【ジャパントラックカップI & II】チーム員が多くの勝利を獲得

【ジャパントラックカップI & II】チーム員が多くの勝利を獲得


(窪木、橋本、兒島、今村、河野、山本)

トラックの国際大会であるジャパントラックカップI&IIが、5月9〜12日の日程で開催され、チームブリヂストンサイクリング選手が、多くの種目で優勝を果たしました。

下記が優勝した種目、そしてチーム選手です。

ジャパントラックカップI = 5月9〜10日開催
*男子エリミネーション 優勝 窪木一茂
*男子オムニアム 優勝 窪木一茂
*男子マディソン 優勝 窪木一茂/今村駿介ペア

ジャパントラックカップII = 5月11〜12日開催
*男子マディソン 優勝 今村駿介/兒島直樹ペア
*男子エリミネーション 優勝  窪木一茂
*男子ポイントレース 優勝 山本哲央


(今村、山本、窪木)

それぞれのレポートをお届けします。なお、窪木、今村、橋本の3名は、日本ナショナルチームとしての出場。そのためウェアも日本代表のウェアを着用しての出場となりました。

ジャパントラックカップI

5月9~10日開催

【男子エリミネーション】チーム選手が表彰台独占


(兒島、窪木、今村)

スタート直後から速さのある展開となった男子エリミネーション。ペースが上がって集団が伸びていきます。残り5名となっても終始高いスピードの展開で、選手たちにも疲労が見えてきます。残り3名となった時には、チームブリヂストン選手のみが残っている状況になりました。残っているのは窪木、今村駿介、そして兒島直樹です。

この3名で、どの選手もスピードを緩めて牽制に入ることはありませんでした。ここで先手を打ったのが今村、アタックして2人を引き離そうとしますが、ここに窪木が付いていきました。一方で兒島が遅れてしまい、ここでエリミネート。

その加速を続けた今村はフィニッシュへと先行勝利を狙いましたが、後ろについていた窪木が残り半周で一気に加速。その勢いに今村はついていけずに窪木の優勝となりました。


(今村、窪木、兒島)

*男子エリミネーション リザルト
1 窪木一茂(日本ナショナルチーム)
2 今村駿介(日本ナショナルチーム)
3 兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)
6 橋本英也(日本ナショナルチーム)
8 河野翔輝(チームブリヂストンサイクリング)
13 山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)
18 岡本勝哉(チームブリヂストンサイクリング)
20 山下虎ノ亮(チームブリヂストンサイクリング)


【女子スプリント】実力を見せきれなかった太田、4位に甘んじる


(太田)

女子スプリントに参戦した太田りゆ。1/8決勝では対戦相手との間合いを図り、冷静に勝利します。準決勝での1本目もその間合いを図る巧みさで対戦相手を下した太田。しかしその2本目、3本目と相手の動きに対応しきれず、フィニッシュラインで僅差で遅れをとってしまい、決勝では3・4位決定戦に回ることになりました。

3・4位決定戦では、1本目を相手のスピードに最終コーナーで遅れをとり僅差で落とします。気を取り直した次の2本目では、しっかりと相手との距離をとった安定した走りで勝利をものにしましたが、次の3本目ではアタックのタイミングを捉えきれず、先行する相手に届ききれず3本目を落としてしまいます。このレース、太田の結果は4位となりました。


(太田)

*女子スプリント
1 佐藤水菜(チーム楽天Kドリームス)
2 梅川風子(チーム楽天Kドリームス)
3 小原乃亜(日本ナショナルチーム)
4 太田りゆ(日本ナショナルチーム)

【男子オムニアム】確かな強さを見せた窪木が勝利


(兒島、今村)

4種目の合計ポイントを競うオムニアム。第1種目スクラッチの中盤で1人ラップを成功させ、1着ポイントを獲得したのが窪木です。

第2種目テンポレースでは橋本英也が積極的に、そして戦略的に先頭を走り1位でフィニッシュ。

第3種目エリミネーションでは、確かな体力と総力を誇る窪木と今村が最後2名まで残り、先のエリミネーションレースと同様、窪木が最後でかけたスパートに今村は一歩届かず。今村は2着となるも、この3種目を終えた時点でのポイントリーダーとなっています。

最終種目のポイントレース、ここでポイントリーダーである今村をはじめ、窪木、橋本、兒島のチームブリヂストン選手が積極的に前方に出ます。彼らが1着ポイントを分け合う形となり、さらに中盤でラップを獲得します。


(山本、河野)

彼らの速度に合わせてきた山本哲央が、2度目のラップに挑戦し、これを成功させて20ポイントを獲得。ロードレースでも調子の上がっている山本がさらに1位争いに加わって、最終ポイント周回で獲得できるダブルポイント次第で優勝の行方は変わってきます。

