【選手紹介2025】長迫 吉拓 プロフィール
長迫 吉拓
ナガサコ・ヨシタク / Yoshitaku NAGASAKO1993年9月16日生・岡山県出身
競技/種目:トラック
主な戦績
・リオ2016オリンピックと東京2020オリンピックに共にBMXレース日本代表として出場
・2024UCI世界選手権 男子チームスプリント 3位
・パリ2024オリンピック 男子チームスプリント 5位
BMXからチームスプリントへ、そして世界選手権でのメダル獲得
長迫吉拓は、リオ2016オリンピックと東京2020オリンピックで日本代表としてBMXレース競技に出場した、日本トップの実績を誇る選手でした。しかし東京2020オリンピックの後、彼は新たな挑戦としてトラック競技のチームスプリントに転向し、一走を務めます。BMX時代に培ったスプリント力を武器にチームを牽引し、2024年はパリ2024オリンピックで5位、UCI世界選手権では3位のメダルを獲得し、世界の舞台で確かな存在感を示しました。ネーションズカップでも何度も表彰台に上ってきた長迫、次のロス2028オリンピックでのメダル獲得を目指します。
ーー自転車競技に関わったきっかけは?
BMXでリオ2016オリンピックに出場した後にトラック競技にも挑戦しました。自分の脚がエンジンとなる競技なので、重たいギアを踏むことができれば、BMXでも結果が出せるんじゃないかと考えて、トラック競技をトレーニングとして取り入れていました。そこから、現在のコーチが日本に来た時にテストを受けて、そこから本格的にトラック競技に取り組みました。
元々はBMXレースに出ていて、4歳から取り組んできました。実家がバラ園を営なむ場所の目の前にたまたまBMXコースがあって、そこで自然と遊びながら始めたのがきっかけです。
ーー選手としての走りの特徴は?
チームスプリントでのスタートダッシュが得意です。ゼロから一気にトップスピードへ上げる瞬発力は、自分にとって一番得意な部分ですね。
ーー誇りに思う成績や印象に残っている瞬間は?
BMXでは2013年の世界選手権(ニュージーランド)で、エリートカテゴリーの決勝に進出できたことです。インドアでの開催で、スタート前に会場が静まり、一気に盛り上がったあの空気感は今でも鮮明に覚えています。
トラックでは、パリ2024オリンピックですね。メダルを獲れると思って行ったんですが、獲れなかった。自分の持っているものはすべて出しきれたのかなと。自己ベストも日本記録も更新できました。
ーー2024年を振り返って印象的だったのは?
ゴールだと思って迎えたパリ2024オリンピックが、実はスタート地点だったことです。ゴールだと思っていて本気で走って行ったら、そこがやっと世界で活躍するためのスタートにやっと立てたのかなという感じがしました。だから辞められなかったですね(笑)。オリンピックまでは、自分は世界での5本の指に入るかなと思っていたのですが、それが世界で1、2を目指せるようになって。やっと世界でも認められるタイムが出せたことに、自分でも自信がついたという感じです。
また今回のオリンピックで感じたのは、恐怖や緊張もありますが、準備を尽くせば楽しみやワクワクに変わることを学びました。『準備』の大切さを強く感じた一年でした。
ーー世界選手権で獲得したメダルへの想いは?
オリンピックから2ヶ月経ってからの世界選手権で、初めてのメダル獲得は嬉しかったですが、『もしこれが五輪だったら』と複雑な気持ちもありました。獲りに行った、というより獲らせてもらった、という気持ちが大きいです。仲間のおかげで獲れた部分が大きく、自分が足を引っ張った、喜べなかったという気持ちもあります。自分がもっと貢献したいと思わされる結果でした。次は自分が世界チャンピオンになるための本当の準備をしたいと思っています。ただ自分たちが言葉にしていたものが、やっと形になって、応援してくれている方にも、一つ形にできたなという気持ちがあります。
ーー自転車以外の趣味や楽しみは?
植物、とくに多肉植物が好きです。実家のバラ園がきっかけで緑との縁は深いのですが、メキシコ原産の『アガベ』やマダガスカル原産の『パキポディウム』などを育てています。時には手作りの鉢で販売もしています。緑に触れるとリラックスできて、練習後のリフレッシュにもなっています。
写真も動画編集も好きですし、僕は比較的趣味が多い方なのかなと思っています。
ーー2025シーズンの目標
競技面では日本一、世界でメダル、そしていずれは世界一になることを目指します。さらにアスリートとしての価値を高め、自転車競技の認知拡大にも力を入れたい。小学校訪問や普及活動を通じて、一人でも多くの人に競技を知ってもらい、全日本選手権の観客席を埋められるようにしたいと思っています。結果だけでなく、『スポーツ選手としての価値』を形にできる活動を目指したいです。
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