【西日本ロードクラシック】Day1 決定的な逃げに乗った兒島が勝利/Day2は松田が勝利、2位橋本に3位今村でチームが表彰台を独占

【西日本ロードクラシック】Day1 決定的な逃げに乗った兒島が勝利/Day2は松田が勝利、2位橋本に3位今村でチームが表彰台を独占



(Day2 橋本、松田、今村)


4月27日〜28日の2日間で行われた、第58回西日本ロードクラシック/第5回播磨中央公園ロードレース。

Day1は兒島直樹が先行からのスプリント勝利。そしてDay2は松田祥位が勝利、2位には橋本英也が、3位に今村駿介が入り、チームブリヂストン選手による表彰台の独占です。


(Day1 兒島)

チームブリヂストンはこの2日間のロードレースで最高とも言える結果を残せました。詳細を選手たちの声を中心にお伝えします。

一時は最後尾になるも諦めなかった兒島「最後は声援が聞こえて、耐えきれました!」


(兒島)

レース名称:第58回西日本ロードクラシック/第5回播磨中央公園ロードレースDAY1
開催日:2024年4月27日(土)
開催地:兵庫県加東市・兵庫県立播磨中央公園 園内特設コース
コース長:49km=7km × 7周
参加選手:窪木一茂、橋本英也、今村駿介、山本哲央、兒島直樹、松田祥位、岡本勝哉、山下虎ノ亮
レース詳細:https://jbcfroad.jp/race/13916


(今村)

播磨中央公園内に配置された7kmのコースは、大きく登って下るプロフィールにコーナーが連続する続く難しいもの。ただサイクリングコースであるため慣性の流れは繋がりスピード感に溢れています。

レースとして重要だったのは、道幅も広いところはそんなになかったこと。だんご状の集団にはなりにくくほぼ1本棒状に。集団内での立ち回り技術というより、選手個々の脚の強さが問われました。


(山下、山本)

Day1は全7周回、49kmと短めのレース。前方では激しい主導権争いとなりました。高いスピードで展開し、脚を残すような動きをする選手はどんどん後方へ送られていきます。つねに先頭は入れ替わり、それでもチームブリヂストン選手たちは先頭付近をキープし、様々なアタックを潰していきます。


(先頭;松田)

展開はその脚の削り合いを繰り返し、残り2周を残したところで、いよいよエース級の選手たちが終盤に向けてアタック。ここで7名ほどの逃げが決まり、登りでさらに速度が上がったところで先頭に残ったのは3名。そこに兒島がいます。

先頭3名と後方集団との差は30秒ほど。その差はほぼ詰まることなく最終周回へ。3名のペースは緩まない中、フィニッシュ1kmほど前の登りで兒島ともう1名の選手がアタックし先行。

そこからフィニッシュ300m前の登りで兒島がスパートをかけ、勝利のフィニッシュを決めました。

今日のレースを、兒島が振り返ります。

「完走できなかったら、コーチに何を言われるだろう?」


(兒島)

今日は(走りながらの)ローリングスタートで、僕は後方からのスタートになりました。チームがBSが最初からコントロールするのかなと思っていたので、最初の1周は集団の中を上がり、集団を僕が引く形になりました。自分が最初にコントロールするかと思ってコントロールしていましたが、登りでアタックがかかり、僕のペースよりスピードが上がりました。

そのため登りで踏むのを落とすと、集団の一番後ろまで下がってしまいました。これでもうリタイアかなとも思ったのですが、その時にダニエル(中距離コーチ)の顔が浮かび、「このレースを完走できなかったら、何を言われるんだろう?」と考えました。


(橋本、兒島)

だったら「行けるところまで行こう」と思い直し、集団に追いつき直すと脚がまた戻ってきて、先頭まで上がって来れました。そのタイミングの登りでちょどアタックかかり、先頭付近にいた僕はちょうど逃げに入れたので「これは、このまま行くか」と走ります。

逃げはいいメンバーで最初は7人くらい、「これで行けるか」と思って逃げていましたが、途中うまく(先頭交代が)回らなくなりました。


(橋本、山本)

「キツい時の声かけっていうのは、本当にすごく響きます」


(兒島)

そのお見合いのような状態から、金子宗平選手(群馬グリフィンレーシングチーム)と小林海選手(マトリックスパワータグ)が上げたのに、僕が喰らいついていきました。後ろを見たら他の選手たちが離れていたので「2人も強い選手なのでこれはいける」と思い、3人で回し始めたら、逃げが決まりました。

