自転車通学時のヘルメットについて考えてみよう
評価が微妙な通学用ヘルメット
中学時代の自転車通学と言えば、まず思い出されるのが、お世辞にもあまりかっこいいとは言えないあの通学用ヘルメット。私の友人も「暑い、ダサい、髪型が崩れる」との理由で、嫌々被っていた記憶があります。中高生には喜んで着用してもらえないヘルメットですが、どれくらいの安全効果があるのでしょう。
交通事故総合分析センターの事故分析レポートをもとにヘルメットの有効性をお伝えしたいと思います。
頭部損傷による死亡が6割以上、ヘルメットにより1/4までリスク減少
まず、自転車事故における死亡者のうち、64%と圧倒的に多いのが頭部損傷。そして頭部損傷による死亡者のうち、98%がヘルメットを着用していませんでした。
もし仮に、頭部主損傷による死亡者が正しくヘルメットを着用していたとしたらどうだったのでしょう。
なんと、その死亡率は約1/4まで下がると推定されるのです!
ヘルメットは頭部を、命を、かなり高い確率で守ってくれているのです。ただし、これは正しくヘルメットを着用した場合のお話。あごひもが緩んでいたら、離脱してしまいますので、効果は期待できません。
また、特に中学生・高校生における自転車事故が多いとのデータがあり、その世代こそヘルメットを着用してもらいたいところです。しかし、前髪1cmにも気を使う思春期の世代。一般的に普及している、あの通学用ヘルメットのデザインは少し気になるかもしれません。
愛媛県の新たな試み、ダサい⇒高い着用率へ
愛媛県の県立高校では、なんと100%に近い着用率を実現させました。2015年7月より全国で初めて、自転車通学する県立高校生のヘルメット着用を義務化し、無償提供しました。
採用されたヘルメットは実際の高校生の意見により選ばれたスポーツタイプのもの。従来品の半分ほどの軽さで、通気性に優れ、インナーパッドは洗濯可能。「軽い」「おしゃれ」「これならかぶりたい」と生徒たちからの評判も上々とのこと。
県レベルで高校生のおしゃれと安全を両立させたのですから、まさに愛媛県の取り組みはお見事です!これを機に是非ともヘルメットの着用が習慣となり、全国にも広がって欲しいものです。
余談ですが、筆者の配偶者は自転車通勤しています。もちろんヘルメットをしっかり着用しています。『無事帰る』を意味する蛙のお守りを持たせていますが、お守りよりも効果的に命を守ってくれているのはヘルメットなのですね。
これを読んでくださっている方、またその大切な方が笑顔で無事に帰って来ますよう...正しいヘルメットの装着をオススメします!
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