3月1日から2日間にわたり、「富士クリテリウムチャンピオンシップ」が開催された。予選・決勝で行われ、チームブリヂストンサイクリングからは7名が予選を勝ち抜き、決勝に進出。決勝では最終周回のスプリント勝負に持ち込まれ、松田祥位がトップでフィニッシュ。チームは富士クリテリウム初優勝を遂げた。

名峰美しい駿河の舞台でチャンピオンの座を狙う

レース名称：富士山サイクルロードレース2025 富士クリテリウムチャンピオンシップ
日程: ３月1日（土）〜3月2日（日）
開催場所:（予選） 静岡県航空協会富士川滑空場　富士川滑空場特設周回コース・（決勝）富士市道臨港富士線　富士市役所前特設周回コース
コース長：予選 45km＝1.5km×30周　決勝 50km=1.8㎞×30周
出場選手: 岡本勝哉、河野翔輝、兒島直樹、松田祥位、三浦一真、矢萩悠也、山下虎ノ亮、山本哲央
リザルト: https://fcrr.fujicity.jp/result/

7名が予選を勝ち抜き、決勝に備える

今年で4度目の開催となる富士クリテリウム。
チームブリヂストンサイクリングも1回大会から活躍しており、今年も結果を残していきたいところ。

まずは決勝へと駒を進めるべく予選を戦った。
UCI（国際自転車競技連盟）コンチネンタル・チーム、JBCF（一般社団法人全日本実業団自転車競技連盟）登録クラブチーム、日本学生自転車競技連盟（JICF）と3つの団体が集うレースであり、多数の選手が出走する。そのため、限られた決勝進出枠争いも激しく、予選からシビアなレース展開が見られた。

予選は3組に分けて争われ、各組上位25名が決勝に進出することができる。チームブリヂストンサイクリングも各々が予選を勝ち上がり、決勝で合流することを誓い出走。

いずれの組でも高速でレースが進行し、集団がいくつかに分断する展開となった。そんな中でも、チームは後手を踏まない展開を心がける。

3組のレースが終了し、結果的に7名が決勝に進出。惜しくも決勝進出を逃した山下が交流戦で戦うこととなった。

予選リザルト　45km＝1.5km×30　※各組上位25名が決勝進出

1組目　4位 岡本勝哉　5位 松田祥位　26位 山下虎ノ亮

2組目　1位 矢萩悠也　7位 河野翔輝　13位 兒島直樹

3組目　6位 山本哲央　8位 三浦一真

得意の展開を手繰り寄せての勝利

2日目の交流戦、決勝戦は富士市の主要道路、臨港富士線の通称：青葉通りを舞台にレースが行われた。

まずは山下が交流戦に出場。単騎であり、マークもある中で逃げの展開には恵まれなかった。それでも相手の仕掛けには自らチェックに入り、逃げ切りを許さず、最終盤へ持ち込んだ。
最後のスプリントを競ったが、ここで山下に進路不保持の判定が下される。結果は失格となり、苦いレースとなった。

決勝への時刻が近づくにつれ、レース会場はさらに活気づく。チームピットでは、沢山のファンが訪れ、テレビクルーの取材が入るなど、注目度の高い大会であることが感じられた。

選手たちも決戦に備えてエネルギー補給やウォームアップを開始。万全の状態でスタートラインへ立った。

ローリング走行を経てレーススタート。チームブリヂストンサイクリングも前方に位置し、展開を伺う。

前半に兒島がバイク交換で遅れる場面があるも、矢萩がすぐさま協力して集団復帰を果たす。集中力も高く、チームでの動きが機能している雰囲気。

11周目に集団から2名がアタック。これをきっかけに4名の先頭グループが生まれる。
やがて先頭にメンバーを入れていないチームが前を追う展開へ。チームブリヂストンサイクリングも追う立場となる。

メイン集団からは、先頭に加わりたいチームによるアタックが頻発し、三浦、山本らがこのタイミングで動いた。

その後は、松田が集団から飛び出すなど、ライバルチームに揺さぶりを掛ける。

チームブリヂストンサイクリング同様に、スプリント勝負に自信を持つチームが先頭を吸収すべく前を追いかけだす。前との差が詰まりだすと、チームも隊列を整えて先頭へ。

そのまま前を行く4名を捉えて最終周回へと入った。河野、矢萩の牽引に松田が続いてスプリントを待つ。そこへ別ラインから兒島、山本がリードに加わり、フィニッシュ前まで松田をアシスト。

これを受けた松田が力強いスプリントをかけると、先頭でフィニッシュラインを駆け抜けた。また、松田の後方で構えていた岡本も7位で順位をまとめている。

過去3回、この大会を振り返ると、いずれも表彰台には登壇しているが、1位は未だ獲得していなかった。
チームは念願の「チャンピオンシップ」優勝を果たし、欲しかったタイトルを手にした。

決勝リザルト 50km=1.8㎞×30

1 　松田祥位　チームブリヂストンサイクリング　1:16:17 
2　中井唯晶　シマノレーシング　1:16:17

7　岡本勝哉 +0:01
21　山本哲央 +0:04
47　兒島直樹 +0:53
55　河野翔輝 +1:10
64　矢萩悠也 +2:12
DNF　三浦一真

交流戦リザルト 27km=1.8×15
DSQ　山下虎ノ亮　

コメント

松田

「レースがずっと速いのでアタックが決まりづらく、難しさはありました。最後は理想の形ではありませんでしたが、兒島、山本がいい位置に連れて行ってくれたので、スプリントできました。
このレースには過去に一度出場していますが、悔しい思いをしているので、今回優勝することができて嬉しいです」

宮﨑監督

「チーム（ブリヂストンサイクリング）はやはり他チームからマークされていて、思うように動けない場面があったように感じました。
そんな中でも、スプリントを狙っていた他チームと同調できたことにも助けられて、勝てたかなと思います。ただ、最後は隊列を崩しながらのスプリントになってしまったので、フィジカル・戦術的にもまだ課題があるかなと思っています。
チーム拠点にも近い素晴らしい場所でのレースなので、また来年も連覇を狙って出場したいです」

Text :Ryo Kodama
Photo :Satoru Kato , Ryo Kodama