この大事な局面で最後にスプリントを仕掛けたのが、ネイションズカップの結果を見ても圧倒的に調子を上げている窪木。そのまま1着でフィニッシュし、2位の今村に僅差のポイントで勝利を掴みました。


(今村、窪木、山本)

*男子オムニアム リザルト
1 窪木一茂(日本ナショナルチーム)151ポイント
2 今村駿介(日本ナショナルチーム)148ポイント
3 山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)137ポイント
4 橋本英也(日本ナショナルチーム)134ポイント
11 兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)69ポイント
14 岡本勝哉(チームブリヂストンサイクリング)59ポイント
16 河野翔輝(チームブリヂストンサイクリング)42ポイント
19 山下虎ノ亮(チームブリヂストンサイクリング)29ポイント

【女子ケイリン】太田は1回戦で遅れをとり、総合7位に


(右;太田)

女子ケイリンの1回戦、太田は外に膨らみ、後方から懸命に追うも届かず5位となってしまい、決勝は7−12位決定戦に回ることになりました。

その7−12位決定戦では、レース中盤から先頭を走り、他選手を引き離す安定した走りで勝利しました。これで総合順位は7位となりました。


(中央前;太田)

*女子ケイリン リザルト
1 佐藤水菜(チーム楽天Kドリームス)
2 イン・ジーウィン(チーム香港)
3 梅川風子(チーム楽天Kドリームス)
7 太田りゆ(日本ナショナルチーム)

【男子マディソン】窪木・今村ペアが確かな戦略を示し勝利


(兒島、橋本、今村、窪木)

男子マディソンでは、窪木と今村がペアを組み、橋本・兒島がペアとなりました。この2組が他を寄せ付けないほどの速さで展開し、レース全体を掌握しています。それについていったのが、山本・河野翔輝のペア。山本がアタックを担当し、それを河野がサポートする形で3位に喰らいつきます。

窪木・今村、そして橋本・兒島が1着と2着ポイントとを分けあう形でポイントを重ねていきます。ただ全体的な流れは窪木・今村ペアが優勢で、総合順位も彼らが上に。ポイント周回では窪木がスプリントを担当する形で鋭く加速、着実に高得点を重ねていき勝利を手にしました。


(兒島、橋本、窪木、今村、河野、山本)

*男子マディソン
1 日本ナショナルチームA (窪木一茂/今村駿介)71ポイント
2 日本ナショナルチームB(橋本英也/兒島直樹)58ポイント
3 チームブリヂストンサイクリングA(山本哲央/河野翔輝)34ポイント
8 チームブリヂストンサイクリングB(岡本勝哉/山下虎ノ亮)4ポイント


【ジャパントラックカップII】

5月11〜12日開催

【女子スプリント】準決勝で伸び悩んだ太田は3位に


(太田)

1/8決勝では、余裕を持ちながらのレース展開に持ち込み、差をつけて勝利した太田。準決勝では梅川風子選手(チーム楽天Kドリームス)との対戦。第1戦、第2戦ともに梅川選手の先に出て先行するも、最後に伸びきれず、フィニッシュラインで後塵を拝することに。3・4位決定戦に進むことになりました。

3・4位決定戦では、小原乃亜選手(日本ナショナルチーム)との対戦となりました。この対戦では太田が終始、相手の動きを見て合わせる形で進行、両対戦ともに相手に先んじてスプリントを仕掛けたのが成功。2回の対戦とも小原選手との確かな距離感を保ってフィニッシュまで先行、3位を獲得しました。


(右;太田)

*女子スプリント リザルト
1 佐藤水菜(チーム楽天Kドリームス)
2 梅川風子(チーム楽天Kドリームス)
3 太田りゆ(日本ナショナルチーム)

【男子マディソン】今村・兒島のペアがスタミナで勝負、勝利を掴む


(窪木、橋本、今村、兒島)

このマディソンでは、窪木・橋本がペアを組み、今村と兒島がペアを組みました。山本・河野、岡本・山下のペアは昨日と変わりません。

窪木・橋本チームは、特にポイント周回スプリントでの強みを見せ、1着ポイントを何度も獲得していきます。それに今村・兒島チームが続きますが、スプリントでの速度には窪木・橋本チームに部があるように見え、そのため2着ポイントを重ねていくこと。


(山本、河野)

この流れを一気に変えたのが、山本・河野チームでした。レース中盤に山本が一気に集団から飛び出すアタックをかけ、数周回をかけてラップを成功させます。これで20ポイントを稼ぎ、一気に暫定2位に浮上しました。

この動きに刺激を受けた兒島も、ラップを狙って飛び出します。それを阻止すべく速度を上げていく窪木・橋本チームですが、今一つ速度は上がらず届きません。今村と兒島は交代を重ねて速度を上げてラップを成功させました。これにより20ポイントを加算でき、結果的にここで獲得したポイントが決め手となり、今村・兒島チームが優勝しました。


