【2024Jプロツアー栃木2連戦】初日・雨と冷気の熾烈なロードレースで山本9位、2日目・クリテリウムは最後決めきれず岡本9位
【2024Jプロツアー栃木2連戦】初日・雨と冷気の熾烈なロードレースで山本9位、2日目・クリテリウムは最後決めきれず岡本9位
(山本)
ロードレースシリーズのJプロツアー、栃木県宇都宮市周辺での2連戦が行われました。チームブリヂストンサイクリングの選手たちは力の限り健闘しましたが、思うような結果は得られませんでした。
低い気温と濡れた路面に落車続発、常に前方で好機を狙い続けた山本が9位と健闘
(山本)
レース名称:2024真岡芳賀ロードレース
開催日:2024年 3月23日(土)
開催地:栃木県真岡市・井頭公園東側特設コース
コース長:100.8km=7.2km x 14周
参加選手:山本哲央、河野翔輝、岡本勝哉、山下虎ノ亮
レース詳細:https://jbcfroad.jp/race/13922
スポーツ自転車へ注ぐ熱量が高いとされる地域、栃木県宇都宮市周辺。観客数も多いこの2連戦の初日は100kmほどのロードレースでした。ネイションズカップで熱戦を果たしたチームブリヂストン選手たちはここを休養にあて、日本で備えていた山本哲央、河野翔輝、岡本勝哉、山下虎ノ亮の4選手が参戦しました。
(山本、河野、山下、岡本)
この平坦基調のコースはスピード勝負になると目されましたが、スタート時の天候は雨。春を前にしたこの季節、低い気温でのレースとなっただけでなく、路面も滑りやすくなりました。コーナーが多いコースレイアウトであったことも重なり、レース序盤から多くの落車が頻出しました。
その序盤の落車に巻き込まれたのが河野でした。
(山本)
「前で踏んだ方が有利だと考えたので、下がりすぎず、脚を使わないように走っていました。集団のスピードが上がり、上着を脱いでそろそろ動こうかなというタイミング、ゆるい右コーナーの内側で落車が起きて集団が全体で倒れ、一番左端にいた僕は外に押し出されてしまいました」(河野)
道路外に一回転するように転げ落ちた河野でしたが、幸運にも怪我はありませんでした。その後走り出しましたが、大事をとってレースを降ります。
(岡本)
さらに岡本も冷えていく気温の中、序盤にリタイアします。
「温まろうともがいていたんですが、力が入らないままでした。このまま走って低体温症になるのも危険なので、降りることにしました」(岡本)
ここのところ体を絞って体脂肪も少なくなっていた岡本、冷えの中で無理をするよりもプロレーサーとしてある意味賢明な選択です。
難しいコンディションの中で、中盤から2名の選手が抜け出しますが、集団はそれを容認。全14周回の残り3周回になるまで2名は逃げ続け、安全ながらも一定の速度をキープする集団は、後方を少しずつ振り落とします。
(山下)
終盤を前に、集団は前2名を吸収。チームから残っているのは山本と山下の2人。山本は常に集団の前方に位置し、脚を使いながらも落車の危険を避けつつ走ります。一方で後半に調子が上がるスタミナ型の山下は、集団に疲労が見えてきた頃から前方に、山本の近くにサポートするよう位置します。
残り2周、集団から4名の選手が抜け出し、力を使いながら前に。集団はこれを危険だと認識しつつも速度を上げられず、なかば諦めるように形で見送ります。集団の意思に山本と山下も逆らえず、その中での好順位を狙う形に切り替えます。
(山本)
最終500mほど、4名の逃げは確実に。山本は集団内での頭を狙い前方へ。フィニッシュに向かう混沌の中、集団後方で落車が起き、山下はこれに巻き込まれ路面に強く体を打ってリタイアを余儀なくされます。一方の山本はスプリントに挑むもタイミングが合わず、全体9位に甘んじました。
「オフ明けだったので体の状態もそんなに良くありませんでした。ただその状態なりに、最後は結果に絡みたいと思って走りました。最後のスプリントに絡もうとしたんですが、脚が売り切れてしまっていて、なだれ込むような形でのフィニッシュでした」(山本)。
(山本)
様々な要因があったとはいえ、思う走りを、そして結果を得られなかったチームブリヂストン選手。特に山下は、調子が上がっていただけに終盤での怪我が残念です。これもレースであると感じながら、次の日のクリテリウムへ闘志を燃やします。
