【ツアー・オブ・ジャパン2024】第3・4ステージ/山本が第3いなべの厳しい登りに粘り、第4美濃では気合の逃げ切りで2位獲得!
【ツアー・オブ・ジャパン2024】第3・4ステージ/山本が第3いなべの厳しい登りに粘り、第4美濃では気合の逃げ切りで2位獲得!
(山本)
レース名:Tour of Japan 2024 /ツアー・オブ・ジャパン2024
クラス:UCIアジアツアー 2.2
日付:2024年5月19日(日)〜26日(日)
全8ステージ
参加選手:窪木一茂、橋本英也、今村駿介、山本哲央、河野翔輝、兒島直樹
第3ステージいなべ/序盤に逃げを試みるも吸収された山本が前方集団で粘り続ける
(山本)
ツアー・オブ・ジャパン 2024/Stage3 いなべステージ
日付:2024年5月21日(火)
開催地: 三重県いなべ市/梅林公園周回コース
コース長:127km=8.6km + 14.8km x 8周回
ツアー・オブ・ジャパン(以下TOJ)第3ステージは三重県いなべ市のコース。選手たちを激しく消耗させる激坂、通称『イナベルグ』が含まれる、大きく上って大きく下るというコースを8周します。
(C) Tour of Japan 2024
このコースは、登りに強い選手たちに有利になるプロフィール。このTOJを日本ナショナルチームとして走るチームブリヂストンサイクリングの選手たちは、現在トラック競技に向けたパワー系の体づくりとなっており、ちょっと厳しい1日になりそうです。
(兒島、河野)
宮﨑監督もそれを見越し、今日のオーダーは「チーム員全てが絶対完走」。強力なアタックがかかり、それを追う集団のペースが上がると、大きく遅れてしまう選手もいるかもしれません。特に前週のジャパントラックカップでの連戦を走ってきたチーム員、今日は我慢のしどころです。
(橋本)
スタート後から逃げを決めたい選手たちを含めて集団は大きく躍動します。その中から2周目に、山本を含む4人の選手が逃げ出しました。
このところ好調が続く山本、その逃げを決めるべく4人で交代しながら速度を上げていきますが、これは後続の集団が許さず、1周を待たずして吸収されてしまいます。
(山本)
「序盤に、とにかく逃げたくて乗ってみたんですが、集団が許してくれませんでした。力で逃げ切るのは結構難しい感じでした」(山本)
(山本)
逃げを吸収したことで、大きく活性化した集団は、さらにスピードを上げていきます。その中から3周目に1名の選手が逃げ出し、半周ほどでそこに6名の選手が追い上げて合流。ただその速さに1名が脱落して、4周目には計6名の逃げグループが結成されます。
「むしろその逃げが吸収されて、戻ってきてからがさらにキツかったです。2、3周ぐらいは速い速度が続いて、その間に6人が登りで抜け出したのが見えたんですが、追い切れませんでした」(山本)
(河野)
ここからがレース後半、逃げグループと集団との駆け引きが大きな焦点となりました。
この6名の逃げにいるのは強力なメンバー。集団も全く油断していません。1分以上に差を大きく開けることはなく、全体的に高いペースを保ちます。
(兒島)
チームブリヂストンサイクリングの選手たちは、その高い速度と登りの中で、体力を温存しながら全体の様子を伺います。ただペースの上がる集団は、周回を重ねるうちに少しずつ選手が脱落し、二つに割れ、チーム選手たちもその波の中に埋もれていきます。
(今村)
集団は、逃げグループを何度も捕まえにかかりますが、なかなかリズムが合いません。ペースを落とさないまま最終周回、いよいよ6名が逃げ切りを狙って最終段階へ。そこで2名がドロップし残り4名。集団はこれを追いきれずにこの4名が先行でフィニッシュ。この日のチームからは山本が唯一前方集団としてフィニッシュしました。
(窪木)
「今日は全体的にキツくて、前方集団からは何回か遅れましたけど、とにかく最後まで粘りました。逃げが急に止まったりしたら、スプリントも狙おうかなって思ったんですが、捕まらず。
