【ロードレース2024シーズン開幕】Jプロツアー2連戦、表彰台は逃すも山本と河野が走りで沸かす
【ロードレース2024シーズン開幕】Jプロツアー2連戦、表彰台は逃すも河野と山本が走りで沸かす
(河野、山下、岡本)
2024シーズンのロードレース開幕2連戦が鹿児島県で行われました。4名選手での参加となったチームブリヂストンサイクリングは、僅差となったレースに表彰台こそ逃しましたが、納得できる走りを披露できました。
(河野)
【鹿屋・肝付ロード】逃げに乗りレース展開を作った河野、最後に粘った山本
レース名称:第2回 JBCF鹿屋・肝付ロードレース
開催日:2024年 2月24日(土)
開催地:鹿児島県肝属郡・鹿児島県立大隅広域公園周辺特設コース
コース長:130km=6.5km x 20周
参加選手:山本哲央、河野翔輝、岡本勝哉、山下虎ノ亮
レース詳細:https://jbcfroad.jp/race/13878
昨年までリーグが2つに分かれていた日本でのロードレース。今シーズンより再びひとつのリーグとしての開催になり、そのため参加選手も増えました。このレースでは100名ほどが参戦しました。
チームブリヂストンの参加選手は、山本哲央、河野翔輝、岡本勝哉、山下虎ノ亮の4名。このレースには1チーム最大8選手まで参戦できるのですが、現在2024アジア選手権トラックに出場しているチームメンバーもいるため、少ない人数での参戦となりました。
人数が少なくチャレンジする立場であるため、この2連戦ではこれまであまりなかった道筋で勝利を経験しようというのがテーマとなりました。
(山本)
それが「フィニッシュスプリントにしない」こと。スプリント力が大きな強みのチームブリヂストンですが、今回宮﨑監督は、積極的に逃げに乗り、その逃げからの勝利を決めようという指示を出しました。どんな状況でも勝利を狙える対応力を試したい、という目論見です。
2連戦の初日はコース長130kmのロードレース。序盤から逃げを決めるべく多くの選手がアタックを仕掛けます。チームブリヂストンからも、早い段階で山本が先頭に出て展開を作り、その後は岡本、山下も逃げに乗るべくチャンスを狙ってアタックを続けます。
(山本)
「自信もあったのですが、前半の途中でトラブルが起きて、ニュートラルバイクに交換しなくてはならず、何周か集団の後方で走ることになり、ここで脚をずいぶん削られてしまいました」(山本)
集団からの逃げはなかなか決まらず、選手たちがチャンスを狙う中、十分に温まった各チームからの有力選手たちによる10名の逃げが決まります。ここにチャンスを狙っていた河野が入ります。
(河野)
「集団が疲弊し始めたあたりに、そろそろ逃げができるだろうと思い気にしていたら、有力選手たちが前で動き始めました。自分がその動きをチェックしに行ったら、逃げが決まりそうな感じだったので、自分もゴーした感じです」(河野)
この10名がレースの終盤近くまで、1分半ほどの差をつけてレースを先行。そのペースは決して速くはなく、後方集団は差をそれ以上に開けることなく、周回をこなしていきます。
(山下)
残り3周までに先頭は8名に減り、河野はここにしっかりと残っています。ですが残り2周で選手2名によるアタックがかかります。河野はここで後ろの集団へを下がります。
「残りは2周、結局集団スプリントになるのであれば、変に前に残って脚を使うのではなく、後ろに戻ってちょっとでも回復して、(山本)哲央や(岡本)勝哉のアシストをしつつ、自分の順位も1つでもあげられればいいと思い、ここは戦略的に踏むのをやめました」(河野)
(河野、岡本、山下)
最終周回を前に、速度を上げた集団は先頭の2名を吸収。1つの集団となった最終周回で山下が先頭付近に出てフィニッシュスプリントでのチームプレーに備え、そこに河野、山本、岡本が合流、協調して前を固めます。
フィニッシュ前、バイクをRP9に乗り換えて復活した山本が、最終局面にてしっかりと足を使って先頭に出て、最後の勝負を仕掛けます。
(山下)
ただこの最後の勝負は決まらず、集団スプリントに。吸収されるも集団前方にいた山本は前を塞がれてしまい大きく外からスプリント。結果山本は6位、河野が9位と続きました。
「各自動いてくれ、良かったのではないかと思います。逃げが決まりにくいコースでしたが、脚も使ってくれました」(宮﨑監督)
(山本)
表彰台は逃す結果になりましたが、チーム員それぞれが自身の力を出し切れたレースとなりました。
*リザルト 2024/2/24 第2回 JBCF鹿屋・肝付ロードレース
1 岡本隼(愛三工業レーシングチーム)2:59:30
2 小野寺玲(ヴィクトワール広島)+0:01
3 宇田川塁 (群馬グリフィンレーシングチーム)+0:01
6 山本哲央 (TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:02
9 河野翔輝 (TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:03