そこからはもう、行けるところまで行く、という感じでした。ただ3人の中では僕がスプリント力では分があると感じていたので、最後の登りを我慢できれば勝機はあると思い、気合を入れてがんばりました。


(兒島)

金子選手が1周回前の登りでキツそうな感じをしていたので、小林選手だけをずっとマークしていました。最後の登りでアタックがかかったタイミングでお、小林選手の後輪だけを見て、ただただ喰らいついていきました。

その最後の登り、本当にフィニッシュ直前の登りで、早川先輩(早川メカニック/兒島の大学での先輩でもある)が「兒島、ここを絶対我慢しろ!」と大声で応援してくれました。


(窪木、岡本)

それが聞こえて「絶対に離れられない」と思って、頑張って追いつけました。応援は、本当に効きます、すごく効きますね。中盤のきつい時の声かけっていうのは、すごく響くものがありますね。

ただ、途中で辞めてしまおうかな、なんていう葛藤が出てきたというのはちょっと恥ずかしいです(笑)。ダニエルの顔が出てきて、最後は早川先輩のおかげなんて。弱いですね、僕なんて本当に(笑)。


(兒島)

*リザルト 2024/4/28 第58回 JBCF 西日本ロードクラシックDay 1

1 兒島直樹(TEAM BRIDGESTONE Cycling)1:13:14
2 小林海(マトリックスパワータグ)+0:00
3 金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)+0:08
5 窪木一茂(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:09
6 岡本勝哉(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:09
16 今村駿介(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:12
22 山本哲央(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:15
33 橋本英也(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:33
44 松田祥位(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+1:18
49 山下虎ノ亮(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+2:05

チーム3名で先行グループ、終盤で決めた松田を橋本・今村がサポートし表彰台全てを勝ち取る

レース名称:第58回西日本ロードクラシック/第5回播磨中央公園ロードレースDAY2
開催日:2024年4月28日(日)
開催地:兵庫県加東市・兵庫県立播磨中央公園 園内特設コース
コース長:140km=7km × 20周
参加選手:窪木一茂、橋本英也、今村駿介、山本哲央、兒島直樹、松田祥位、岡本勝哉、山下虎ノ亮
レース詳細:https://jbcfroad.jp/race/13915


(山下、山本、窪木、岡本)

Day2は、140kmという長丁場。とはいえ選手たちは序盤から高いペースで走ります。先頭付近の選手たちが後方を力づくで引きちぎるような形、3人が飛び出し、さらに2人。この5名に橋本が入ります。

さらに後方から今村が単独で飛び出し合流、さらに松田を含む選手勢が集団を抜けて加わる形に。レース序盤にできた10名の逃げグループにチームブリヂストン選手が3名入っています。


(橋本、今村)

この先行グループは終始レースをリード、後方に一時は3分以上の大きな差をつけます。この10名が先行した17周回のうち2度のスプリント賞が設定されていましたが、これは2回とも橋本が獲得しました。

残り5周の後半登り、先行グループ内で大きなアタックがかかり、この加速で4名の選手が落ちますが、3名のチームブリヂストン選手は全て耐えます。さらにラスト3周でもう1選手が脱落して先頭はチーム員3名を含む5名に。トラックのナショナルチーム員でもある強靭な脚のチーム3名、橋本、今村、松田が、最終局面まで先行します。


(先頭;今村)

橋本と今村がアタックを繰り返し5名を揺さぶりますが、下りを使って松田がアタック。これがうまく決まって残り4名は松田を見送り、これで今村と橋本は4名の先頭を引く必要がなくなりました。


(今村、橋本)

淡々と踏み続ける松田。それを後方から追う他チーム2選手の後ろに、橋本と今村がそれぞれ付きチェック。ラスト半周で松田どの差は少し縮まりましたが、登りを踏み切った松田が下りに入ると差は再び開き、松田は独走で勝利のフィニッシュを目指します。


(松田)

残り300mの登りで今村と橋本がそれぞれアタック。他2選手を振り切って松田に続き、チームブリヂストン3選手は1、2、3フィニッシュで3位までを独占。最後に松田は橋本の手を握り、勝利の喜びを分かち合いました。

優勝:松田祥位「どうにかしてチームが楽になる展開にしたい、そのためのアタックでした」


(松田)

ーーあのアタックは、チームと相談した?

