【第59回東日本ロードクラシック】展開に恵まれない中、山本哲央が30km単独追走 敢闘賞を獲得

2025年4月27日に「第59回東日本ロードクラシック」が開催された。
レースは序盤からアタックが続き、落車による混乱で集団が分断。チームブリヂストンサイクリングは苦戦する中、終盤に山本が単独アタックで30km追走。先頭集団への合流は叶わなかったが、積極的な走りが評価され敢闘賞を獲得した。

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JBCF第59回東日本ロードクラシック
日程: 4月27日(日)
開催場所: 群馬サイクルスポーツセンター
コース長:150km=6km x 25周
出場選手: 河野翔輝、山本哲央、岡本勝哉、山下虎ノ亮、矢萩悠也、三浦一真、木綿崚介
リザルト:https://jbcfroad.jp/wp-content/uploads/2025/03/0427_JPT.pdf

前半から激しい攻防、チームブリヂストンサイクリングに試練の展開

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59回目を迎えた東日本ロードクラシック。長く続く伝統的なレースでリザルトを残したいところ。舞台となった群馬サイクルスポーツセンターは本格的な登りは無く、短い坂とテクニカルな下りで構成されており、集団が速く流れるレイアウトとなっている。
スピードに自信を持つチームブリヂストンサイクリングにとって相性の良いコースで、力のある7名でスタートラインに立った。

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レースは前半からアタックが繰り返され、150km超のレースと思わせない激しい展開。前半での攻防は主に三浦と岡本が担う。早い展開の中で、集団前方をキープし、アタックの応酬に加わった。

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時折集団から飛び出す選手が見られるが、いずれの動きも集団がスピードを上げて吸収していく。速いペースで落ち着く間も無くレースが進行し、途中幾度か落車が見られる。
やがて9周回目のフィードゾーン(補給区間)に差し掛かると、中規模の落車が発生。数名の選手がまとまってこの落車に巻き込まれる。
チームブリヂストンサイクリングもこの落車の影響で岡本、矢萩、木綿、三浦が遅れをとってしまう。さらにこの影響で山下が機材トラブルでやむを得ずレースを降りた。
アクシデントの影響もあり、集団がいくつかに分断されると、落車を免れた河野、山本が第2集団で前を追う展開に。レース前半での決定的な逃げを許さない第2集団はスピードを上げて先頭集団を追った。

12周目、各チーム懸命な追走もあり、第2集団は先頭への合流を果たす。チームブリヂストンサイクリングも先頭復帰を果たした河野、山本で一矢報いたい。その後も足止めを受けた選手がこの集団へ合流を果たし、再びメイン集団が形成されたが、チームブリヂストンサイクリングの遅れをとったメンバーの復帰は叶わなかった。

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停滞を打破すべく山本がアタック

16周目後半に入り、集団から抜け出しを図る選手が現れると、続々と逃げを打つ選手がその動きに続く。「力でできた逃げだった」と山本が語ったように、強力な逃げは12名まで膨らみ、スピードを上げると、次周回でメイン集団から一気に1分30秒のリードを築いた。
河野、山本含むメイン集団では、先頭に選手を乗せているチームが集団前方を固めてレースをシャットアウトする雰囲気に。

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逃げと集団の構図のまま、タイム差は2分を超えるまで開く。すると21周目に差し掛かる時点で、山本がこの停滞したムードを嫌って集団から飛び出した。

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単独でアタックを成功させた山本は先頭の12名を追走。
次の周回には先頭との差を約20秒詰めるが、その後合流を果たすには至らない様子。
結局、山本は最終周回も先頭集団とメイン集団の間で走り続けた。
この頃先頭では優勝争いに向けたペースアップが発生し、遅れを取る選手も現れる。最終周回もペースで走り続けた山本は先頭から溢れた選手を1人追い抜くと、最後は12位でフィニッシュ。河野もメイン集団で堪えて23位でレースを終えた。

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結果的に30kmほどを1人で追走した山本はその走りが評価され、その日積極的なレース展開をした選手に贈られる「敢闘賞」を獲得している。

リザルト 150km=6km x 25 周

1  Elliot Schultz ヴィクトワール広島 3:35:15
2 アコスタ ルーベン 宇都宮ブリッツェン +00:00

12 山本哲央 +03:30
23 河野翔輝 +03:58
DNF 矢萩悠也、三浦一真、木綿崚介、岡本勝哉、 山下虎ノ亮

今回は展開に恵まれ無い部分もあったが、「敢闘賞」獲得と、チームの存在をアピールすることはできた。
翌週からはいよいよ「和歌山城クリテリウム2025」、「ツール・ド・熊野2025」と国際レースへの参加を予定。注目度の高いレースでチームの力を噛みあわせ、大きな勝利を掴みたい。

選手コメント

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山本哲央

—落車を経て、集団が一つになった後に今日の勝ち逃げ(逃げ切って優勝争いをしたグループ)ができました。その時はどんな様子でしたか—

集団ペースが上がった中から、各チームのエース格が動いてできた逃げでした。
チーム(チームブリヂストンサイクリング)からは自分と河野しかいなく、動くのことも難しい状態、且つここまで動いてきた中なので、さらにここから動く力も度胸も残っていませんでした。完全にここが勝負のポイントで、このグループに乗っていかなければいけなかったです。

—それでも終盤、単独で動いて追走をかけていましたが—

完全に勝負を投げた集団の中にいたので、ここで何もしないよりかは行っておこうと思って動きました。

—その甲斐あって敢闘賞を獲得できましたね—

最後1周はかなりきつかったので、自分の走りが評価してもらえたことは嬉しいですし、報われた感じがします。
コンディションについてもまだまだ上げていける感じがするので、来週に向けてさらに仕上げていきたいと思います。


Text :Ryo Kodama
Photo :Satoru Kato

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