39 岡本勝哉 (TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:38
48 山下虎ノ亮 (TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:52
【志布志クリテリウム】悪コンディションの中、山本が果敢にアタック、最後に渾身で勝利に挑んだ河野は届かず
レース名称:第2回 JBCF 志布志クリテリウム
開催日:2024年 2月25日(日)
開催地:鹿児島県志布志市・志布志しおかぜ公園
コース長:58km=2.9km x 20周
参加選手:山本哲央、河野翔輝、岡本勝哉、山下虎ノ亮
レース詳細:https://jbcfroad.jp/race/13879
2連戦の2日目はクリテリウム。180度コーナーや、幅が狭くなるところがいくつかあるなど、難しいコースレイアウトです。さらにこの日は雨が降る悪コンディション。走行自体に気を使うような路面コンディションに、ペースも上がりにくくなりました。
(山下)
逃げようとする選手たち、そのタイミングはいくつか現れましたが、スピードは上がらずコーナーで大きく減速するため集団はほぼひとつに。集団の中で確かな位置を確保しながらチャンスを狙うという展開に。
その中でも山本は何度も先頭に出て、逃げのチャンスを伺います。技巧派・山本ならではのコーナリングの巧みさや上手な位置どりで、レースを通して先頭付近に位置し、繰り返しアタックをかけましたが、この日の集団は逃げを容認する雰囲気はありません。
(岡本、山本)
「とにかく逃げを作ろうと思い、自分の力でガンガンいっていたんですが、決まりきらず。今日はとにかく前々で勝負して、最後まで持たなくてもしょうがない、と思えるぐらい割りきって走りました。ただ結果、最後まで脚は持ったので、まだもっと追い込めたということですね」(山本)
そんなウズウズとした雰囲気のまま、スピードも上がりきらず最終周回へ。これはもう集団スプリントか、と周囲が脚を緩めた180度コーナー、最もスピードが落ちるところで、河野が、渾身のアタックを決めて集団から抜け出します。残り2km! 果たして!
(河野)
「ずっと抜け出すチャンスを狙っていました。ラスト1周で抜け出せるタイミングがあり、『もう行ってやろう!』と思いました。スプリントをしても良かったのかもしれませんが、それだとここまで遠征に来た理由も薄まるので、たまにはこういう沸かせるレースもいいんじゃないかと思いました」(河野)
フィニッシュを目指して全力を尽くした河野でしたが、残念ながら後方からきた寺田吉騎選手(シマノレーシングチーム)に追いつかれ、フィニッシュを目前に先に出られてしまいます。
速度を上げた集団でしたが、寺田選手は先行フィニッシュ。集団の中に埋もれてしまったチームブリヂストン選手たちは、それぞれの順位に甘んじました。
(岡本)
でしたが宮﨑監督が感じた印象は、悪くはないものでした。
「逃げはなかなか決まらない中で、諦めずに最後まで挑み続けてもらい、最後1周のタイミングで河野が抜け出しました。それがすごく良かったですね。あの動きを怯まずにやっていくチームにしていきたいです。結果は出ませんでしたが、スプリントにしないという今回のテーマはしっかり行えたという印象です」(宮﨑)
(河野、山本)
少ないメンバー数で挑み、結果こそ出なかったものの、確かに走れたチームブリヂストン選手たち。次週のレースは拠点から程近い静岡県富士市でのクリテリウム2連戦、8名のフルメンバーで出場となります。
2024シーズンは、トラックレースでパリ2024オリンピック出場を目指し、ロードレースでは日本の頂点を目指すチームブリヂストンサイクリング。今年はチームにとって、とても意味合いのある年となります。
皆様の熱く力強いご声援で、チームブリヂストン選手たちの頂点への挑戦を、ぜひ後押しください。
*リザルト 2024/2/25 第2回JBCF鹿屋・肝付ロードレース
1 寺田吉騎(シマノレーシングチーム)1:18:13
2 孫崎大樹(KINAN Racing Team)+0:01
3 松本一成(Team Cyclers SNEL)+0:02
11 山本哲央 (TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:04
40 岡本勝哉 (TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:11
52 山下虎ノ亮 (TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:19
68 河野翔輝 (TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:37
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