そうであれば、今日は脚を温存する日だと思い、タイム差を開けないように集団の中、後方でフィニッシュしました」(山本)
(今村、兒島)
チーム選手はオーダー通り、体力をリカバリーしながら全員完走。明日は、前年にチームプレイで好成績を残した美濃ステージ。コンディションを高めつつある日本ナショナルチームことチームブリヂストンサイクリングの活躍に期待がかかります。
【リザルト】ツアーオブジャパン 2024/Stage3 いなべステージ 2024/5/20
1 ジョバンニ・カルボーニ (ITA)(JCL TEAM UKYO)3:10:52
2 アナトリー・ブディアク (UKR)(トレンガヌ サイクリング チーム)+0:00
3 ドリュー・モレ (AUS)(キナンレーシングチーム)+0:03
31 山本哲央(JPN)(日本ナショナルチーム)+1:33
41 橋本英也(JPN)(日本ナショナルチーム)+7:05
46 兒島直樹(JPN)(日本ナショナルチーム)+9:50
47 今村駿介(JPN)(日本ナショナルチーム)+9:50
78 河野翔輝(JPN)(日本ナショナルチーム)+13:56
84 窪木一茂(JPN)(日本ナショナルチーム)+14:06
山本が気合いの逃げ切り勝負! フィニッシュで競り負け惜しくも2位、窪木が後方から3位に
(山本)
ツアー・オブ・ジャパン 2024/Stage4 美濃ステージ
日付:2024年5月22日(水)
開催地: 旧いまい
コース長:127km=8.6km + 14.8km x 8周回
今年から新コースになった美濃ステージ。これまで14回開催されたコースでありますが今年は、新たなトンネルが開通し、登りが優しくなったと言います。
(C) Tour of Japan
うだつの上がる美濃市の街並みからスタート、パレードランののちにリアルスタートに。レース序盤から激しいアタック合戦となり、様々なチームが先手を打とうとアタックをかけますが、なかなか決まりません。
一度は河野翔輝を含んだ逃げが決まりかけましたが、それを集団は許さず、高いペースで吸収。なかなか逃げを決められるムードではありませんでしたが、そんな中から山本哲央と中井唯晶選手(シマノレーシング)の2名の選手が抜け出し、そこにさらに2名の選手が合流。4名の逃げを決定づけました。
(山本)
「最初の10kmぐらいはあまり体が動かなくて、前に入れず申し訳ないなとか思いながら走ってたんですが、決まるだろうなって予想してたところで中井選手が逃げ、2人でうまく逃げに乗れました」(山本)
4人の先行グループは後続の集団と2分ほどの差で、残り周回を淡々と走っていきます。途中、山岳賞を狙う中井選手が山岳ポイントを獲得した後に集団に戻り、さらに力尽きた1選手が脱落。
(山本)
最終周回を前に、山本とジョシュア・ラドマン選手(セント パイラン)2選手が先頭を走り続けます。
ここで日本ナショナルチームことチームブリヂストンサイクリングの選手たちは集団の前方に出て、最終的なスプリントになっても、かつ先行グループで走る山本の動きもサポートできるよう備えます。
(今村、窪木)
ラスト2周、集団は少しペースを落とします。日本ナショナルチームも山本がいるので無理にペースを上げる必要はありません。どうやら、山本たち2名の逃げ切りは決まりそうです。
その後のフィニッシュまでの展開を、山本の言葉で語ってもらいます。
「後半、うちとしてはスプリントで勝負というのが本命だったので、ラスト2周目ぐらいは『もう早く捕まえてくれよ』ぐらいの気持ちで走っていました。
(今村、兒島、河野)
差が1分ぐらいになって、集団が来た、捕まるかなと思ったら、急に1分40秒に増えて。そしたらラドマン選手のテンションが上がって、『行けるだけ行こう』という話になって。僕はカタコトですが、それまで英語で話はしていたんですね。
僕も逃げ切りだなって覚悟して。2人で協調しながらペースを上げて、ラスト5kmぐらいの登りのところで少し2人でペース上げたり下げたりといった動きはあったんですが、『最後スプリントしようぜ』って感じになってスプリントに」(山本)