*リザルト 2024/3/23 2024真岡芳賀ロードレース
1 トリビオ ホセ ビセンテ(マトリックスパワータグ)2:20:45
2 石原悠希(シマノレーシングチーム)+0:00
3 渡邉 和貴(アブニールサイクリング山梨)+0:02
9 山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)+0:08
-- 山下虎ノ亮(チームブリヂストンサイクリング)DNF
-- 岡本勝哉(チームブリヂストンサイクリング)DNF
-- 河野翔輝(チームブリヂストンサイクリング)DNF
最終段階まで巧みに立ち回ったチーム3名、岡本のスプリントに賭けるも勝利には届かず
(岡本)
レース名称:2024宇都宮清原クリテリウム
開催日:2024年 3月24日(日)
開催地:栃木県宇都宮市・清原工業団地周辺コース
コース長:63km=3.0km x 21周
参加選手:山本哲央、河野翔輝、岡本勝哉、山下虎ノ亮
レース詳細:https://jbcfroad.jp/race/13921
雨も止み、路面も乾いて気温も平年並みとなった2戦目クリテリウム。前日の雪辱を果たしたいところですが、山下は前日の転倒が響き、スタート後に痛みも強くなってきたため序盤にリタイア。3名の選手で戦うこととなりました。
(山下)
平坦基調のコース、レースは速度の高い展開に。レースの序盤から中盤にかけ、いく名かの選手が逃げを試みますが、これは全て吸収されてしまいます。その代わりに集団の全体ペースは上がっていき、後方に位置する選手たちは、少しずつ数を減らしていきます。
(岡本、河野、山本)
その高まる集団の中で、チームブリヂストン3選手の河野、山本、岡本はレースが終盤に近づくにつれ、集団前方へと移動し3名で固まります。河野が主に風除けとなって後ろにつく山本、岡本を気遣いなら展開を進めます。
(山本、岡本、河野)
最終周回2周となり、前方はライバル2チームが固まって速度を上げていきます。人数に劣るチームブリヂストン選手は、この2チームの後方に追いやられ、それでも前に出るチャンスを伺います。
(岡本、河野)
最終周回のラスト2コーナー、ここでチームブリヂストンは前に出るため大きく横に膨らみ勝負を仕掛けますが、これはさらに速度を上げた前方チームに阻まれて出られず。
(山本、岡本)
最終コーナーを抜けフィニッシュスプリントに向けた位置どり争いで後方に追いやられたチーム3選手、そこで山本が岡本を引き連れ左側に膨らみ勝負へ。しかし直線コースから外れ距離を大幅に増やした岡本は、全力でフィニッシュへ挑みましたが届かず。9位となりました。
最終段階までは作戦通りに進めていたチームブリヂストンの走りでしたが、最後の最後でイメージ通りに進められず、悔しいレースとなりました。選手たちはレース後、異口同音に「連携不足でした、勉強させられるレースでした」とのコメントを残しました。
(岡本、山下、山本、河野)
表彰式では、チーム上位3選手の合計成績がトップであったことから「ベストチーム賞」を表されました。悔しいながらも表彰台に立てたことは、次のレースへの励みになります。
心新たに勝利へ向かうチームブリヂストン選手の走りを、これからも皆様の大きく熱い声援で後押しいただけますよう、よろしくお願いいたします。
*リザルト 2024/3/24 2024宇都宮清原クリテリウム
1 岡本隼(愛三工業レーシングチーム)1:24:59
2 石原悠希(シマノレーシングチーム)+0:00
3 孫崎大樹(KINAN Racing Team)+0:00
9 岡本勝哉(チームブリヂストンサイクリング)+0:00
10 山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)+0:00
12 河野翔輝(チームブリヂストンサイクリング)+0:01
-- 山下虎ノ亮(チームブリヂストンサイクリング)DNF
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