなくうまく走れました。ペースは速く感じましたが、それでもしっかり走れました。

僕がやりたいのは、まず出場枠を取ることです。今回のチームパシュートは、メダル決定戦まであと0.4秒。このチームならメダルが獲れるのではと強く感じさせてくれるレースでした。

マディソンは後半バテてしまいました。今村が良い動きをしてくれたのですが、自分は前半を動きすぎて無理してしまい、後半の重要な局面で踏むことができなかってしまいました。最後でしっかり踏んでさらにラップを取れていればメダルにも届いていたかと思うので、そこが悔しいです。後半にかけてエネルギーを調整しないといけないなと感じました。

ただ、世界と同じレベルで走れていて、シングルリザルトも出ています。これから時間はあまりないのですが、高い強度で踏める力をもっとつけていければ、もう少し伸びるのではと思っています。

松田祥位

・男子チームパシュート 5位(日本新記録)


(左から:兒島、橋本、窪木、松田)

パンクが重く感じたので、最初はゆっくりで良いという事だったんですが、この通りにしながらも少し速いぐらいで走りました。落ち着いて練習してきたことを、レースモードとして集中して実行できました。5位となった1回戦では、2度目に後につくと、速いペースだなと感じるぐらいでした。

ずっと加速して上げていくより、最初に(一走の自分が)一気にスピードを上げて、それをキープしていくのが後の選手にも楽なので、最近はそうやって走っています。今回は、自分の中では練習通りにやり切れたと感じています。

このままの調子を上げていきたいです。3分40秒台のタイムを、早く見たいです。

今村駿介

・男子マディソン 6位
・男子オムニアム 10位


(左から:今村、橋本)

オムニアムは4種目とも消極的だったかなと感じます。本気で勝ちに行こうと思った結果、自分の体力とレース展開を考えた中で、もう少し脚を貯めたいなどという考えが出てしまって、結果第1種目で出鼻をくじかれた感じでした。

(パリ2024大会に向けて)選考される大会というのもあって、そこも意識してしまいました。準備してきたからこそ、余計に落とせない。第1種目はとても大事なのですが、鎖骨を骨折してから初めての大きな国際大会だったので、「密集しているな」などと意識しまって、結果的に内側に閉じ込められて脚も使えませんでした。

自分では「覚悟だ」とか言っていたんですが、メダルを獲るという意識と体が合致していなかったのかもしれません。オムニアムに次のチャンスがあれば、自分の思ったように積極的に、終わって後悔がないように走れればと思っています。ただ今回は、余計にいろんなことを考えてしまって…。苦しかったです。

マディソンはオムニアムで不完全燃焼だったからこそ、力を使って、レースをよく見てメダルを狙いたいと思っていました。結果は、メダル獲得とはなりませんでしたが、うまく走れていたと思います。細かな改善すべき点を修正できれば、もっと勝負に絡めると実感できました。

太田りゆ

・女子ケイリン 18位
・女子スプリント 1/16決勝敗退


(太田)

今回は全体を通して言い訳もなく、全く駄目でした。全体的に自分の感覚としては、力みすぎてしまったのかなと思っています。それらを全て飲み込んで、次に切り替える、それをするしかないと思います。


チームブリヂストンサイクリング選手 出場種目

UCIトラックネイションズカップ第1戦 リザルト

*男子チームスプリント 2024/2/2
1 オーストラリア 42.154
2 日本(長迫吉拓、小原佑太、太田海也)42.750
3 イギリス 42.915

*男子チームパシュート 2024/2/2
1 イギリス 3:48:469
2 オーストラリアA 3:49.876
3 イタリア 3:49.825
5 日本(窪木一茂、橋本英也、兒島直樹、松田祥位)3:50.381(日本新記録)

*男子オムニアム 2024/2/3
1 BIBIC Dylan(カナダ)104pts
2 VIVIANI Elia(イタリア)104pts
3 de VYLDER Lindsay(ベルギー)101pts
5 窪木一茂(日本)95pts
10 今村駿介(日本)80pts

*女子スプリント 2024/2/3
1 HINZE Emma(ドイツ)
2 佐藤水菜(楽天Kドリームス)
3 GROS Mathilde(フランス)
1/16決勝敗退 太田りゆ(日本)

*男子マディソン 2024/2/4
1 ニュージーランド 73pts
2 ドイツ 55pts
3 イギリス 52pts
5 日本(窪木一茂・兒島直樹)37pts
6 チームブリヂストンサイクリング(橋本英也・今村駿介)36pts

*女子ケイリン 2024/2/4
1 佐藤水菜(楽天Kドリームス)
2 MARCHANT Katy(TEAM INSPIRED)
3 GENEST Lauriane(カナダ)
18 太田りゆ(日本)

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