(山本)
フィニッシュ100m前、そこまで先行していた山本が、そのまま踏み切るかとも思われましたが、そこでラドマン選手が一気に加速、ライン直前で山本をさして先行フィニッシュ。山本は、本当に残念ながら、2位となりました。
(山本)
「自分は気持ちで負けてたのかなっていう感じです。ラドマン選手はずっといい感じに引けていて、それで気持ち負けしてて、それが最後のスプリントに出たのかなって感じです。あっちの方が脚があるんだなって。
先週のジャパントラックカップでの優勝は嬉しかったですが、やっぱりまだまだです。まだまだだな、っていうのをずっと思いながら走っていましたが、今日もやっぱりまだまだでした。これからも、がんばります」(山本)
(中央:窪木)
山本がフィニッシュした後に、集団をスプリントしながら追い上げてきた日本ナショナルチームが、河野>兒島>今村>窪木>橋本のプランでスプリント・トレインを結成。
その通りに駒を進めて集団の先頭を確保し、見事、窪木が3位でフィニッシュしました。
(窪木)
「昨日の夜に、本当に入念にフィニッシュスプリントに向けての作戦会議をしていましたが、同時に(山本)哲央くんか兒島くんが逃げるっていうプランもあって、絶対逃がすつもりで、僕らも動いてアシストして。
結局逃げ切ってくれたんですけど、あれはもうビッグサプライズで、もう僕たちは集団にいながら、どっちでもいいと。捕まってもいいし、逃げ切ってくれてもいいと、大きく構えていられました。
(兒島)
(山本の勝利に)期待してたんですけど、惜しかった、2位っていう結果がね、自分のことのように、本当に悔しい。
ただスプリントじゃない勝ち方でも、ブリヂストンは勝てるっていうのを見せつけられました。本当に僕たちは山本に勇気をもらったし、ちょっと雰囲気上がったと思います」(窪木)
(山本)
(今村、窪木、山本)
そして2日目の京都ステージで落車し、全身を絆創膏だらけで走る兒島。怪我を負いつつもしっかりとアシストをこなしている彼に、今の心境を聞きました。
「京都ステージで落車してしまって、結構気持ちが落ち込んじゃって。京都をがんばろうと思っていただけに、そういう結果に終わってしまって気落ちしてしまって、今はもうアシストをしっかり全力で やれたらなって感じです。
特に、左膝を打撲してしまっていて、脚を上げる時に痛いって感じてます。明日の信州飯田ステージと明後日の富士山ステージはきついコースなんで、もう耐えるしかないって感じです。
オリンピック っていう舞台に向けてみんな練習してきたので、しっかりと着実に力をつけてるっていうのは、みんなと練習していてすごくわかり、それが結果に現れているのかなって思います。
相模原ステージと東京ステージでは、しっかりと結果を出せるように、みんなで自信持って走っていこう、と思います」(兒島)
【リザルト】ツアーオブジャパン 2024/Stage4 美濃ステージ 2024/5/21
1 ジョシュア・ラドマン (AUS)(セント パイラン)3:06:21
2 山本哲央(JPN)(日本ナショナルチーム)+0:00
3 窪木一茂(JPN)(日本ナショナルチーム)+0:29
8 橋本英也(JPN)(日本ナショナルチーム)+7:05
9 今村駿介(JPN)(日本ナショナルチーム)+9:50
55 兒島直樹(JPN)(日本ナショナルチーム)+0:35
74 河野翔輝(JPN)(日本ナショナルチーム)+0:46
*第4ステージ後の総合順位
1 ジョバンニ・カルボーニ (ITA)9:01:59
40 山本哲央(JPN)+6:25
44 今村駿介(JPN)+10:06
45 橋本英也(JPN)+12:36
50 河野翔輝(JPN)+14:35
59 窪木一茂(JPN)+18:46
69 兒島直樹(JPN)+19:58
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