(窪木、橋本、兒島、今村、河野、山本)

*男子マディソン リザルト
1 日本ナショナルチームB(今村駿介・兒島直樹)61ポイント
2 日本ナショナルチームA(窪木一茂・橋本英也)46ポイント
3 チームブリヂストンサイクリングA(山本哲央・河野翔輝)38ポイント

【女子ケイリン】フィニッシュで伸び切れず、太田は3位に


(太田)

女子ケイリン、太田は1−6位決定戦に進出します。ラスト3周回に入り先行車が外れてから太田はじっくりと間合いを見て、後方から展開を進めます。

最終周回ででスパートをかけた太田、しかし先行するまでに速度を上げ切れません。そのまま2位を争う形にて最終コーナーからフィニッシュラインへと走り込み、僅差で2位選手に遅れをとり、3位の順位となりました。


(右;太田)

*女子ケイリン リザルト
1 佐藤水菜(チーム楽天Kドリームス)
2 梅川風子(チーム楽天Kドリームス)
3 太田りゆ(日本ナショナルチーム)


【男子スクラッチ】ラップを獲得し勝利に近づいた松田は2位に


(中央:松田)

速いペースで進んだレースの中盤、2名の選手がラップを獲得し、レースを有利に進めます。しかしその終盤に松田祥位が1人抜け出し、ラップを獲得しました。集団はひとつにまとまり、その後ラップを取る選手も現れません。最終周回での松田を含む3名の順位で優勝が決定されます。
松田は最終スプリントでトップを取るべく仕掛けますが、フィニッシュスプリントでは集団で混戦模様に。優勝の可能性がある3名選手の中で松田は2位の順位となり、総合結果も2位となりました。


(左;松田)

*男子スクラッチ
1 レアフ・コナー(Ccache x Par Kup)
2 松田祥位(チームブリヂストンサイクリング)
3 ワン・ミンジー(Henan Cycling Team)

【男子エリミネーション】窪木と今村が勝利を争い、またも窪木が勝利


(左:兒島、中央:山本)

速いペースで展開したエリミネーション、チームブリヂストンサイクリングの選手たちが終盤近くまで残りました。そこからさらにペースを落とさず体力の勝負となり、最終の3人として窪木、今村、さらにイザー・カート(Ccache x Par Kup)が残ります。

そこからフィニッシュを見越した窪木と今村がペースをあげ、この2名が次の除外周回を通過。ここで速度を落とさずに前に出た窪木がフィニッシュへと走り込みます。今村はこれに届かず、2位を獲得。


(左:今村、中央;窪木)

*男子エリミネーション リザルト
1 窪木一茂(日本ナショナルチーム)
2 今村駿介(日本ナショナルチーム)
3 イザー・カート(Ccache x Par Kup)

【男子ポイントレース】最終周回で山本が大量得点獲得で逆転勝利


(兒島)

多くの選手がラップを成功させる、現代ならではのレース展開となったポイントレース。このポイントレースを得意とする兒島がスタートから1着ポイントを重ね、さらにラップを成功させて中盤までを暫定トップに。

そこから今村のエンジンがかかり始めます。ラップを成功させるタイミングを図りつつも、ポイント周回ではのスプリントで1着ポイントを獲得しながら、暫定1位を長くキープしていきます。


(山本)

終盤まで今村の調子が上がる中、しっかりとポイントを獲得し続けたのが山本です。序盤に1着ポイントを獲得、さらに先頭スプリントに絡んで着順ポイントを獲得していきます。

そして終盤、獲得できるポイントを最終周回に残した場面で山本がアタック。最終でのダブルポイントで上位を狙う。そしてその逃げは集団をラップできるまでに高まり、残り1周回で見事に山本はラップを獲得。その速度で進みながら最終ポイント周回での1着も獲得。ここで合計30ポイントを加算する逆転劇で今村を超えてトップに。チーム入り後、トラックレースでの初のトラックレース初勝利を決めました。

*男子ポイントレース リザルト
1 山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)106ポイント
2 今村駿介(日本ナショナルチーム)92ポイント
3 窪木一茂(日本ナショナルチーム)71ポイント


この4日間のレースを通し、チームブリヂストンサイクリングは、国際トラックレースでの強さを改めて示すことができました。これに合わせ、これまでのネイションズカップを始めとする世界大会での成績を鑑みると、チーム選手の走りは世界のトップレベルにあるとも実感できました。

パリの前にチームブリヂストンサイクリング選手が参加するトラックレースは、これで最後です。
しかし間を空けることなく、日本最大のロードレース、ツアー・オブ・ジャパンへの参戦が待っています。

チーム創立60周年という節目にパリでのメダル獲得を目指すチームブリヂストンサイクリングに、引き続き熱い応援をよろしくお願いいたします。

>>⚫︎チームブリヂストンサイクリング 創立60周年 『チームの歴史』

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