【選手紹介2025】山下虎ノ亮 プロフィール

山下虎ノ亮

ヤマシタ・トラノスケ/Toranosuke YAMASHITA

2000年3月26日生・奈良県出身
競技/種目:トラック/ロード
主な戦歴:
・2024 全日本大学対抗選手権(インカレ) 男子マディソン 優勝、男子チームパシュート優勝
・2023 全日本大学対抗選手権(インカレ)男子オムニアム 2位

実力を出しきれなかった先シーズン、今年は大きな飛躍を目指す

山下虎ノ亮は中央大学にも所属する、今年でチーム所属3シーズン目となる学生選手です。これまでのシーズンは大きな怪我をして、時間をリハビリに費やしていましたが、その間を研究とトレーニングに充てました。復帰後はアシストとしてロードレースで貢献し、持久力を活かした力強い走りを見せています。学生選手として気合の入るインカレではマディソンで優勝、チーム員ならではの強い地脚を見せました。今シーズンはさらに基礎体力を磨き上げ、大きな飛躍を目指しています。


ーー自転車競技に関わるようになったきっかけは?

もともと野球をやっていたんですが、野球場まで行く際に自転車で移動していて、「もっと速い自転車が欲しいな」と思うようになったんです。その頃、友達がロードバイクを持っていて、その友達のお父さんが自転車店をしていました。そのお店でツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアなどのハイライト映像が流れていて、「こんな競技があるんだ」と知ったんです。

その後、野球を諦めたときに「やっぱり何かスポーツは続けたいな」と思っていて、いくつかスポーツを試しましたが、自転車が面白そうだと思ったんです。それで親に相談したところ、父の競輪選手の知り合いを紹介してもらって、奈良競輪場に行き、実際に自転車に乗せてもらいました。これが自分にとって初めての本格的な体験でした。

ーー「競技としてやってみよう」と思ったのは?

奈良競輪場で知り合った方々が所属するクラブチームのようなものがあり、そこに入れてもらって、小さな大会に出始め、「これ楽しいな」と感じるようになりました。

中学生、11歳か12歳くらいからですね。とはいえ頻繁に通っていたわけではなく、競輪選手の方が来られるときに「今日行くけど来る?」と声をかけてもらうような感じでした。またロードの練習にも一緒に参加させてもらって、初めから導いてくれる大人がいたのは大きかったです。

高校進学を考える頃に、その「将来は自転車で頑張りたい」という気持ちが芽生えていました。そのとき、父の知り合いの競輪選手が(奈良県の自転車強豪校である)榛生昇陽高校を勧めてくれたので、そこで、「じゃあ、そこへ行こう」ということになりました。


ーー選手としての自分の走りやタイプは?

高校時代は、トラックをメインにやりたいと思って入学したんですが、実際には、環境的に山が多かったこともあり、ロード練習が中心になりました。本当は短距離の道もあったんですが、自然と中・長距離よりになりました。高校では持久系の能力を徹底的に鍛えられたという感じですね。

大学に入ってからはトラックをメインにしていて、基本的には中距離系の種目で結果を出したいと思っています。ロードももちろんがんばりますが、やはり中距離種目での活躍を目指しています。

ーーあなたの強みが発揮される展開や場面は?

本来は「苦しい局面で、もう一段ギアを上げられる」ような走りを理想としていました。けれど、ケガをしたのもあって、そのイメージ通りに走れない状況が続いています。

ーーチーム在籍中に何度か負ったケガ、どう捉えている?

正直、周りに置いていかれている感覚があります。自分が目指すレベルとの間に大きな差があるなと感じています。みんなが練習できているのに、自分はケガで何もできない期間があり、「もうダメなんじゃないか」と思ってしまうこともありました。大学やチームの仲間がどんどん前へ進むなか、自分だけが引き離されている感覚です。

これには向き合うしかないと思っています。ケガで走れない間は、チームメイトや先輩たちの走りをよく観察しました。彼らがどういう走り方をしているのかをもう一回、ちゃんと学ぶ機会と考えたんです。その刺激のおかげで、「自分もこういうふうに工夫しよう」と考え直すきっかけになりました。

ーー2024年の走りを振り返ると?

ロードレースはあまりいい結果ではなかったですが、学生の大会では多く優勝できたので、とてもいいというわけではありませんが、偏った結果が出たなと思います。それに差が開いていると思いますね。学生でなら勝てますが、プロレベルだとまだまだ力が足りないなと思います。

ーー強化したいところは?

瞬発的なパワーと、短い時間での高い出力というのがまだ足りないなと思っています。そのための全日本選手権で勝てないのかなと思いました。またスクラッチなどでの最後のスプリント能力や、高いパワーで踏み続けられる力を高めていきたいです。身長と体重に合った筋肉の量が足りていないので、そこに力を入れていきます。

ーー自転車以外に好きなことは?

音楽を聴いて、映画を見ることです。音楽はR&B系をよく聞きます。映画は、依然はよく観ていたんですが、最近は忙しくてあまり観ていないです。

ーー2025年チームは同世代が多く加入するが、これに対する想いは?

負けてられないなという想いと、自分も強くなって、「がんばればこうなれるんだよ」というのを示せる立場になっていければなというのは強く思いますね。去年までは僕が一番下で。ずっと見ている立場だったので、今度は少し上に行けたらなと思います。同じ大学の選手も入って来るので。

ーー2025年が終わった時にどんな選手になっていたい?

理想は、世界で戦える選手になっていたいなというのがあります。ですが、現段階ではまだ届いていないので、日本の中でトップになれる存在になりたいと思っています。

ーー2025年シーズンの目標は?

全日本選手権トラックの種目で優勝すること。そして学生の大会ではオムニアムやマディソン、チームパシュートなどでの優勝を目指します。Jプロツアーでも表彰台を狙えるようがんばりたいです。

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