いえ、あのアタックは、完全に独断です。終盤に展開がごたついてしまうのを避けたくて、ここで自分が行くしかないな、という気持ちで行きました。後ろの2人に有利な展開になるように、どうにかしてチームが楽になる展開に持っていって、勝利を寄せたいという気持ちがありました。


(松田)

ーーその後、得意の"1人で走る"状況になったが(→プロフィール参照

確かに淡々と踏めましたけど、そんなにパワーが出てないとは感じていました。自分を絞り切るような気持ちで走っていました。。。。パワーも小出しにして。最後まで持つだろうと信じるペースで、もう小出しで、小出しで。もう踏む力もなかったです(笑)。

ーーロードレースでの勝利は2年ぶり

チームのみんなが着々と力をつけて、前日は兒島選手がすごい勝ち方をしてくれていたので、それに負けないぐらい気持ちよい優勝をしたいなって思っていました。今日は自分がここまで積んできた経験を、うまく活かせたケースだったんじゃないかなと思っています。

2位:橋本英也「このチームにいることを誇りに思えたレースでした」


(橋本、松田)

ーー最初の逃げは力づくで決まった印象

最初から僕が逃げていいということだったので、逃げられるよう動きました。

序盤のいいアタックに乗って逃げられたので、これを勝ち逃げにしたくて、積極的に逃げ切るような動きができました。逃げの中に、強いブリヂストンのメンバー2名、今村と松田がいてくれたので、これも有利に働きました。

逃げ続けるペースが長く、中盤では中弛みして、脚は大丈夫だったんですが、精神的に長いなと思いました。ただラストではしっかり集中力も体力も復活して踏めました。


(橋本)

ーー途中でスプリント賞を2度取った。これも狙っていた?

走っている最中に目の前に出てきたので取りたいなと思って、2回のスプリント賞も積極的に行きました。

ーー最終段階での展開を振り返ると

気が付いたらメンバーが6人になっていて、チームブリヂストンが3人いて圧倒的に有利でした。僕がアタックして今村がアタックして、松田がアタックした時にタイミングよく松田が逃げられました。

その後は、(個人戦であるトラックレースとは異なり)ロードレースだからこそできるチーム戦ができたのが良かったです。1,2,3での表彰台にしたいと思い、それを実現できました。しかも昨日と合わせて優勝を2回。このチームに所属していることをすごく誇りに思えたレースでした。

3位:今村駿介「そこは心を鬼にして、他選手にひたすら脚を使わせました」


(先頭;今村)

ーー序盤からの逃げは、どういう状況だったのか

先行が飛び出してるのを見て、このタイミングかなと思って行きました。自分も逃げるという話だったので、決まらなくても仕方ない、という気持ちで食らいつきました。

各チームから選手が入っていたので、止まらずに回し続けました。タイム差が縮まった時もありましたが、うまく分担してきっちり引き続けたので、タイム差を心配することもなくなりました。


(今村)

ーー最後の松田選手のアタックでは、どういう状況に?

僕も英也さんもアタックを続けて、その後に、タイミングを見てくれた松田のアタックのキレがすごく良かったんで、一気にタイム差が開きました。

ただ松田のタイム差も大きいわけではなかったですし、残る2選手も強い選手たちなので、ブリッジして付いていかれるのも嫌でした。

松田がせっかく行ってくれたのを潰すわけにもいかないと。そこは心を鬼にして、他の選手になるべく脚を使わせようということで、他チーム選手の後ろにひたすらついて走りました。


Jプロツアーでのチームランキングも首位に

今回の2日間にわたるレース結果で、Jプロツアーでのチームランキングも首位となりました。トラックでパリ2024オリンピック出場を目指す中でも、ロードレースでもその存在感を大きく見せられたチームブリヂストンサイクリングです。

これからもチームのレースは続きます。引き続き、チームブリヂストンサイクリング選手たちへの熱い応援を、何とぞよろしくお願いいたします。


(山本、岡本、橋本、松田、今村、山下、窪木、兒島)

*リザルト 2024/4/28 第58回西日本ロードクラシック/第5回播磨中央公園ロードレースDAY2
1 松田祥位(TEAM BRIDGESTONE Cycling)3:34:12
2 橋本英也(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:00
3 今村駿介(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:04
17 山本哲央(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+2:14
24 窪木一茂(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+2:28
27 兒島直樹(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+2:34
-- 山下虎ノ亮(TEAM BRIDGESTONE Cycling)DNF
-- 岡本勝哉(TEAM BRIDGESTONE Cycling)DNF

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